歴史感じる観光地 市民憩いの場にも ロッテルダム要塞

 香辛料など海上交易の要所として古くから栄え、現在は東部インドネシアの玄関口ともなっている南スラウェシ州のマカッサル市。市内で歴史を感じられる最も有名な観光地の一つとして、オランダ統治時代の要塞(ようさい)「フォート・ロッテルダム」がある。市民の憩いの場としてだけでなく、北トラジャ県などスラウェシ州を訪れる外国人観光客が、同市に滞在している合間に足を延ばす名所となっている。   

 1987年から同地でガイドをしているウィド・ハムさん(60)は、70年ごろに広場が整備されて以来、地元住民の憩いの場となったと語る。最近は、結婚式の前撮り写真のスポットとしても人気で、週末は豪華な衣装に身を包んだカップルとカメラマンの姿が必ず見られるという。
 ウィドさんは「外国人観光客の大部分はトラジャがお目当て。中継地としてマカッサルに泊まるついでに要塞に立ち寄る人がほとんど。憩いの場としてだけではなく、南スラウェシの文化や伝統、歴史も知ることができる。学生もよく訪れるよ」と話した。
 マカッサルの伝統衣装「バジュ・ボド」を身につけて写真撮影を楽しんでいたのは、トルコから友人と2人で訪れたラダンさん(28)。インドネシアに2カ月間、滞在する予定だという。「観光ビザが緩和されたこともあって、インドネシアに来ることにしたの。インドネシア全土の多様な文化や生活様式を知り、学ぶため、さまざまな場所でたくさんの人に会いたい」と話した。
 ロッテルダム要塞は14世紀以降、マカッサルを中心に栄えた海洋大国のゴワ王国が17世紀に築いた砦(とりで)で、オランダ軍に破壊されたが統治時代に再建。その後、日本統治期には旧日本軍が研究所として使用していた。
 現在も、火薬庫や教会、監獄などとして使われていたオランダ統治当時の建物が残り、中央にある芝生の広場では家族連れや若者がくつろぐ。南スラウェシの伝統文化や歴史、農業や船などの生活様式を知ることができる博物館もある。 (毛利春香、写真も)

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