豪雨 3万人に影響 気象庁 9月にも雨期入り

 ジャカルタ特別州で27日に降った豪雨で大規模な洪水が発生した。国家防災庁(BNPB)は、東・南ジャカルタ区民3万人以上に被害があったと発表。気象庁(BMKG)は南ジャカルタの雨期入りは例年の11月から9月初旬に繰り上がる可能性もあると予測し、注意を呼びかけている。

 BNPBのストポ・プルウォ・ヌグロホ報道官は洪水の原因として「クルクット川の氾濫や排水設備の能力を上回った」と説明した。被害は調査中だが、冠水した家屋は数千軒、水没した車両は数百台に上るとみられる。
 州災害対策局(BPBD)によると、被害があった地域は、南ジャカルタ区のクバヨランバル、チランダック、南チプテ、パサールミング、マンパン・プラパタン、プサングラハン。東ジャカルタ区のパサール・ルボ、クラマットジャティの8郡。計1万538世帯に被害があったとみられる。
 被害が大きかったクバヨランバルでは、洪水の水位が平均90〜100センチに達した。他にもチランダックで同40〜100センチ、南ガンダリアとポンドックラブで同70〜100センチを記録した。
 一方、気象庁は今回の大雨は、7月のレバラン(断食月明け大祭)前に大雨や高波、高潮などをもたらす原因となった「ラニーニャ現象」により発生したとみている。
 南ジャカルタでは27日までの10日間で、降水量1日50ミリ以上の雨が集中したことを受け、気象庁は雨期入りの兆候と判断。南ジャカルタでは9月初旬には雨期に入るとの見解を示した。降水量1日50ミリ以上の雨が10日間続き、同150ミリ付近になると雨期入りと判断している。
■クマンで車が水没
 日本人や観光客もよく訪れる南ジャカルタ区クマンでは、27日午後4時ごろから夜まで雨が降り続き、近くを流れるクルクット川が氾濫し大きな被害が出た。
 洪水の水位が1〜1.5メートルに達する地点もあった。地下駐車場には水没した車が取り残され、排水車による排水作業が続けられた。28日になっても、クマン・ラヤ通りでは家屋19軒が50センチ浸水した状態。近所で働く警備員のズルさんは「津波が来たかと思った。2002年以来の大きさではないか」と驚きを表した。
 アホック知事はクルクット川沿いの家屋5軒の壁が崩れたことで被害が拡大したと説明。対策として、州水道局が家屋に沿って浸水対策の土のうを積み上げる。川沿いの家屋を撤去し壁を作るために重機も送り込んだ。
 また、クマンに貯水池建設用の2ヘクタールの土地収用を計画していたが、地権者に拒否されたとし、洪水対策への協力を呼びかけた。(中島昭浩)

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