現地に適応したMPV トヨタ 「シエンタ」販売開始

 トヨタ・アストラ・モーター(TAM)は26日、多目的車(MPV)「シエンタ」の国内販売を開始すると発表した。インドネシア国内向けに開発、東南アジア諸国連合(ASEAN)などにも輸出し、西ジャワ州カラワン工場で生産する。

 現地生産法人のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)の野波雅裕社長は「内装も外装もインドネシアに適した製品に仕上がった。多くの人に快適な乗り心地を体験してほしい」と話す。
 インドネシアは日本の次の生産拠点となる。月産4千台ペース。金型の製作など、設備投資額は約2.5兆ルピア。部品の現地調達率は80%でNRエンジンやスライドドアも現地で製造する。野波社長は「いずれは現地調達率100%を目指す。インドネシアを輸出拠点にしていきたい」と話した。
 開発は2011年に始まった。インドネシアに適した仕様への変更にはインドネシア人スタッフも広範囲で携わり、共同作業により実現した。子育て世代など幅広い層の需要の取り込みを図る。
 価格は2億3千万ルピアから。4月の初披露から現在までに約2800台を受注した。今後、国内での販売を進めていくと同時にアジア地域に輸出する。

■内装にバティック柄
 トヨタ自動車の粥川宏チーフエンジニアは「道路などインドネシアの環境に適した製品に仕上げるのに時間がかかったが、エンジンの出力方法などありとあらゆる工夫を凝らした結果、乗り心地の良い製品になった」と話した。
 インドネシアの道路事情や洪水の影響を考慮して、車高を日本の仕様から25ミリ上げて1695ミリとした。エンジン排気量は1500cc。7人乗りだが、3列目のシートを簡単に折りたたむことができ、さまざまな用途に使用できる。
 気候に合わせてリアクーラーも設置した。また、助手席側のアッパーボックスにはエアコンの冷気が入るように工夫し、クールボックスとしての役割も果たすようになっている。
 また、ダッシュボードにバティック柄の装飾を施すなど細部にもこだわった。
粥川チーフエンジニアは「既存のMPVのアバンザを上回る都会的なデザイン、多用途、乗り心地を実現した。機能性とデザイン性を兼ね備えた、アーバントレッキングシューズをイメージしてもらえたら」と語った。
 トヨタは8月に開催されるインドネシア国際オートショー(GIIAS)に昨年と同規模のブースを出展し、シエンタをはじめとする製品を展示する。高級車ブランド・レクサスの専用ブースも設置する予定。(平野慧、写真も)

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