スマランまで延伸へ 立ち往生対策も急務 ジャワ横断高速来年の帰省まで

 バスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相は11日、来年6月の帰省シーズンまでに、ジャワ島横断高速道路を中部ジャワ州スマランまで延伸するとの目標を発表した。しかし土地収用は用地の半分しか進んでおらず、建設計画は難航している。ことしの帰省では、6月に開通したばかりの区間で立ち往生トラブルが続出、高速施設の整備も急務となっている。

 バスキ公共事業・国民住宅相は、中部ジャワ州プマラン高速(全長57.5キロ)について、6月に開通したプジャガン〜東ブルブス(20.2キロ)から、さらに東ブルブス〜東トゥガル〜プマラン(37.3キロ)の区間の建設を年内にも完了させたいとの目標を明らかにした。
 さらに2006年に土地収用計画が承認されているプマラン〜バタン(39キロ)、バタン〜スマラン(75キロ)の区間についても「来年の帰省に利用できるようにしたい」と話した。スマランまで開通すれば、帰省ラッシュで最も混雑する首都圏から約415キロの区間を直結することになる。
 しかし土地収用など課題は山積する。東ブルブス料金所の先は水田のままで工事は進んでいない。公共事業・国民住宅省のヘリー・トリサプトラ高速調整局長は「土地収用を終えたのは50%」と説明。今後は20キロごとに用地を確保した時点で工事を始める方針。
■恐怖のブレグジット
  ことしの帰省ラッシュで、横断高速東端の東ブルブス料金所付近で20キロを超える大渋滞が発生し、十数時間立ち往生する車が続出。燃料切れや体調不良などを訴える帰省者の批判が集中し、「ブレグジット(東ブルブス料金所)、恐怖の渋滞」との報道が相次いだ。
 開通したばかりのプマラン高速の一部区間ではサービスエリアも完備されておらず、モスクだけ完成したサービスエリア建設予定地が1カ所のみ。東ブルブス料金所付近では、ビニールシートや竹などで近隣住民らがつくったトイレや屋台などが並んだ。
 立ち往生した車の燃料切れも問題になった。同区間に給油所はまだなく、東ブルブス料金所を降りた地点の給油所でもガソリンは完売。転売目的の市民がポリ容器を抱え、トゥガル市街の給油所に殺到し、1リットルあたり5万ルピアで帰省者に売る姿が話題になった。
 国営石油ガス・プルタミナのタンクローリーも、路肩も車で埋まった高速で身動きが取れず、臨時の給油サービスは難航した。
 公共事業・国民住宅省や運輸省は、来週にもことしの帰省状況を協議する会議を開き、今後の対策を話し合う。(配島克彦、写真も)

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