つけ麺10玉で1年間無料 ラーメン田ぶし 破格キャンペーン 

 10玉食べたら1年間ラーメン無料――。バンテン州南タンゲラン市スルポンのイオンBSDシティにあるラーメンビレッジなどに3店を展開する「ラーメン田ぶし」が、破格のキャンペーンを展開中だ。10玉分が盛り付けられたつけ麺を、10分以内に食べきると、1年間ラーメンが無料となる特別カードがもらえる。30分以内でも料金が無料となるほか、同じテーブルで食べた人の会計が割り引きになるという。半信半疑で出かけてみた。

■前代未聞のドカ盛り
 訪れたのは、中央ジャカルタ・スディルマン通りのBNIウィスマ46ビル1階にある「東京食堂ラーメン田ぶし」。
 大食いや早食いは、インドネシアでもよく耳にするなじみあるキャンペーンだが、成功したら1年無料というのは聞いたことがない。この企画について「ラーメン田ぶし」海外事業部の高橋弘弐部長は、イベントが好きなインドネシアの国民性に合わせた還元ができないかと考えたのが「ドカ盛り」だと言い、「ただおいしいラーメンを売ればいいという時代は終わった」と話した。
 店長の向井慎吾さん(33)から「せっかくなら食べてく? 30分以内の方やけど」と声をかけられ、二つ返事で挑戦することに。向井店長に、10分だったら1年間無料になるか尋ねると、「ええよ」とほほ笑んだ。だがその笑みの意味がわかるのは少し先になる。

■まるで富士山
 つけ麺のスープは魚介しょうゆ、しょうゆ、みその3種類のうち2種類を選ぶことができる。魚介しょうゆとしょうゆを頼み、待つこと15分。目の前に10玉分が盛られたつけ麺が置かれた。器にそびえ立つ麺はまるで富士山。しかし、10玉にしては見た目に少なく余裕を感じる。ノリとゴマが振りかけられたつやのある麺に、スタートの声と同時にすっと箸を入れる。多めにとった麺を、まずは魚介しょうゆスープにくぐらせ口に運ぶ。かむと弾むような食感の麺に魚介の香りがふわっと混ざり合いとてもおいしい。あっという間に2玉分食べてしまった。

■標高が復活
 4玉目からしょうゆスープを味わう。フライドオニオンが入っており、しょうゆのコクとたまねぎの甘みが麺を包み込む。つい味わいながら食べてしまったが、時間は6分経過。5玉目に入ろうとした時、突然の満腹感におそわれたが、自らを鼓舞し食べ進める。
 「まだいける」と考えた矢先だった。麺に箸を入れようとすると、ある違和感に気づいた。なんと麺に箸を入れる隙間がない。麺をほぐしていると、突如とんでもない光景があらわれた。食べ進めて下がったはずの麺の標高が、ほぐしたことで復活しているのだ。昇り竜のごとく、頂上がみるみる上がり続ける。目の前の景色が、挑戦する前の時間まで戻ったようだ。完全に心を折られてしまった。7分34秒でリタイア宣言し、挑戦は幕を閉じた。

■レバラン休暇に
 「ラーメン田ぶし」各店では、挑戦者を募集している。1人でも挑戦は可能だが、孤独な戦いはつらい。家族や友人たちに応援されながら、楽しく挑戦すれば完食しやすいはずだ。30分以内の完食であれば挑戦代は無料。失敗時の価格は14万8千ルピア。その後、ゆっくり食べるもよし、お持ち帰りもできる。ただ7月1日現在、成功した人はいない。レバラン(断食月明け大祭)休暇、旅行に出かけない人にお薦めする。(市田博嗣、写真も)

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