渋滞、過去最悪に ジャカルタ TJ用ブロック逆効果 JICA専門家調査

 ジャカルタ中心部の渋滞緩和策「3イン1」制度の廃止後、悪化していた渋滞は、その後整備した首都圏専用バス「トランスジャカルタ(TJ)」専用車線を分けるブロック設置で、調査を開始した2014年以来、過去最悪の状態となった。調査に当たった国際協力機構(JICA)専門家の秋村成一郎・都市交通アドバイザーは「政策の一貫性がほしい」と指摘する。
■廃止で悪化
 秋村さんは14年8月から中央ジャカルタの目抜き通り、タムリンとスディルマン両通りで、信号待ちや停止時も含め通行にかかった時間(旅行速度)を朝、昼、夕方の時間帯に分けて独自に調査している。
 3イン1制度解除試験が始まった4月5日から制度の正式廃止後でラマダン(断食月)入り前6月3日までの計測で、南ジャカルタのスナヤン・ロータリー〜ホテルインドネシア(HI)前(第1区間)で、特に朝の混雑度合いが増したことが分かった。
 また、HI前〜独立記念塔(モナス)広場前(第2区間)では夕方の混雑がひどくなった。
 日本交通情報センターは、一般道では時速10キロ以下を「渋滞」、同20キロ以下を「混雑」と定義している。
■ボトルネック4カ所
 ジャカルタ特別州は「3イン1」廃止後、TJの利用促進のため、専用路線を分離するブロックを設置したが、逆に一般用車線が狭くなるボトルネック・ポイントが新たに4カ所発生。さらに深刻な渋滞を引き起こしていることがわかった。
 4カ所は第2区間南下時に通過するシナルマス1ビル車両入り口前(地図の1)と北上時のホテル・グランド・ハイアット前の歩道橋下(同2)。それぞれブロック設置で5車線が3車線、4車線が2車線に減少している。
 第1区間では、北上時のスティアブディ横断歩道橋付近(同3)で3車線から2車線になり、南下では、スディルマン通りと南ジャカルタ・サトリオ通りとの交差点付近(同4)が1車線減って2車線となった。
 これで北上・南下の全区間が時速20キロ以下の「混雑」となり、うち、日中の第1区間北上、第2区間南下、夕方の両区間南下で時速10キロ以下の「渋滞」に突入した。
 ただ、夕方についてはラマダン(断食月)の影響もあるとみられる。
■それでもTJ
 秋村さんは、ブロック設置そのものが悪いわけではない、とした上で、「(バス利用促進策を)やるならはっきりと宣言し、そのための善後策も提示し、道路利用者の賛意を得た上で進めるのが望ましい」と提言した。
 ジャカルタ特別州運輸局は警視庁と共に、ナンバープレート末尾の数字で進入車両を制限する「奇数・偶数システム」を8月30日に導入する。
 アホック知事は22日、ジャカルタ生誕489年記念式典で、大量高速鉄道(MRT)や次世代交通システム(LRT)の建設が完了するまでは、TJに輸送業務を担当させると表明。「TJにさらに路線を追加していく」と述べている。(中島昭浩、写真も)

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