ツール・ド・フローレス 総距離661.5キロで初開催 16カ国20チームが参加

 東ヌサトゥンガラ州フローレス島を横断する「ツール・ド・フローレス(TDF)2016」が19日、東フローレス県ララントゥカ市で開幕した。インドネシア東部での国際自転車レース開催は初めて。日本など16カ国から20チーム、160レーサーが参加し、23日まで五つのステージ(総走行距離661.5キロ)の合計タイムを競う。レースをきっかけに政府指定の重点観光都市の一つ、ラブアン・バジョやコモド国立公園へ観光客を呼び込む。

 標高千メートルを超える山間部から美しいビーチが広がる海岸線のアップダウンが激しいコース。国際自転車競技連合(UCI)がことしのアジアツアーにTDFを登録、四つある基準のうち国際レースとして最低のクラス2.2だが、強い日差しと荒れた道などでハードなレース環境となっている。
 19日の第1ステージは、東フローレス県庁舎を出発し東隣のシッカ県マウメレにある県庁舎を目指す138.8キロ。レース序盤の標高256メートルと564メートルの二つの山間部から海岸線を疾走した。
 ゴール前では8人の先頭集団から頭一つ抜け出したケニアのケニヤンライダーズダウンアンダー所属のニュージーランド人ジェイソン・クリスティ選手(25)が、3時間28分41秒でステージ優勝を飾った。日本から参加しているキナンサイクリングチームのニュージーランド人ウェズリー・サルツバーガー選手(29)が準優勝。インドネシアからは6チームが参戦しており、初日は10位以内に5人が入った。
 18日に東フローレス県ララントゥカ市のタマン・コタで開かれたオープニングセレモニーで、インドネシア自転車競技連盟のラジャ・サプタ・オクトハリ会長は「インドネシア東部で初めてのレース。フローレスには美しい海や湖など観光資源がある」と強調した。
 リザル・ラムリ海事調整相は式典後、じゃかるた新聞の取材に応じ、「今後5年間で政府がインフラ整備に取り組む重要地域の一つ。北スマトラ州のトバ湖や世界遺産ボロブドゥール寺院と共に、東部ではフローレス島に注力する。3年内に道路や水道、電気、ガス、港、通信環境などを整備していく」と説明、観光イベントの運営のプロフェッショナルを育てることにもつながると語った。
 TDFの各ステージは、前ステージのゴール地点が翌日のスタート地点となる。それぞれのゴール地点は、第2ステージ(141.3キロ)がパンチャシラ広場、第3ステージ(123.3キロ)がバジャワ県知事邸、第4ステージ(136.6キロ)がマンガライ県ルテン警察署、第5ステージ(121.5キロ)が西マンガライ県庁舎。(中島昭浩、写真も)

日本からも2チーム

 日本からも2チームが参加している。インドネシアで注目を集めるのは、和歌山県熊野に本拠地を置く「キナンサイクリングチーム」。2012年から開催されている国際自転車レース「ツール・ド・イジェン・バニュワンギ」で、ことし総合優勝したジャイ・クロフォード選手(32)が所属しており、地元メディアからの人気も高い。
 石田哲也監督(34)は「前回の勢いで優勝を狙っていく。これまでの経験から、インドネシアのレースは上りがきつい。脚力と肺活量といった基本の力が勝負の分け目になってくる」と話した。15年1月設立の同チームに所属する日本人レーサー伊丹健治選手(27)と阿曽圭佑選手(24)も出場している。
 もう一つは元F1レーサーの片山右京さん(52)が監督を務める「チーム右京」。今回はマネジャーの沼澤祐介さん(36)が同行。兄弟の中井路雅選手(21)と唯晶選手(19)、今井勇太選手(18)の3レーサーが参戦している。(中島昭浩)

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