中国人ら7人逮捕 無許可で地質調査 高速鉄道予定地 ハリム空港周辺

 空軍は27日、東ジャカルタのハリム空軍基地周辺の空軍所有地で無許可に掘削作業をしていたとして、中国人5人を含む7人を逮捕したと発表した。ジャカルタ〜バンドン間の高速鉄道建設の地質調査で、許可発行を待たずに作業を開始していたとみられる。    

 空軍のウィコ・ソフィアン報道官によると、逮捕されたのは中国人5人とインドネシア2人。26日、軍服のような服装で掘削していたところを拘束された。中国人5人の身柄は東ジャカルタの入国管理局に引き渡され、調べを受けている。
 掘削現場は東ジャカルタ区チピナン・ムラユにある空軍所有地で、ハリム空港に設ける高速鉄道の始発駅の建設予定地周辺とみられる。約1カ月前から高速道路沿いの道を通り機材を持ち込み、掘削作業は22日から開始、土壌サンプルを採取していた。5人は高速道路のフェンスを越えて入ったため、掘削場所が空軍所有地だとは知らなかったと主張しているという。
 地元メディアによると、5人は26〜48歳。高速鉄道を担う企業連合の高速鉄道・インドネシア・中国(KCIC)社の主体企業、ウィジャヤ・カルヤのパートナー企業であるゲオ・セントラル・マイニングの作業員。暫定滞在許可証(KITAS)保有者は技術者の1人で、パスポートのコピー所持者は1人、中国の身分証所持者は1人、他の2人はいずれの身分証も携帯していなかった。
 KCICのハンゴロ・ブディ・ウィラヤワン社長は地元メディアの取材に「作業員はKCICとは契約していない。基本デザインのコンサルタントから依頼を受け、地質調査を始めていた可能性がある」と指摘した。
 イグナシウス・ジョナン運輸相は「掘削作業をするならば土地所有者から許可を得なくてはいけない。土地の使用許可がなければ、建設許可を出すことはあり得ない」と強調。
 運輸省がすでに建設許可を出したのはジャカルタ〜バンドン間の5キロのみで、ハリム空港周辺の土地は空軍から許可を得ておらず、建設許可は出していないとした。
 ハリム空港駅の建設場所をめぐり、アグス・スプリアトナ空軍参謀長はこれまで空軍基地でもある空港の土地使用を拒否することを明言した書簡をガトット・ヌルマヤント国軍司令官に送付。掘削作業が発覚した空港周辺のチピナン・ムラユにある約20ヘクタールの空軍所有地を代替地として挙げていた。(木村綾)

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