縁起の雨、喜びの獅子舞 各地でイムレック参拝 再建の金徳院も活気

 インドネシア国内の華人たちが一年でもっとも盛大に祝うイムレック(春節・中国正月)がことしもやってきた。大みそかに当たる7日夕から、ジャカルタ特別州各地の中国寺院でにぎわいを見せた。2015年3月の火災で本堂が全焼した西ジャカルタ・グロドックの金徳院にも、観光客が戻り、新たな年を迎えた市民らに笑顔がこぼれた。

 南ジャカルタのサトリオ通り沿いにある「アムルファ・ブミ」では7日午後4時すぎから雨が降り、敷地内の駐車場が水浸しに。しかし、参拝客のポ・イェンさん(56)は「春節の雨は縁起が良い」と景色を見ながら頬を緩めた。10日に、妻子が住む中部ジャワ州プカロンガンへ向かうという。「子どもたちのためにアンパオ(お年玉袋)にお金を包んで渡すつもり。喜ぶ顔を早く見たい」と語った。
 ファトマ・ウィディヤントさん(18)は、仲間たち8人とともに寺院前でバロンサイ(獅子舞)を披露した。ドラや太鼓などのリズムに合わせ、ファトマさんら二人一組で操るバロンサイが華麗に舞った。「ことしも参拝客のみなさんに喜んでもらえてうれしい。あすはまた別の場所で披露する。その後はゆっくり家族団らんの時間を過ごしたい」とファトマさん。実家の東ジャカルタで、西ジャワ州ブカシから帰省する兄との再会が楽しみという。
 金徳院では8日、参拝客や海外からの観光客でごった返した。全焼した本堂内に観音像や香炉が戻り、ろうそくも並んだ。寺院前では参拝客がスズメをかごから放つ姿も。イムレックの日に、空へ鳥を飛ばすことでその年の年収が増えると言われている。
 同地区に住むミステルさん(60)は「昨年の火災でことしはどうなるか心配だった。ムスリムだけど、にぎやかな光景を見るのが好きで毎年楽しみにしている」と笑みを浮かべた。(山本康行、写真も)

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