友人の来店前に混入 監視カメラ決め手か コーヒー毒殺事件で ジェシカ容疑者逮捕

 ジャカルタ在住の女性ワヤン・ミルナ・サリヒンさん(27)が1月6日、中央ジャカルタの高級ショッピングモール「グランド・インドネシア」1階にあるカフェ「オリビエ」で、アイスコーヒーを飲んだ直後に死亡した事件で、警視庁は30日、コーヒーに毒を入れてミルナさんを殺害したとして、友人のジェシカ・クマラ・ウォンソ容疑者(27)を殺人容疑で逮捕した。          
 警視庁の調べによると、ミルナさんの飲んだコーヒーと体内からはシアン化合物が検出された。ジェシカ容疑者はミルナさんともう1人の友人ハニさんと待ち合わせていた時間の約1時間前に、1人でカフェに到着。3人分の飲み物を注文し、飲み物がテーブルに運ばれてから約45分の間にシアン化合物を混入させたとみられる。 
 監視カメラ(CCTV)にはミルナさんが飲んだコーヒーが、テーブルの上で2回ほどジェシカ容疑者の近くで移された様子が映っていた。さらに同容疑者がかばんをつかんで触っているようなしぐさも確認されている。警視庁のクリシュナ・ムルティ刑事局長によると、31日には午前9時から約13時間、同容疑者を事情聴取した。
 ジェシカ容疑者は2008年からオーストラリアで生活しており、3人は同地の同じ大学に通っていた友人。同容疑者は卒業後も昨年12月にインドネシアに帰国するまでグラフィック・デザイナーとしてオーストラリアで働いており、事件当日、3人は久しぶりにジャカルタで再会した。
 ジェシカ容疑者はジャカルタを詳しく知らなかったためミルナさんと事前にメッセージアプリ「ホワッツ・アップ」を通じて相談。「オリビエ」はカフェを何件か絞り込んだ後、レギュラーコーヒーを飲みたいミルナさんが最終的に選んだという。
 ジェシカ容疑者の親戚で弁護人を務めるユディ・ウィボウォ・スキント氏によると、大学でミルナさんとは専攻が違っただけでなく、ミルナさんは卒業後にインドネシアへ帰国したため、近い友人ではなかったという。
 地元メディアは連日、ジェシカ容疑者の自宅に押し掛けるなど事件を大々的に報道。同容疑者は犯人に仕立て上げられたとして国家人権委員会に保護を要請した。逮捕された場所は、家族と避難していた北ジャカルタ・マンガドゥアのホテルの部屋だった。(毛利春香)

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