シリアから複数回送金 サリナ前爆破テロ ネットでテロ要員募集

 中央ジャカルタ・タムリン通りのサリナデパート前で14日に発生した爆破テロで、警察当局は17日までに、シリア滞在中のテロ首謀者とされるバフルン・ナイム容疑者らはシリアから国際送金サービスで複数回にわたって資金を送り、ソーシャルメディアでテロ要員を募集していたと明らかにした。 

 バドロディン・ハイティ国家警察長官は16日、サリナ前爆破テロを実行したのは、既存の過激派組織の構成員らが立ち上げた「ジャマー・アンソル・キラファ・ヌサンタラ(JAKN)」と関係があると指摘した。捜査当局の追跡を逃れるため既存組織から脱退し、4〜5人のグループからなる新たな組織を結成する傾向があると分析。実行犯もすでにJAKNから脱退していた可能性もあるとした。
 バフルン容疑者は国際送金サービスのウエスタンユニオンを利用し、インドネシアの構成員に数回にわたり、4千万〜7千万ルピアを送金していたとみられる。シリアで戦闘員として活動した疑いのあるインドネシア人308人に対し、政府は再入国禁止措置を取る方針を示した。
 サリナ前爆破テロに関与した疑いがあるとして、警察は16日までに西ジャワ州、中部ジャワ州、東カリマンタンの各地で計12人を反テロ法違反の疑いで逮捕、拳銃などを押収した。このうち1人はシリアからの送金を受け取っていたとみられ、サリナ前で使われた拳銃はフィリピンで製造された疑いがあるとした。
 警視庁によると、現場で発見された遺体7人のうち4人が実行犯で、スターバックス店内に侵入した自爆テロ犯はアフマッド・ムハザン容疑者(25)。スターバックス前の駐車場で手製爆弾を取り出して爆発させた2人はアフィフ(別名スナキン)容疑者、ムハンマド・アリ容疑者(39)、警察官詰め所前で警察官に撃たれたのはディアン・ジョニ・クミアディ容疑者(25)だった。
 手製爆弾は西ジャカルタ・クンバンガンにあるアリ容疑者の自宅で製造されたとみられ、警察は西ジャワ州デポックや同州チルボン警察で起きた過去の爆破テロで使われた爆弾と似ているとしている。
死者8人に
 当初実行犯としていた1人については、家族などの証言から被害者だったと訂正。重傷を負って入院していたバンコク銀行従業員の男性が死亡し、死者は計8人となった。カナダ人男性の身元なども判明した。
 シリア滞在中で今回のテロの首謀者とされるバフルン容疑者は、中部ジャワ州ソロのパサールクリウォン出身。ソロのスブラス・マレット大学(UNS)でコンピューターを学び、ネットカフェで働いたことがあった。昨年、再婚相手のスラカルタ・ムハマディヤ大学の女子学生らとシリアへ渡航したとみられる。
 情報通信省は11月以降、過激派組織が関係しているとみられるウェブサイトやブログ、フェイスブック、ツイッターのアカウントなど計11を閉鎖。バフルン容疑者が頻繁に書き込んでいたブログや、テロ要員を募集するのに利用していたソーシャルメディアのアカウントなども閉鎖された。(配島克彦)

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