国会議長を解任 査問委 裏交渉で倫理違反 処分発表前に辞表

 国会査問委員会は16日、米系鉱山フリーポート・インドネシアの契約更新をめぐる裏交渉に関与し、国会議長としての倫理に反したとして、スティヤ・ノファント氏(ゴルカル党)の議長職を解任する処分を下した。スティヤ氏は最終決定が発表される直前に辞表を提出した。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が怒りをあらわにした疑惑に厳重処分を下すことで、失墜した国会の信用を瀬戸際で食い止めた。
 国会の各会派代表で構成する査問委はこの日、予定より2時間遅れて午後3時半に審理を開始。直前に連立与党の闘争民主党(PDIP)やナスデム党、民族覚醒党(PKB)の委員が入れ替わるなど、処分決定に向け各党内部で足並みが乱れた。
 最終的に査問委員計17人のうち15人が出席。各委員がそれぞれ倫理違反の認定に関する見解を発表し、与党所属の9人が議長解任を要求、多数派を占めた。処分発表の最終段階となった午後9時ごろ、スティヤ氏は「国会の尊厳を守るため」と同委に辞表を提出した。
 一方、ゴルカル党やグリンドラ党、開発統一党(PPP)の野党連合は持久戦に持ち込むことを画策。倫理違反を認めた上で、最高の罰則となる議員職解任の処分を検討する公聴会を特設してから査問委が最終判断を下すよう主張した。審理を長引かせることで連立与党の切り崩しを図る思惑だったが、PDIPからは委員1人の支持しか得られず、この選択肢の賛同者は計6人にとどまった。
 査問委は一連の審理で、疑惑を通報したスディルマン・エネルギー鉱物資源相や、密会に出席したフリーポートのマルフ・シャムスディン社長、スティヤ氏、密会で言及されたルフット政治・法務・治安調整相を喚問。密会に出席した石油マフィアとされる実業家レザ・ハリッド氏は喚問に応じなかったが、査問委はすでに倫理違反を裏付ける証言はそろったと判断した。(配島克彦)

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