21年までに修士設置へ UGM日本語学科、希望応え

 古都ジョクジャカルタ特別州にある名門ガジャマダ大学(UGM)文化学部の日本語学科。同学科は2021年までに修士課程を設置し、大学院での日本研究の活性化を狙う。ステディ・ワルドヨ学科長(44)は「研究環境の充実化に注力する」と強調した。
 1989年に開設されたUGM日本語学科は26年の歴史を持ち、多くの優秀な人材を輩出している。日本語学科は学士課程(4年)のみで、修士課程(2年)は設置されていない。
 同学科で学士を修了した学生からは修士への進学を希望する声が多い。大半の学生は文化学部内の言語学科やインドネシア大(UI)日本語学科の修士課程に進むという。
 ステディ学科長によると、希望者が多いにもかかわらず修士課程開設に手間取っているのは▽資格として必要な博士号を取得した教員数が不足▽学科内での修士カリキュラム整備に時間を要している――ことが要因に挙げられる。
 同学科4年生の女子学生(21)は「日本研究を自分なりに深めるのはUGMでは難しいかもしれない。日本へ留学するか、UIへ行くか迷っている」と話した。
 ステディ学科長は「学科としては、学生に日本語習得と同時に日本研究の深化を望んでいる。(修士設置に向け課題を解決し)優秀な日本研究者を育成したい」と力を込めた。
■多様な人材を
 同学科の学生数は現在、176人。教員数は11人で、日本人の常勤講師は2人だ。
 同学科の学生は、日本歴史、日本文化、日本文学、日本語の4コースを選択する。毎年15人程度の学生が提携先の日本の大学(北海道大、九州大など)へ留学している。卒業までに日本語検定2級(N2)の取得を促している。
 卒業後は学生の大半が修士に進学するか日系企業に就職する。日系企業とのインターンシップ協定にも積極的で、ジャカルタや中部ジャワ州スマランにある日系企業へ学生を派遣している。
 ステディ学科長は「学生と企業間のミスマッチングを防ぐ必要がある。日本人講師をUGMで雇い、学生の日本語能力の向上を目指している」と話している。(小塩航大、写真も)

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