進む首都の洪水対策 900世帯移転で流域整備

 ジャカルタ特別州政府は、州内各地の川で洪水対策で川幅拡張などの整備や地下水路、堤防の建設などを進めている。今月、違法住居撤去で更地となった東ジャカルタ区カンプンプロを流れるチリウン川も対象。洪水対策が急務となっている首都ジャカルタ。州政府は各地域の建設・整備を来年内に完工する計画だ。
 チリウン川は西ジャワ州ボゴールのプンチャックから同州デポック、ジャカルタを通って北上し、ジャワ海に注ぐ全長120キロの河川。流域では大雨のたびに洪水が発生している。
 洪水対策の2本柱はチリウン川の川幅拡大とチリウン川と東約1・5キロにある東放水路の間の地下水路建設。これで洪水被害を軽減する計画だ。
 ジャカルタ特別州政府は2016年までに、南ジャカルタ区マンガライから東ジャカルタ区カンプンプロを通り、南ジャカルタ区タンジュンバラットのシマトゥパン高速道周辺に至る約37キロの流域で川幅を拡張する。20メートルだった川幅を50メートルにまで広げ、両側に6〜8メートル幅の道路を建設する。 
 東ジャカルタ区で、チリウン川と東放水路をつなぐ地下水路の建設工事を進めているのは国営建設会社ウィジャヤ・カルヤ。地下10メートルに直径3・5メートルのパイプ2本を通すこの地下水路は東側に伸び、ビダラチナやジャティヌガラのオティスタ通りを通過し、チピナン川と合流したあと、東放水路と連結する。工費は4920億ルピア。
 川幅拡張のため、カンプンプロでは527世帯が強制的に取り壊された家屋から公営住宅に移転。南ジャカルタ区ブキットドゥリでも同様に年内の強制撤去を予定している。
 また、地下水路建設に伴い、パイプを通す予定地のビダラチナでは299世帯が、クボンナナスでは69世帯の計368世帯が撤去される。(山本康行、写真も)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly