スラウェシ鉄道始動 マカッサル〜パレパレ 用地整備に着手

 スラウェシ島縦断鉄道の建設作業が始まった。北スラウェシ州マナド〜南スラウェシ州ワタンポネを結ぶ全長1772キロで、南スラウェシ州マカッサル〜同パレパレ(146キロ)を結ぶ第1期工事に着手。2017年内の完工、18年の運行開始を目指す。総事業費は約31兆2500億ルピア(約2730億円)になる見込みだ。

 運輸省のヘルマント・ドゥイアトモコ鉄道総局長は21日、今月に入り、第1期路線のマカッサル〜パレパレ区間を手掛ける13の施工業者とコンサルタントとの契約を締結、先週からマカッサル〜バル間(30キロ)の用地整備作業を開始し、石の敷設などを進めていると明らかにした。10月には日本と中国から輸入した線路の敷設作業に入る予定だ。
 同区間の土地収用費用1080億ルピアは南スラウェシ州政府が負担。中央政府が残り116キロの土地収用事業を担当し、収用費用も負担する。南スラウェシ州のシャフルル・ヤシン・リンポ知事は同日、作業現場を視察し、「縦断鉄道でスラウェシ島全体の経済発展に弾みが付く」と期待を述べた。第1期路線の土地収用では今月中に地権者へ全額支払うとした。
 第1期路線は23駅を建設し、最高速度は時速200キロ。単線で運行を始め、最終的に複線化を目指す。1日に約4700人と1万2千トンの貨物を運ぶことができる。総事業費は9兆7100億ルピア。来年をめどに残り116キロの工事を始める予定。
 縦断鉄道は南スラウェシ州ワタンポネ〜北スラウェシ州マナドまでの全長1772キロ。マナド(北スラウェシ州)、ゴロンタロ(ゴロンタロ州)、パル(中部スラウェシ州)、マムジュ(西スラウェシ州)、パレパレ(南スラウェシ州)、マカッサル、ワタンポネ(南スラウェシ州)などを結ぶ。
 マカッサル港は東部インドネシアのハブ港で、パレパレ港はスラウェシ島とカリマンタン島の物流拠点。第1期路線の開通で物流の活性化が期待されている。
 政府はジャワ島以外の地方開発を推し進めており、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は14日の国会演説でも「スラウェシ島縦断鉄道やスマトラ島の高速道路の建設に力を入れる」との方針を示した。(藤本迅)

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