希少動物をネット売買 フェイスブック利用 アチェ州 オランウータンの赤ちゃん保護

 オランウータンなど希少動物をインターネットを通じて販売していたとして、アチェ州警は1日、自然資源保全センター(BKSDA)と協力し、同州ランサ市在住の大学生(24)を逮捕した。インドネシア国内ではフェイスブックなどを利用した希少動物の取引が新たな手口として広がりつつあり、警察は監視を強化している。
 アチェ州警は学生の男の自宅で、スマトラ・オランウータン3匹、シロガシラトビ2羽、セイラン(キジ科)1羽、ヤマウズラ(キジ科)1羽、ウンピョウ1匹を押収した。男はランサ市の学生で、フェイスブックで「ハビタット・アチェ(アチェの住まい)」と名乗るアカウントで2〜3カ月前から希少動物を販売していた。 
 アチェ州内の森などで地元住民が捕獲した希少動物を、1匹あたり20万〜75万ルピアで購入。北スマトラ州メダンなどアチェ外の地域へ200万〜750万ルピアで転売していた。スマトラ・オランウータンの赤ちゃん2匹が1匹750万ルピアで販売され、すでにメダンに配送済みだったという。アチェ州でのスマトラ・オランウータンの数は6千〜7千まで減少している。  
■動物の写真を掲載
 BKSDAや非政府組織(NGO)のオランウータン保護センター(COP)によると、2012〜15年にかけ、オンライン上での希少動物の取引が増加。中でもフェイスブックを利用した販売が多いという。 
 フェイスブックではアカウントを所持していれば自由に非公開グループを作り、参加者を制限して選ぶことができるため、違法販売者らは動物の写真や価格を掲載し、外に情報を漏らすことなく売買のやり取りを進めている。商談が成立すると銀行口座に料金が支払われる。
 2月には西ジャワ州ガルット県で希少動物を売買していた組織が摘発された。フェイスブックの非公開グループを利用し、小型有袋類ポッサムやメガネザル、鳥類など数十種類の希少動物を販売していた。50万ルピアで販売されていたオランウータンの赤ちゃんは、カリマンタン島に生息する野生の親子を狙って母親を殺すという手口で捕獲していた。
 警察とCOPが協力し、フェイスブックの同非公開グループにおとりとして参加。希少動物の販売の実態が明らかになったため、摘発に至ったという。(毛利春香)

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