各島で天体ショー、皆既日食まで8カ月 観測ツアー人気 既に売り切れも イ国内は28年ぶり
インドネシアの複数の島で2016年3月9日に観測できる皆既日食を観測しようと、世界各国の旅行会社がツアーを企画している。国内では1988年にスマトラ島やカリマンタン島で観測されて以来、28年ぶりの天体ショー。当日まで残り8カ月を切り、日本の旅行会社が主催するツアーでは売り切れも出ている。観測が可能な島では今後、宿先の確保が難しくなりそうだ。
皆既日食が観測できる地域は、西から南スマトラ州パレンバン、バンカ・ブリトゥン州の両島、中部カリマンタン州パランカラヤ、南カリマンタン州バンジャルマシン、中部スラウェシ州パル、北マルク州テルナテなど。
地上での皆既日食は今年3月、北大西洋のフェロー諸島(デンマーク自治領)で観測されているが、まとまった陸域で観察できるのは、日本の奄美大島や中国、インドなどで見られた09年以来、約7年ぶりになる。
ジャカルタなどのジャワ島では部分日食となる。
セブン・旅・ネットでは、3月7〜11日の期間で日本から北マルク州テルナテ行きのツアーを3コース用意。地元のサッカー場を観測場所に確保しており、環境を整えたツアーを提供する。ツアー代は25万8千円からだが、売り切れたコースもあるという。
世界各国からツアー客が押し寄せると期待している中部スラウェシ州パル市は、観測とともに地元観光地にスポットを当てたツアーを民間会社と企画。皆既日食で町おこしを狙っている。市内の大型ホテルでは3月9日前後は予約で埋まっているという。
同日は国内の東方へ行くほど、長時間にわたって「真昼の暗黒」となる皆既日食が観察できる。(藤本迅)