スシ氏肯定、ヤソナ氏に批判 15メディア分析で判明
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)政権発足後約6カ月間でスシ・プジアストゥティ海洋水産相が国内メディアに全34閣僚のなかで最も肯定的に取り上げられる一方、ヤソナ・ラオリ法務人権相が最も批判されていたことが明らかになった。調査機関の政治コミュニケーション研究所が11日、発表した。
同研究所は国内の15メディアが昨年10月〜今年4月の約6カ月間に報じた政治記事3万2047本に着目。社会学などで用いられる分析の手法を活用し、閣僚の注目度や、記事の内容が肯定的か批判的かを分析した。
この結果、スシ海洋水産相についての記事が全体の12・3%を占め、最も多かったことが分かった。ヤソナ法務人権相(9・3%)やアニス・バスウェダン文化・初等中等教育相(9・1%)が続いた。
また、閣僚のうち最も肯定的に報じられていたのもスシ海洋水産相だったことが分かった。同相の記事のうち肯定的なものが88・6%を占めた。中卒から水産加工業で身を立てた経歴や人物像が注目されたほか、摘発した外国の違法漁船を爆破して沈める強硬な処分が、メディアに評価された。
肯定的な記事は、2013年改訂版の教育課程を停止し、中学校などの卒業要件を見直したアニス教育相(58・2%)や、出稼ぎ労働の制度整備に取り組むハニフ・ナフラウィ労働相(60・3%)も多かった。
一方、最も批判を浴びたのはヤソナ法務人権相だった。同相の記事のうち批判的なものが72%を占めた。汚職犯の仮釈放を相次いで認めたことに批判が集まったほか、ゴルカル党や開発統一党(PPP)の党内対立が長引いていることも影響したと見られる。
また、テジョ・エディ政治・法務・治安調整相は国家警察と汚職撲滅委員会(KPK)の対立への対応が問題視され、同相に言及した記事の75・9%が批判的に取り上げた。
アムラン・スライマン農業相やサレ・フシン工業相ら6閣僚は、肯定的・否定的を問わず言及される機会が極めて少なかった。いずれも閣僚を取り上げた記事全体の0・1%にとどまった。ラフマット・ゴーベル商業相の記事も少なく、全体の0・2%だった。(田村隼哉)