大統領が投資呼びかけ 世界経済フォーラム 経済重視を強調

 中央ジャカルタのホテル・シャングリラで開かれている世界経済フォーラム東アジア会議は20日、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領のほか、各国閣僚級や企業トップが出席した。ジョコウィ大統領は演説で、数百人の出席者に経済政策重視を強調し、投資を呼びかけた。

 ジョコウィ大統領は地方への視察で国民と対話した際「いつもこの国を変えて下さい」と頼まれるというエピソードを紹介。「変えるには経済を改善しなければならない」と経済政策に重点を置いていることを強調した。
 大統領就任後に燃料補助金の大幅削減でインフラや人材育成予算を増額したことを指摘。「改革は痛みをともなうが、改革しなければ良くはならない」と経済成長のために国民に不人気な政策も推し進める姿勢を示した。
 演説では何度も「問題があったら私に電話を下さい」と冗談交じりに話し、投資環境に関する企業の要望には耳を傾けることを強調した。
 一連の会議では今年末に発足を宣言する東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体=AEC=の課題や行方にも注目が集まった。
 マレーシアの格安航空会社(LCC)エアアジアのトニー・フェルナンデス社長はEUとASEANを比べた時に、中央組織であるASEAN事務局の権限が弱いことを「物事の決定や進行に時間がかかる要因になっている」と問題視。マレーシアのムスタパ貿易産業相も同意し、「事務局の能力強化は優先順位が高い課題だ」と述べた。
 実現すれば巨大な生産基地と市場ができるとして経済的メリットは大きいが、「開発が優先されて人権が置き去りにされている」と経済以外の分野の改善も重要との指摘があった。
 東南アジアの不安要素として米国の利上げによる資金流出の懸念があがった。リッポーグループのジョン・リアディ取締役は「インドネシアは改革を進めており、変化に柔軟になった」との理由で心配してないと述べるなど、アジア通貨危機後の各国の経済改革を評価する声が上がる一方で、汚職などの課題も多いとの認識も共有した。
 ソフヤン経済調整相は「全ての改革を進めるのは難しい。成功もあれば失敗もある」と可能な分野から改革する政府の姿勢を説明した。(堀之内健史、写真も)

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