プロに和太鼓学ぶ 小林正道さんら来イ 大江戸助六太鼓

 大江戸助六流ジャカルタ太鼓クラブは3〜5日の3日間、プロの組太鼓チーム大江戸助六太鼓・助六流宗家の小林正道さん(71)と糸原昌史さん(37)を日本から招き、ワークショップを開いた。
 小林さんは12歳から盆踊りの際にたたく盆太鼓を打ち始め、1959年に東京で大江戸助六太鼓を創立したメンバーの一人。「祭りの時期だけでなく、1年中太鼓をたたくにはどうすればいいかいつも考えていた。世界に通じる日本の文化・音楽として演奏したいという思いもあった」。太鼓は村や地域の祭り、盆踊りでたたかれることがほとんどだったが、邦楽にあわせて打ったり、曲や打法を編みだしたりしながら、和太鼓を舞台芸術にまで発展させた。
 現在の門下生は100人以上。メリハリのある力強い音はもちろん、飛んだり跳ねたりしながら全身で打ち、舞う姿は迫力満点だ。 大江戸助六太鼓は欧米やインドネシアを含むアジアなど世界中で演奏会を開いてきたが、インドネシアで本格的な指導をするのは今回が初めて。「太鼓は考えて打つのではなく、体に覚えさせることで自然と動けるようになるもの。無駄な力を使わず、美しい手さばきを見せるには、練習を積み重ねるしかない」と話した。
▽細かい技術指導
 大江戸助六流ジャカルタ太鼓クラブは1990年代に、大江戸助六太鼓の門下生である多賀子カルタサスミタさんが指導を開始して以来、社会人のインドネシア人を中心に約40人が毎週土・日に練習している。小林さんらは、ばちの握り方から体の動きまで、コツや細かい技術を丁寧に指導。参加者らは真剣な眼差しで太鼓と向き合った。
 太鼓の演奏法だけでなく、はんてんの正しい着方やはちまきの巻き方も指導。帯の結び方など細かく丁寧に教えた。糸原さんは「舞台の上では演奏だけでなく、見た目も常にかっこよくないといけない」と話した。
 多賀子さんは「かっこいいからと太鼓を始める人は多いが、実際に演奏するのは思っている以上に難しくとにかく根気がないと続かない。若い人にはプロが太鼓をたたく姿を見ることで、学ぶことができとても良い機会になったと思う」と話した。 
 同クラブで13年間、太鼓を練習してきたハディさん(33)は、日本の文化祭で太鼓の演奏を見て、気持ちよさそうにたたく姿に憧れたという。「練習は疲れたがとても楽しかったし、小林さんたちの演奏は本当にかっこいい。新たに技術的な部分も知ることができてよかった」と目を輝かせた。(毛利春香、写真も)

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