適正水準まで値上げへ 変動制リスク表面化も 燃料でエネ鉱省 

 エネルギー鉱物資源省は、28日に値上げしたガソリン「プレミウム」と軽油について「適正価格まで段階的にさらに値上げする」見込みだ。同省関係者の話として地元紙が伝えた。原油価格の上昇とルピアの下落がさらに進めば、燃料価格も自動的に上昇する価格変動制のリスクが表面化しそうだ。
 政府はプレミウム、軽油の販売価格を1リットルあたり500ルピア値上げし、それぞれ7400ルピア(ジャワ・バリ・マドゥラ島地域)、同6900ルピア(全地域)とした。 
 関係者によると、この値上げは、経済への影響を考慮して値上げ幅を抑制したため、新価格は適正ではないという。値上げ前に国営石油ガス会社プルタミナが求めていた適正価格はそれぞれ8200ルピアと7450ルピアで、値上げ後の価格と依然として差がある。調達コストが下がらない限り、段階的に値上げし差を埋めていく方針だ。
 値上げ幅を抑えたとはいえ、プレミウムは昨年11月の値上げ前以来の高値。商工会議所(カディン)のナトシル・マンシュール副会頭は「社会はまだ燃料価格の上下に対応する準備ができていない」と急激に燃料価格を上げないよう政府に求めている。
 こうした求めに応じて政府は短期的に価格が上下するのを防ぐために、現行の2週間ごとではなく、3カ月や半年ごとの価格改定への変更を検討中だ。
 ジョコウィ政権は今年1月から燃料価格を為替や国際価格に合わせた変動制に変更。原油の国際価格が低迷したことで、財政負担となっていた燃料補助金予算を4分の1以下に減らしたうえに燃料価格を下げることができた。
 原油価格は年初に1バレルあたり40ドル台前半で取引されていたのを底に、上昇傾向にある。ルピアも下落傾向を示しており、こうした状況が続けば国内の燃料価格も上昇を避けられそうにない。
 値上げを受けて陸上運輸組合(オルガンダ)ジャカルタ支部はアンコット(小型乗り合いバス)の運賃の値上げをジャカルタ特別州政府に提案する方針を決めた。地方のオルガンダ支部でも公共バスの値上げを求める声が上がっている。一方でジャカルタ特別州のアホック知事は専用レーンを走る公共バス「トランスジャカルタ」については運賃を据え置くと述べた。(堀之内健史)

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