ジョコウィ政権、不安定化 構造改革が急務 松井氏が講演会

 ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォームでコーディネーターを務める松井和久氏は4日、中央ジャカルタのセントラル・スナヤン2で「試練に直面するジョコウィ政権」という題目で講演会を開催した。

 松井氏はまず現在のインドネシア経済を概観。地方では後継者不足による農産業での機械化、中小企業での産業機械導入などが進んでいることを挙げ、労働力の質的な変化が徐々に起こっていると説明した。
 さらに、2014年の証券投資額が直接投資額を大幅に上回ったことに触れ、「ジョコウィ政権が海外投資家からの信頼を失えば、証券投資が冷え込み、インドネシア経済は急激に傾く可能性がある」とした。
 ジョコウィ政権の経済政策は、国民に目に見える形で成果を出すために、マクロではなくミクロな経済政策を重視しており、中長期的な戦略を見いだすことが難しいと指摘。
 だが、インドネシアは、低賃金労働力、消費市場として有望な市場であることは変わらず、ASEAN共同体(AEC)設立までに、国内産業の高付加価値化、高コスト化を改善できるか、構造改革は差し迫った問題だとした。その上で、「海外投資が自然に増加するような経済のピークは過ぎている。今後はより政権の政策が重要になってくる」と話した。
 さらに、ジョコウィ大統領の所属政党である闘争民主党(PDIP)が次期国家警察長官人事をめぐる国家警察と汚職撲滅委員会(KPK)の争いについてKPKを批判していることを例に挙げて、大統領の政治基盤が不安定化していると指摘。「汚職撲滅、既得権益層への改革などの問題解決は難しく、ジョコウィ政権が5年もつか分からない」と話し、今後は政権維持のために、外敵を想定するなど、ナショナリズムを意識した政権運営になる可能性が高いと結論づけた。(藤本迅、写真も)

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly