【JICA専門家渋滞調査】(上) ラッシュ時より日中が渋滞 「3イン1」が効果

 国際協力機構(JICA)専門家として経済調整省に派遣されている秋村成一郎・都市交通アドバイザーがタムリン、スディルマン両通りの通行時間調査を昨年8月に始めておよそ半年。調査結果から、渋滞対策の「3イン1(スリーインワン)の効果が見えてきた。

 調査はスナヤン・ロータリー〜ホテルインドネシア(HI)前=第1区間=とHI前〜モナス広場前ロータリー=第2区間=をそれぞれ北上・南下に分け、自動車での通行にかかった時間(旅行速度)を計測。ジョコウィ大統領の就任式があった2014年10月20日の直前から、警察当局は3イン1の取り締まりを強化したため、その前後でも分けて測った。
 その結果、朝夕の通勤ラッシュ時よりも日中の方が混雑度合いが高いことが分かった。渋滞緩和策「3イン1」が効果を上げているとみられる。
 3イン1は規制区域を走行する自家用車に対し、朝(午前7時〜10時)と夕(午後4時半〜7時)に3人以上の乗車を義務付ける規制。
 秋村さんによると、一般的な都市では朝と夕方の通勤ラッシュ時の方が日中よりも混雑・渋滞しているが、3イン1の規制対象になっている調査区域では逆になっている=表。
 それぞれの速度の平均(二重平均平方根)を比べたところ、朝と夕より日中の方が遅い傾向が出た。特に朝は時速20キロ代後半が主であるのに対し、日中は同10キロ代後半〜20キロ前半が主で、より混雑していることが分かる。
 この傾向は3イン1の取り締まりを強化すると、さらに顕著になる。強化前後を比較すると、日中は第1区間北上が平均11・3キロ下がるなど全区間で混雑度合いが増した。
 秋村さんは「取り締まり強化に道路利用者が敏感に反応し、朝夕の規制対象時間を避けて、日中に時間をずらしたり、道を迂回するなど対策を取った」と指摘。「3イン1政策は、実際に取り締まりを継続することで、有効に機能する」と評価した。
 3イン1対象区域でも夕方南下は日中並みに遅くなった。これについては「ブカシ・チカラン方面からの流入量が多いため」と分析した。
×   ×
 次回は首都中心部での二輪乗り入れ禁止とHI前ロータリー北側の車線数変更についての調査結果を報告します。(堀之内健史)

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