ルピア今年最安値 燃料値上げで売り圧力 インフレ、今月ピークに 中銀発表レート

 中銀発表の対ドルの銀行間取引参照レートJISDORは2日、今年最安値となる1万2276ルピアを付けた。先月あった補助金付き燃料値上げでインフレ率が大きく上がったほか、世界的な需要不足で輸出が予想を下回りルピアが売られたことが原因。インフレ圧力は今月にピークを迎えるとみられる。   

 1日に11月のインフレ率と10月の貿易統計の発表があり、ルピア安に拍車をかけた。インフレ率は前月比1.5%で、10月の前月比0.49%から大幅に上昇。貿易収支は2320万ドルの黒字だったが、輸出・輸入ともに前年同月比で2.2%減少した。
 政府が11月に補助金付き燃料の値上げを実施した後、食糧品価格や物流費、公共交通機関の運賃など広範にわたって値段が上がった。11月からATMの手数料が上がったことも物価を押し上げた。
 昨年6月22日の燃料値上げの際は、同月のインフレ率が前月比1.03%、7月が3.29%で値上げ翌月がピークになった。12月には燃料値上げの影響が本格化するほか、クリスマスや年末年始の需要増で物価上昇が見込まれており、短期的にはインフレとルピア安基調が続きそうだ。中期的には米国が利上げに向かっていることが、他のアジア諸国と同じく通貨下落要因になっている。
 輸出減少について中銀広報は「世界経済の需要が停滞していることを示している。(主要な輸出先の)中国も経済成長が鈍化しており先行きは不透明」と話している。
 インドネシア大エコノミストのテリサ・アウリア・ファリアンティ氏は地元メディアに「輸出鈍化に加え、インフレ率上昇がルピア安を招き、12月末までに1ドル1万2500ルピアになる可能性もある」と指摘した。
 ただ燃料値上げによる高いインフレ率は一時的なもので、長期的には財政や経常収支の赤字削減につながり、ルピアの信用が高まるとみられている。政府は短期的な必要物資の物価上昇を抑え、貧困層への補償を進める。(堀之内健史)

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