優良企業と関係強化 地場系の主要行目指す みずほ銀行 林頭取会見
みずほ銀行の林信秀頭取は20日、インドネシア進出25周年を記念して中央ジャカルタで記者会見を開いた。主な一問一答は以下の通り。
―インドネシア市場の現状と今後の戦略は
進出当初は日系企業を中心とした取引だったが、ここ10年は地場企業との取り組みも積極的に展開している。今後も日系企業だけでなく、地場企業との取引も強化していく。地場企業にとって最も有益なことは日本の技術や企業の紹介によりビジネスを拡大することだ。そういった取り組みを強化しながら、地場企業にとっての『コアバンク化』を目指す。
―インドネシアで地場銀行との提携は
我々はただお金を出資するだけの投資家ではない。ベトナムで3年前に出資したベトコンバンクでは約3万人以上の個人口座を開設し、みずほ銀行からベトコンバンクへお金が流れる仕組みを作った。こういった継続してお互いの銀行に利益が生まれるビジネスモデルを作れるのであれば、インドネシアでも検討していきたい。
―力を入れる顧客層は
欧州・米国・アジアオセアニア・東アジアの4地域から、それぞれ優良企業約50社程度を抽出し、トップリレーションを築くことで貸出取引のみならず、事業戦略や財務戦略に深く入り込んだ提案を行い、取引のパイプを太くしていく。数を追うのではなく、リレーション構築が可能かどうかの目線を大切にしながら運営していく。リテール部門や小口融資をやるためには、しっかりとしたインフラが必要になってくる。中間層など下に降りてくるビジネスモデルは、今のところ考えていない。
―新政権に対して
新政権は燃料補助金を削減して将来のインフラに投資する方針を示すことなどから高い期待を持っている。我々も自らプロジェクトファンドを作るなど、プロジェクト・ファイナンスに力を入れている。政府主導の大型案件に民間としてどのように関わっていくかを念頭に、官民一体で連携していきたい。(佐藤拓也、写真も)