ムスリム向け観光バス 集客難航、まだ運行できず 日本初 はとバス

 東京の名所を巡る観光バスとして広く知られるはとバス(本社東京都大田区)は3日から個人向けバスツアーとして日本初となるムスリム向けツアーを開始したが、現在まで客が集まらず催行できていない。同社では「時間がかかるかもしれないがムスリムの方に安心して東京の街を楽しんでもらいたい」と話している。

 バスツアーは「東京アラジン」と名付けられ毎週月曜(アスル礼拝コース)と金曜(金曜礼拝コース)の2本。午前9時に出発し皇居、浅草、東京タワー、都庁、JR渋谷駅前のスクランブル交差点などを見学し午後6時に終了する。外国人に人気の高いコース設定に加え、ムスリム向けに六本木のハラル認定レストランでのバイキング昼食と渋谷区にある日本最大のモスク、東京ジャーミイで礼拝する時間も組み込まれている。英語の通訳ガイドが同行し日本人も参加できる。料金は大人9500円。子供8500円(6〜11歳)。  
 同社では近年イスラム圏の訪日予定客から「コースの中で礼拝の時間は取ってもらえるか」「食事はハラルか」などの問い合わせが増えており、今年に入り企画実現に向け東京ジャーミイやハラル認定レストランで研修を受けるなどして準備してきた。先月下旬にイスラム圏の在日大使館関係者や留学生らを招いた試乗会では「知り合い同士で乗れるバスツアーというもの自体が初めてで楽しいという感想が多かった」と同社広報室の相田佳愛さんは話す。 
 同ツアーは12月29日まで実施されるが5人以上の予約が催行の条件。しかし現在までに客が集まらず13日分までが中止となっている。「PR不足」(相田さん)としているが、今後仕事で訪日するムスリムとその案内をする日本人関係者など観光客以外にも需要はあると期待している。 
 同社の昨年度の年間ツアー企画本数は約175本でうち外国人向けは約25本。外国人の利用者数は約5万6千人で8割が英語、2割が中国語ツアーに参加する。この1年で東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国からの利用者が増えており、特にインドネシア人からは富士山五合目ツアーの人気が高い。「ムスリムの方の日本への観光熱は高い。今後試行錯誤をしながらも続けていきたい」と相田さんは話している。(阿部敬一)

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