モナス前でデモ隊排除 怒号や煙幕で騒然

 独立記念塔(モナス)公園前のロータリーは21日、プラボウォ大統領候補支持派のデモ隊と警察隊双方の怒号が飛び交い、立ちこめる催涙弾の煙幕、水しぶきで騒然とした。

 パン、パン、パン―。午後2時半ごろ、乾いた音とともに催涙銃やゴム弾の発砲が始まった。同時に放水車の高圧水流がデモ隊を狙う。クモの子を散らしたように逃げるデモ隊。隊列の最前線にいた数人を機動隊が盾を使って隔離した。500メートルほど離れたタムリン通りまで逃れたデモ隊は風で流れてくる催涙剤の刺激臭が漂う中、ほほうの体でペットボトルの水で顔や目を洗っていた。
 この日の朝から、憲法裁前に続くメダンムルデカ・バラット通りの封鎖地点で対峙した警察とデモ隊。当初は両者が談笑する場面もあり、双方の代表者は「お互い穏便に終わらせよう」との言葉を交わすほどの余裕もあった。
 ところが、デモ隊の「主戦派」は街宣車から「プラボウォが大統領だ。落選するはずがない」などと不満をぶちまけ始める。一部が警察との境界線にあたる鉄条網を踏みつけだすと、機動隊は「妨害行為には限度がある。放水を開始するぞ」との通告後、強制排除に着手した。
 当時、差し入れの弁当を食べていたデモ参加者も多く、排除後のロータリーにはシューマイや麺などの食べ物が散乱。混乱で脱げたのか、靴やサンダルも転がっていた。参加者の一人は「まさか放水や催涙弾を撃つなんて思わなかった。(顔に塗ると催涙剤対策に効果があるとされる)歯磨き粉も役に立たなかった」。警察隊の指揮官は地元民放のインタビューに「警察の鎮圧行動に問題はない。一線を越えたのは彼らだ」と排除の正当性を主張した。(道下健弘、小塩航大、写真も)
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プラボウォ氏敗訴 「不正の証拠なし」 憲法裁 (2014年08月22日)

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