2015年予算案を大幅修正 インフラ整備に注力 政権移行チーム
ジョコウィ次期大統領の政権移行チームは、15日にユドヨノ大統領が公表した国家予算案を独自に大幅修正する作業に入った。ジョコウィ氏の経済分野のアドバイザー・スリ・アディニンシ氏によると、21日に憲法裁がプラボウォ氏の意義申し立てに対する審査結果を公表した後に、独自の予算案を公表する予定だ。
■燃料補助を産業振興へ
ジョコウィ氏の経済政策チームは燃料補助金を削減し社会保障やインフラ投資に充てる。アディニンシ氏は経済紙インベスター・デイリーに対し、補助金削減の具体的な数字こそ示していないが、「港湾やダム、発電所に積極的に投資する」と述べた。
アディニンシ氏は特に港湾整備に力を入れると強調し、「ユドヨノ大統領の予算案に港湾のインフラ整備資金は考慮されていない」と話した。
ジョコウィ氏の予算案では、新たな市場創出など産業振興にユドヨノ大統領の予算案比で10倍増やすとし、義務教育を従来の9年から12年に引き上げる政策をとるため、教育予算も増えるとしている。
■予算の半分が修正可能
サムエル・アセット・マネジメントのラナ氏は、法律により地方向け予算や公務員への給与など、予算総額の49・5%は変更できないとし、新政権が修正可能なのは中央省庁への配分やインフラ投資、燃料補助金などと指摘。歳入から歳出を引いた財政赤字がGDP比で3%を超えてはならないという縛りの中、燃料補助金削減の他に、付加価値税収の増加を見込む。
また、燃料補助金削減により、物価の高騰が予想されるなか、ラナ氏はユドヨノ政権が想定している国債金利(3カ月物)6・2%では対応できず、8〜8・25%まで引き上げが必要としている。為替の予測も同予算案の1ドル1万1900ルピアから1万1200〜1500ルピアへ修正が必要と話す。(7面に関連)(佐藤拓也)