6.3ポイント差  公式発表 ジョコウィ氏勝利確定 プラボウォ氏事実上「敗北宣言」 (2014年07月23日)

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 総選挙委員会(KPU)は22日、大統領選挙(9日投票)の公式開票結果を発表し、ジョコ・ウィドド・ジャカルタ特別州知事(通称ジョコウィ=53)が7099万(53.15%)、プラボウォ・スビアント元陸軍戦略予備軍司令官(62)が6257万(46.85%)を得、一騎打ちのため、過半票を得たジョコウィ氏が当選した。差は6.3ポイントだった。プラボウォ氏は憲法裁への異議申し立てをしない姿勢のため、本人が考えを一転させない限り、長い選挙戦が幕を閉じる。

▼「撤退」と発言
 総選挙委員会(KPU)のフスニ委員長は22日夜、公式開票集計結果を発表した。総選挙監視庁、立会人は選挙結果に異議を申し立てなかった。6.3ポイント差の集計結果は、多数の調査機関が投票日に発表した開票速報とほぼ同じ。プラボウォ氏優勢を示した4機関の速報とは異なった。プラボウォ氏は22日までに異議申し立てをしない姿勢のため、選挙結果確定が8月後半まで延びることは回避されそうだ。 
 プラボウォ氏は集計の最後の段で、さじを投げたとみられる状況だ。「KPUによる2014年の大統領選のプロセスは問題があり、民主的ではなく、憲法に反する」。プラボウォ氏は当初の集計発表2時間前の午後2時過ぎに記者会見し、大統領選挙の正当性を認めないと宣言し、一方的に大統領選から「撤退」する考えを示した。プラボウォ氏は根拠として、集計過程の不透明さ、不正、KPU内の組織的不正などを示した。
 プラボウォ氏が実質的な「敗北宣言」をしたとの見方が強い。大統領選法は選挙中の「撤退」を規定しておらず、法にふれた可能性もある。陣営内でもハッタ副大統領候補、マーフッド選対本部長(元憲法裁長官)が敗北を認めた。ハッタ氏はプラボウォ氏の記者会見に姿を見せなかった。残ったのは、党首の任期切れを前にするバクリー・ゴルカル党党首、巡礼汚職事件の容疑者に断定されたスルヤダルマ・開発統一党(PPP)党首ら、他の選択肢を持たない人物ばかりだった。
 ジョコウィ陣営のメガワティ元大統領は「撤退」宣言の後、私邸に連合政党の党首を集め「ジョコウィ連合政党は、ジョコウィ―カラを、2014〜19年の次期大統領として勝利させることに成功した」と勝利の弁。ジョコウィ氏は最大票田の西ジャワ州を約20ポイント差で落としたが、西ジャワに次ぐ大票田の中部ジャワ、東ジャワを制した。南スラウェシ州マカッサル出身のカラ氏が東部(スラウェシ、マルク、ヌサトゥンガラ)の票を呼び込んだ。(吉田拓史、写真も)

インドネシアはひとつ
 「候補番号1番(プラボウォ氏)、候補番号2番(ジョコウィ氏)も忘れてほしい」。ジョコウィ氏は集計結果公表後、夜の北ジャカルタ・スンダクラパで集まった市民を前にこう話した。「インドネシアはひとつ。だから強い」。パンチャシラ(建国5原則)の3条「国家の統一」に触れた。一騎打ちの選挙戦は国を二分。中盤から民族・宗教をめぐる誹謗(ひぼう)中傷が吹き荒れた。民主主義の祭典の大統領選が多様な民族・宗教によるインドネシアの統合を脅かす、逆説的な事態に陥った。
 「大統領選挙の正当性を認めない」。プラボウォ氏の前代未聞の「撤退」宣言で、勝利が完全に固まると、夕暮れ、南ジャカルタ・クバグサンのメガワティ元大統領私邸に急な豪雨。長きにわたった選挙戦が、突然、終わりを迎えたことを象徴したようだった。
 ジョコウィ氏は日中、特別州知事の公務に復帰し、懸案のひとつのプルイット調整池を視察。プラボウォ氏の宣言が出ると「プラボウォ氏は自分の利益を国家のために捧げ、国家をすべてに優先させる国士だと確信している」と皮肉をにじませた。「1億3500万人が安穏に(選挙を)問題なく終えられた。これは価値がある」。
 メガワティ邸では静かに座るだけで談話を出さなかった。議会の多数派工作、新政権のポストと、「ジョコウィ大統領」の道程は始まったばかりだからだろう。(吉田拓史)

勝利を祝うカラ氏(左)、ジョコウィ氏=南ジャカルタ、メガワティ邸
勝利を祝うカラ氏(左)、ジョコウィ氏=南ジャカルタ、メガワティ邸

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