リアウで林野火災急増 対岸国が煙霧懸念 エルニーニョで乾燥か

 スマトラ島で違法野焼きが主な原因とみられる林野火災が多発している。リアウ州内で25日、ホットスポット(高温地点)が366カ所確認され、前日の97カ所から4倍近く増えた。国家防災庁は同日、煙霧被害がマレーシアやシンガポールに広がる可能性があるとの見解を示し、警戒を呼び掛けた。  
  確認には衛星画像を用いた。現場付近は地上の草木だけでなく、燃えやすい泥炭層が広がっており、高温地点では火災が起きているか出火に近い状態にあるとみられる。林野火災は例年、乾燥が強まる6月以降に増加し、8月ごろにピークを迎える傾向があるが、今年は異常気象の原因になるエルニーニョ現象の影響で、例年より強い乾燥が予想されており、さらに悪化する可能性がある。
 スマトラ島全体の高温地点の数は386カ所。リアウ州ロカン・ヒリル県221カ所、同ドゥマイ市59カ所など、同州に島全体の95%が集中している。東〜北東に向かう風が吹いているといい、ストポ・プルウォ・ヌグロホ国家防災庁報道官は「リアウ諸島州や両国に煙が流れる可能性が高まっている」と指摘した。
 対岸国に流れる煙霧は昨年6月、シンガポールで大気の汚染度を測る同国の指標が観測史上最悪を記録。ユドヨノ大統領がマレーシア、シンガポールに謝罪した経緯があり、両国政府も動向に気をもんでいる。
 クアラルンプール周辺では今月24日ごろから、視界低下や大気汚染が進んだ。ナジブ首相は同日、短文投稿サイトのツイッターで「煙霧が再来した。可能な限り屋内にとどまるように」と呼び掛けた。パラニベル天然資源環境相も同日、省環境総局長がインドネシア政府に書簡で懸念を伝え、迅速な対応を求めたと明らかにした。シンガポールで目立った影響は出ていないが、同国政府は今月上旬、被害対策のために衛星データや人員などの提供を申し出ている。
 インドネシア政府は昨年の反省を踏まえ、今年だけで野焼きに関与した農業従事者100人以上を取り調べるなど、取り締まりを強化。国家防災庁が対策費3550億ルピアを計上し、軍人2500人や航空機15機を配置して対策に当たっているが、自然保護団体「国際森林研究センター」のデービッド・ガヴォー氏は「出火の可能性のある土地は広大で、政府に十分な対応ができるかどうかは疑わしい」と指摘している。
 昨年煙霧被害が深刻化した際にリアウ州内で確認された高温地点はピーク時で約260カ所。今回はこれを大きく上回っているが、国営空港運営第2アンカサプラによると、同州プカンバル県のスルタン・シャリフ・カシム空港では視界は悪くなっているものの、航空機の運行には支障は出ない範囲。リアウ諸島州バタムのハン・ナディム空港も平常運行を続けている。(道下健弘)

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