イルファン選手が甲府へ 「海外移籍の先駆者に」 イ人初のJリーガー

 サッカーの元インドネシア代表FWイルファン・バフディム選手(25)がJリーグ1部のヴァンフォーレ甲府に今季から加入することが正式に決まり、27日、記者会見を開いた。インドネシア人初のJリーガーとなる意気込みを「日本でインドネシアを代表する選手になるだけでなく、海外移籍を目指す国内選手の先駆者になりたい」と語った。 
 イルファン選手は甲府加入を決めた理由について、チームの運営体制や練習環境を挙げた。Jリーグについては「アジアで最高のリーグ」と評し、「高いレベルでのプレーを目指してきた。加入が決まってうれしい」と話した。
 昨季、18チーム中15位と苦戦したチームにどのような貢献ができるかを聞かれると、「技術やスピードだけでなく勝利への強い意志を持っている。得点やアシストをできるよう、さらに練習を積んでいきたい」と答えた。
 甲府の佐久間悟ゼネラルマネジャーは、同選手の技術やポジショニングなどの点を評価し、「他の選手と協力して局面を打開していく能力が高い」と話した。ショートパスをつなぐスタイルが主流で、攻守の切り替えも他国と比べて早いといわれる日本流のサッカーへの適応が外国人選手にとって大きな課題となるが、佐久間氏はオランダでの経験がある同選手が問題なく適応できるものとみている。
 1年契約で加入し、背番号は13。Jリーグが新たに設定した提携国出身選手向けの枠を利用して選手登録する。年俸などは明らかにされていない。
 同選手は28日、日本へ向けて出発する。シーズン中は家族とともに日本で生活する予定。妻でモデルのジェニファーさんは現地で娘の幼稚園を探すという。
■リーグや自治体も支援
 アジア進出に力を入れるJリーグは昨年12月、日本プロサッカー選手会(JPFA)が開いた合同トライアウト(選手選考会)に東南アジアの選手6人を招待。うち、Jリーグの仲介で、イルファン選手を含む2人が甲府の練習にも参加した。
 背景には観光客誘致に力を入れる山梨県の存在があった。同県は国営ガルーダ航空と提携するなどして観光客誘致に力を入れており、甲府は海外とのスポーツ交流で協力していた。
 昨年、東南アジア初のJリーガーとしてベトナム人のレ・コン・ビン選手がJリーグ2部のコンサドーレ札幌に加入した。
 試合会場に集まった観客が手製のベトナム国旗やレ選手に向けた横断幕で応援すると、会場の様子がインターネットを通じてベトナムで広まった。ベトナムでの北海道や札幌市の認知度、好感度が向上したという。
 イルファン選手は実力に加え端正な容姿でも人気だ。短文投稿サイトのツイッター上で420万人以上のフォロワー(閲覧者)を持ち、情報発信力にも期待できる。
 「将来のインドネシアを含む東南アジア選手の獲得はイルファン選手の活躍次第」(Jリーグ関係者)といい、同選手の今後に注目が集まる。(田村隼哉、アルヨ記者、写真も)

 【プロフィル】 イルファン・バフディム 1988年8月11日蘭生まれ。身長172センチ、体重68キロ。蘭アヤックスの下部組織を経て同国1部リーグのFCユトレヒトでプレー。VVVフェンロの本田圭佑選手(当時)とも対戦した。13年はタイ、チョンブリFC所属。インドネシアに帰化後、2010年から3年間代表。妻との間に1女。

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