清涼飲料水市場に熱視線 シェア争い激化へ 日本企業

 急成長するインドネシア清涼飲料市場の需要を取り込もうと、日本の飲料メーカーの進出が加速している。インドネシア・ソフトドリンク業者協会(ASRIM)のトゥリヨノ・プリヨスシロ会長はこのほど、地元紙に対し、面談した日本の数社が進出の方針を示していると明らかにした。地場系・欧米系が強い市場で、日本企業の新規参入により、シェア争いが激化しそうだ。
 市場の成長理由として、トゥリヨノ会長は中間層の拡大と旺盛な国内消費、出生者数が日本の5倍で、毎年500万人のペースで人口が増加している市場の大きさを理由に挙げた。約2億4千万人の人口の半分ほどを29歳以下の若者が占め、今後も着実に清涼飲料水の消費量が増加するとの見方を示す。進出日系企業の課題として、同会長はインドネシア人に好まれる商品を開発することが重要とも分析した。

■年率15%の成長
 昨年、インドネシア進出を決めたアサヒグループホールディングス(HD)によると、国内清涼飲料市場は過去5年間で年率約15%ずつ拡大。11年に約4千億円だった市場規模は20年には1兆円に達すると予測している。
 12年に食品大手インドフードの子会社と合弁会社を設立。今年6月には同社と米ペプシコの現法を約29億円で買収し、年内には新商品の投入を目指すなど、ブランドの確立を急ぐ。
 アサヒ現法で販売・流通を担うインドフード・アサヒ・スクセス・ビバレッジの担当者は、国民一人当たりのGDP(国内総生産)が3千ドルを超え、今後も所得の増大が見込めることが進出の決め手になったと話す。
 「市場が大きい分、消費者の好みや年齢などのターゲット層を細分化することで、シェアを広げる余地がある。新たな分野をゼロから開拓することも可能だ。今後は内外からの参入企業が増えて、市場が活性化し消費量が増えることは歓迎するが、競争が激しくなるためブランドを確立し安定的な市場地位を確保する必要がある」と意気込んだ。
 アサヒHDは15年までの長期計画で売上高2兆円を目標に掲げる。うち20%を海外事業とし、ASEAN(東南アジア諸国連合)でその4分の1ほどとなる約1千億円の売上を目指している。
 サントリーは11年、地場系大手ガルーダ・フード・グループと清涼飲料事業などを行う合弁会社を設立。昨年、ペットボトル飲料「みらい・Ocha」の販売を開始した。伊藤園も来年、商品の販売開始を予定している。(小塩航大)

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