IPBの学生が開発 国産品でブラウニー キャッサバとハーブ使う
日本ではなじみの薄いキャッサバ(シンコン)。インドネシアは毎年約二十万トンと、世界四位の生産量を誇る。地方のお菓子でキャッサバを使ったものが多くあり、古くから親しまれている。スーパーやコンビニには、何種類ものキャッサバチップスが並ぶ。このほど、キャッサバを使ったチョコレート・ブラウニーを販売する中小企業が現れた。
「ミスター・ブラウン・コ」の商品開発・経営に携わるシギトさんは、二〇〇八年、ボゴール農科大学(IPB)在学中に、インドネシア教育省高等教育総局主催のコンペに参加した際、インドネシアで採れる素材でブラウニーが作れないかと考えた。チョコレート・ブラウニーはインドネシアでは人気のあるお菓子の一つだが、原材料の小麦はほとんど国内では採れない。
小麦粉に、インドネシアで馴染みのあるサツマイモ、タロイモ、キャッサバの粉末を加えて試作。シギトさんは「最終的にキャッサバが一番味に違和感がなかった。キャッサバはカルシウムと食物繊維が豊富な上、グルテンが含まれていない。米国などではグルテンを抜く食事療法が注目されているため、将来的に輸出も可能だ」と力を込めた。
同年八月、同コンペの優秀作品に選ばれ、賞金をもとに起業。元々は小麦粉とキャッサバの比率を半分ずつだったのを、現在発売中のブラウニーはキャッサバ一〇〇%にまで引き上げた。またシナモン、ショウガ、クローブ、ナツメグなど、風邪を引きにくくする効能をもつ香辛料を混ぜた。価格は一万八千ルピアから。
現在、主に大学や首都圏のバザー、インターネットで販売している。
問い合わせはボゴールの本店(住所Jalan Raya Darmaga No 253, Darmaga, Bogor, Jawa Barat、電話0852・1795・1866)まで。