駐在員に注意呼びかけ 「身近な病気」 睡眠時無呼吸 症候群セミナー

 ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)主催の「睡眠時無呼吸症候群セミナー」が19日、中央ジャカルタのASEAN(東南アジア諸国連合)東アジア経済研究センター(ERIA)で開催された。睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療の専門家3人を講師として招き、SASが身近な病気だとして在留邦人に注意を呼びかけた。
 虎の門病院睡眠センターの成井浩司部長によると、日本人で推定500万人がSASを患っており、肥満や、日本人に多いあごの小さな人はSASを患う確率が高い。成人男性の2〜3割が「要精査および要治療者」とされるが、女性や子どもも患う可能性があるという。SAS患者は生活習慣病患者でもある場合が多く、海外駐在邦人は会社からの過度な期待などによるストレス要因が多く、暴飲暴食や運動不足から生活習慣病を発症し、死亡に至るケースも発生。背景にはSASが密接に関連している可能性があるという。
 成井部長によると現在、SASは呼吸パターンや睡眠の深さなどから比較的容易に検査できる。治療には鼻マスクを睡眠時に着用し、圧力の高い空気を送り舌を押し上げることで気道を確保するCPAP療法が主流だという。続いて久留米大学医学部歯科口腔医療センターの姉川絵美子医師は、SASへの歯科的治療について発表。マウスピースによる治療と、歯科矯正による予防治療を解説した。
 日本国内では治療に保険が適用されるが、在留邦人が利用可能な診断・治療法は限られている。社会医療法人春回会井上病院の吉嶺裕之副院長は、現状を改善するため、在留邦人や関係者が現地でも受診できるSAS診断・治療を提供する医療システム構築の試みを紹介。現在は上海で実施されており、今後はジャカルタでも同様の取り組みを行いたい意向を示した。(宮平麻里子、写真も)

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