クレープの中の濃厚な甘味とコク メダンのパンケーキドリアン

 強烈なにおいで有名なドリアンが採れる東南アジアの幾つかの国には、ドリアンと生クリームをクレープのような生地で包んだ「パンケーキドリアン」がある。私が食べたのは、インドネシア西部のスマトラ島メダン。ドリアンの名産地で、有名なドリアン専門店が町外れにあった。
 パンケーキドリアンの生地はとても薄く、甘さも控えめ。新鮮なドリアンの果肉だけ使っているので特有のにおいもない。生クリームもマッチして、この果実独特のねっとりした食感や濃厚な甘味、コクが楽しめるお菓子だった。
 専門店に案内してくれたのは現地の人だ。店に着いて驚いたのは、有名店とは思えないほど造りが簡素だったことだ。外から中が丸見えで、壁も仕切りもなく、まるで屋根付きの大きな駐車場のようだ。でも、大勢の人でにぎわい、合コンかと思うような若者たちのグループもいた。
 店の一角では職人が地面に座り、ドリアンの殻を割っては中身を取り出す作業を繰り返し、殻を山のように積み重ねていた。
 この店では生のドリアンも食べられる。注文してみると、丸ごとドンと出てきた。スプーンですくって口に含むと、店先まで漂っていた強烈なにおいは感じない。濃厚な甘味とコクがあり、果実のうま味がギュッと濃縮されたおいしさだった。
 ドリアンには濃厚な味の黄色い品種と淡泊な味の白色の品種があること、殻を器代わりに水を飲むと、口のにおいが消えることを店の人に教えてもらった。
 タイやカンボジアでもドリアンを食べたが、メダン産は上質なのだろう。今でも忘れられない格別の味だった。(世界の郷土菓子職人・林周作)(時事)

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