世界に誇る奇跡の美城 兵庫・姫路 歴史に育まれた名産品も

 世界文化遺産に登録されてから昨年で25周年を迎えた兵庫県姫路市の国宝・姫路城。2015年には約5年半に及んだ平成の大修理を終え、かつての華やかさを取り戻した。
 内堀に囲まれた姫路城の内曲輪(くるわ)の面積は、甲子園球場約6個分に及ぶ。天守閣は、1600年の関ケ原の戦いの後に入城した武将、池田輝政が8年の歳月をかけて築き上げ、大天守が3基の小天守を従える。大きく広がる屋根は華やかな破風で彩られ、壁面や屋根の目地を白しっくいが覆う。第2次世界大戦時の空襲など度重なる危機を乗り越え、400年前の雄姿を今に伝える「奇跡の美城」だ。
 南側の三の丸広場を抜けて、二の丸、本丸へと進むと、防御のしつらえを目の当たりにする。鉄砲や弓矢で攻撃するための狭間(さま)が所々に開き、かがんで通る門や崩せる土塀などが続々と現れる。大天守に入ると急な階段が待ち受け、石や銃で攻撃する穴、数多くの武具掛けのほか、伏兵が潜む小部屋もある。有事の際に侵入者を許さない質実剛健な構えは外観からは想像できない。
 大天守の最上階だけは格調高い「書院風造り」。中央には守り神の刑部(おさかべ)神社が鎮座し、窓から約8キロ先の播磨灘や沖に浮かぶ家島まで一望できる。
 城の南に広がる家老屋敷跡公園の食事所をはじめ、街の至る所でご当地グルメ「姫路おでん」が楽しめる。おでんにしょうがじょうゆを添えるスタイルで、城巡りですいた小腹にちょうどよい。ディナーは、城を間近に望む市の施設内にあり、播州名物で盛りだくさんの和洋コースがそろう「イーグレキヤッスルミレ」がお薦めだ。
 トム・クルーズ主演の映画「ラストサムライ」の舞台にもなった書写山円教(えんぎょう)寺。市郊外の標高371メートルの山上一帯に、後白河法皇の勅願で創建した食堂や、室町時代に建てられた大講堂などが立ち並ぶ。「西の比叡山」とも称される天台宗の別格本山。ロープウエーで中腹まで昇り、約1キロの山道を抜けていく。古刹(こさつ)は重ねてきた歴史を感じさせないほど活気があり、写経や座禅の体験の他、精進料理も味わえる。
 姫路は酒造りが盛んで、八つの蔵元が個性豊かな酒を醸している。世界の品評会で高い評価を受ける本田商店は、JR山陽線の難読駅として知られる「網干(あぼし)駅」近くに蔵元がある。フランスの最高級ワイン「ロマネコンティ」を目指し、米栽培の気候風土にもこだわり、選び抜いた地区の酒米で仕込んだ「秋津」は世界的にも知られる超高級日本酒だ。姫路駅近くの直営店で有料で試飲できる。
 姫路で約800年続く甲冑(かっちゅう)師の一族、明珍家が鍛えた火箸風鈴も、その名声が世界に響き渡る。音色は米ポップス界の巨匠スティービー・ワンダーが絶賛し、ソニーの音質検査にも一役買っている。明珍本舗の匠(たくみ)で次期当主の明珍敬三さんは「他ではまねできない、明珍家にしかない技がある」と胸を張る。一風変わった鋼の風鈴は、JR姫路駅南口前の名産品店「播産館」などでも手に入る。
 メモ 書写山円教寺へは姫路駅から姫神バス「書写山ロープウェイ行き」に乗車。(記事・写真は時事)

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