金権選挙しない、12党誓う 激動の3週間に突入

 16日、総選挙(4月9日投票)は3週間のキャンペーン期間に突入した。人口2億5千万人の群島が選挙一色に染まる。大統領候補宣言をしたジョコウィ氏が台風の目になるなか、各政党は選挙違反を出さないと約束した。
 「われわれは平和な選挙戦をすると誓います」。総選挙委員会(KPU)が15日にモナス(独立記念塔)で開催したキャンペーン開始の発表式典。全国政党12党の代表者はこれに加え、人種、民族、宗教の争点化と金権選挙をしないことも誓った。選挙戦が激化するとともに守られないからだ。

■早くも予算執行の不明朗
 地方でも同様の誓約をしたが、西ジャワ州マジャレンカ県では6党が「県予算がある政党のキャンペーン費用に流用された」として誓約書への署名を拒否した。非政府組織「予算透明性フォーラム(フィトラ)」は「2014年国家予算で計上された各省庁の生活扶助予算25.6兆ルピア(約220億円)が短期的な政治的利益のために使われた大きな兆候がある」と指摘。過去の選挙で指摘された買票が再び出て、当選後の汚職につながる可能性もある。
 テレビコマーシャルにも大量の資金が流れそうだ。放送協会は14日、期間外の3月1日〜11日、選挙コマーシャルの放映回数は1700回を越えたとした。多いのは党首がテレビ局を保有するゴルカル党と国民民主党(ナスデム)。KPUは選挙費用の報告を怠ったとして県市議会選の9党25人の立候補を取り消した。

■ジョコウイ氏の波紋
 行政も政治色に染まってきた。KPUは14日までにユドヨノ大統領と5閣僚のキャンペーン参加許可を出した。残りの政党所属閣僚5人も休暇をとりそうだ。地方首長の大半も休暇願いを出した。
 14日のジョコウィ知事の大統領候補宣言が政界を揺らす。同日、退役大将のルフット・パンジャイタン・ゴルカル党顧問会副会長は退役将校12人とともに「民衆は汚職をしない清潔な代表者を求めており、ジョコウィ氏はその部分を持っている」と語った。ジョコウィ氏の副大統領候補に関する議論が先行し、マーフッド元憲法裁長官、カラ前副大統領、ダフラン国営企業相らが取り沙汰される。
 対抗馬として最有力のプラボウォ氏陣営は09年大統領選で、メガワティ氏が14年大統領選ではプラボウォ氏が大統領選に臨むのを支持することを誓約したにもかかわらず、反故にしたと批判。当時交わした書面をメディアに公開した。チャフヨPDIP幹事長は「そんな約束はなかった」と否定した。(吉田拓史)

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