補正予算案を可決 燃料値上げへ 貧困層補償も開始 プレミウム6500ルピアに

 国会は17日、本会議を開き、燃料値上げによる補助金削減と貧困層補償を盛り込んだ2013年補正予算案を賛成多数で可決した。予算案が承認されたことで、政府は近日中に値上げを実施する方針だ。
  会派ごとに票をまとめ、全体で集計した結果、賛成338票、反対181票で可決。連立与党の福祉正義党(PKS)は造反したが、民主党やゴルカル党など連立与党5党の足並みは揃った。5党の代表者は同日朝会合し補正予算案への賛成で一致していたという。野党グリンドラ党は、審議で補正予算案に賛成したが、審議中断後の政党間の会合で再び反対に転じた。
 野党の闘争民主党(PDIP)とハヌラ党も反対に回った。民主党のマルズキ・アリー国会議長は午後9時半ごろ採決を開始した。国会正門前では労働組合、学生がデモを展開。機動隊とデモ隊のにらみ合いは夜まで続いた。
 今年3月、ユドヨノ大統領が補助金による財政負担に懸念を示し、関係省庁は再び燃料新政策策定に着手。私用車の補助金燃料使用制限、中間品質の新燃料などの案が浮上しては消え、政府が設定した政策策定期限が何度も先延ばしされたが、最終的に値上げと貧困対策のセット案に舵を切った。貧困層補償の財源を確保するため、補正予算案の議決が必要になった。
 レギュラーガソリン「プレミウム」は4500ルピアから6500ルピアに44%、軽油は4500ルピアから5500ルピアに22%値上げされる見込み。
 貧困層補償をめぐり、政府は貧困層現金給付、コメ助成「ラスキン」、貧困児童奨学金、貧困世帯補助金を拡充する。政府はすでに対象者が四つの貧困対策を受ける際に提示する社会保険カード(KPS)を全国で1550万枚配布。国民の3分の1弱の7千万人に補償が行き届く計算だとしている。
 4月の政府試算では、今年の補助金燃料消費量は昨年の4520万キロリットルを超過し、4850万キロリットルに達する。燃料需要や石油価格次第では、昨年と同様、年末に再び補正予算を策定する可能性がある。補正予算では財政赤字の対GDP(国内総生産)比率が1.65%から2.38%まで上昇する。(吉田拓史)

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