ジャカルタとバンドンで十一日、日本人学校の卒業式が行われた。ここ数年、日本のプレゼンスの陰りで、卒業生の数は減りがちだが、世界でも飛び抜けて親日的で元気いっぱい、多様な文化の博物館のような国で学んだ生徒や児童たちは、胸一杯に「情熱」を抱え込んで校門を後にした。
◇太陽の子4人が卒業─BJS
「無邪気だった、気ままだった」。そんな四人が新たな旅立ちの時を迎えた。
十一日、行われたバンドン日本人学校(BJS、十川幸博校長、児童・生徒数十八人、幼稚部四人)の卒業式・卒園式。小学部を鍋田三裕さん、中学部を玉澤信雄さんが卒業した。
玉澤さんはこの日、幼稚部時代から十二年間のBJSでの生活に幕を閉じた。日本での高校進学を前に、卒業制作で「情熱」と題して今までの自分、未来への希望を込めた歌を作詞、作曲した。
卒業式では、十川校長が、卒業生の二人に卒業証書を授与。その後、式辞で、二人との思い出を紹介し、友だちとは何かを詠った谷川俊太郎の詩「友達」を朗読。自身の経験談も交え、「これから大きくなるにつれ、最も必要な存在になる友だちを大切にしながら、より高いものを目指し、新たな出発を」と激励した。
別れの言葉で、鍋田さんは「五年前に転校してきたころの気持ちをまだ覚えている。あれからバンドンでたくさんの思い出ができた。中学では、たくさんのことに意欲的に挑戦していきたい」とはっきりとした口調で意気込みを語った。
母なる地バンドンからの旅立ちを控えた玉澤さんは、「中学部の魂をみんなに託す。情熱をたずさえ、新たなる人生へ出発する。行ってきます」と前向きな決意を見せた。
卒園した二人は佐藤涼亮君と平田由香利さん。
佐藤君は「動物園の園長さんになりたい」、平田さんは「お茶屋さんになりたい」と将来の夢を披露。
清水茂克園長から「小学部でも頑張って」と激励されると、最後に幼稚部全員で元気良く「ありがとう」の歌を発表した。
式には岳下良弘・在ジャカルタ総領事、バンドン日本人会の千葉牧男会長、PTAの平川征二郎会長も出席し「青い空へと旅立っていく」四人を祝福した。
◇「離れても心は一つ」─JJS
ジャカルタ日本人学校(JJS、児童・生徒数約六百三十人)の体育館には、九十六人の凛々しい顔が並んでいた。小学部六十三人、中学部三十三人が長谷川清孝校長から卒業証書を受け取った。
一九六九年の開校から四十年。JJS小中学部から世界に羽ばたいて行った卒業生は、総勢四千六百七十四人となった。
中学部の答辞で演壇に立ったのは三年一組の泉里奈さん。昨年の卒業生の答辞に感激し「一年前からずっとやりたかった」。
「JJSでたくさんのことを学んだ。仲間たちを誇りに思う」。体育祭、JJSフェスティバルなど多くの行事で苦楽をともにした友人たちと築き上げた友情を語る。
同級生のほとんどが本帰国し、一部はジャカルタやシンガポールの高校に進学する仲間たちとの絆を思い「離れても心は一つにつながっている」と語った。
「今始まる希望の道。今日までありがとう」
歌手・川嶋あいのヒット曲「旅立ちの日に…」を合唱した小学部卒業生たち。思いを込めた歌声がメロディに乗り、体育館に広がる。親や担任教師がハンカチで静かに涙を拭っていた。
小学部六年二組の舘脇彩里さんは「合唱のとき、『これが最後』という気持ちを込めた。感動しながら歌った」と微笑む。進学先は首都圏のインターナショナル校。「英語の勉強を頑張りたい」と目標を掲げ、「将来は作家になりたい」と夢を打ち明けた。
塩尻孝二郎・駐イ日本大使、新家谷芳夫・学校維持会理事長、岡安修哉・小中学部PTA会長、ジャカルタ・ジャパンクラブの今田公久理事長、天谷浩之事務局長、在ジャカルタ日本総領事館の古屋健領事、JJS幼稚部の吉野恵理子園長らが出席。
塩尻大使は「本気で努力し、明るく輝く人こそ国の宝」、新家谷理事長は「異文化で育った経験があると、将来必ず幅広いものの見方ができるようになる」、岡安PTA会長は「人生のどんなことにも無駄はない。夢が叶うと信じ前向きに過ごして」と激励した。
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感謝を込めた花束を先生に渡したジャカルタ日本人学校中学部卒業生たち
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卒業証書を手にして笑顔を見せる鍋田さん(左)と玉澤さん
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