八日の投票を間近に控え、総選挙委員会(KPU)が行った大統領・副大統領候補の政策討論会では、三組計六人の候補が異なるテーマで五回にわたり議論し、テレビで生中継された。各紙や専門家、視聴者の評価では、最も積極的に討論を挑んだユスフ・カラ副大統領、真面目に的確な答えを試みたユドヨノ大統領がほぼ同じ評価。二〇〇四年の前回選挙では討論会は一回しか行われなかったが、今回は五回に増えた。一億七千万人の有権者に選挙公報を周知させる方法としてキー局の支援を得て実施した米国流のテレビ討論は、運営でいくつかの批判があったが「有権者への情報が増え、改善と言える」と専門家は評価している。
討論会では、人気でほかの二候補を大きくリードし、逃げ切りを図りたいユドヨノ陣営と、その差を少しでも縮めたいカラ、メガワティ陣営の狙いが透けて見える討論となった。
最終回となった二日の討論では、再三、カラ副大統領が選挙広告などを材料にユドヨノ大統領を攻撃。ユドヨノ氏も穏やかに反論する場面が見られたほか、三十日の副大統領候補討論会では、ブディオノ氏の発言を「規範的」と批判したプラボウォ氏にブディオノ氏が反論、議論が白熱した。
一方、意見表明に与えられた時間は一分から二分と短く、議題が多すぎたため「深い議論が行われなかった」「誰でもできる答えばかり」との声が視聴者からも上がった。
■カラ、SBYが並ぶ
非政府組織(NGO)インドネシア・マダニ研究所所長を務める政治評論家のレイ・ランクティ氏は、じゃかるた新聞に対し、五回の討論会の評価をカラ陣営「7」、メガワティ陣営「6・5」、ユドヨノ陣営「6」と採点した。
カラ氏は効果的に問題への解決策を提示し、他候補を批判する勇気があったこと評価。ユドヨノ陣営はユドヨノ氏に規範的な答えが多かったことと、学界出身のブディオノ副大統領候補の「講義のような」口調の回答が評価を下げた。
ジャカルタの二十代の会社員はユドヨノ氏「7・5」、カラ氏「7」、メガワティ氏「6」と評価。「メガワティ氏は発言の意味がよく分からない。ユドヨノ氏は攻撃されても反論がおとなしすぎ。カラ氏は頭の回転が速く、論戦を挑む勇気があるが、アチェ和平などで自分の実績をむやみにアピールする態度が鼻についた」と語った。
西スマトラ出身の三十代の会社員はカラ氏「8」、ユドヨノ氏「7・5」、メガワティ氏「6」。「カラ氏の発言は明確で多元主義を大事にするところが良い。ユドヨノ氏の答えは模範的すぎ、メガワティ氏は全く解決策を提示していない」と述べた。
■有権者の情報提供に効果
レイ氏は討論会について「候補がビジョンを語っただけの二〇〇四年の討論会に比べ改善された」と評価。回数も一回から五回に増え、テーマも多岐に渡ったことから「有権者が候補者を選択する材料として、多くの情報を提供できた」という。
しかし「候補者間の議論がまだ少ないことや、民主主義やインドネシアの統一などマクロなテーマを掲げたため議論が包括的になりすぎ、深い議論ができなかったことが欠点」と話す。
有権者への影響については「有権者の約四割にあたる中・高所得者層にとっては、投票に向けた大きな判断材料になるだろう。カラ候補は三%ほど得票率を上積みし、一二─一三%は獲得できるのでは」と語っている。
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2日に行われた討論会で議論する3候補=アンタラ通信
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