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2004年2月9日 じゃかるた新聞掲載

抱き合い旧交温める スハルト氏とマハティール氏
 引退した大物指導者

 インドネシア訪問中のマハティール前マレーシア首相(七八)は七日、中央ジャカルタ・メンテンのスハルト元大統領(八二)の自宅を訪問、約二十五分間にわたって会談し、旧交を温めた。一九八〇代から九〇年代にかけ、東南アジア諸国連合(ASEAN)を率いる大物指導者だった二人が会談するのは一九九七年以来七年ぶり。スハルト氏が一九九八年五月に辞任してから初めて。

 西ジャワ州バンドンのパジャジャラン大の名誉博士号授与式に六日、出席したマハティール氏は七日朝、メガワティ大統領とボゴールのバトゥトゥリスで会談した後、スハルト氏の自宅を訪問。スハルト氏の長女トゥトゥット氏、トリ・ストリスノ元副大統領、マレーシア人実業家ダトゥック・ハキム・タンタウィ氏が同席した。
カメラマンに笑顔で応じた(左から)スハルト氏とマハティール氏、スハルト氏の長女トゥトゥット氏
カメラマンに笑顔で応じた(左から)スハルト氏とマハティール氏、スハルト氏の長女トゥトゥット氏
 再会したスハルト氏とマハティール氏は笑顔で抱き合ってあいさつを交わし、応接間で懇談した。スハルト氏は「血糖値や血圧が良くない」と健康状態を説明したという。
 マハティール氏は「スハルト氏とは九七年以来会っておらず、旧交を温めただけ。今回のインドネシア訪問は、名誉博士号授与式に出席するのが目的。スハルト氏は健康だったが、脳卒中を患ったことがあるためか、話すのが困難なようだった」と語った。
 茶色のバティックを着たスハルト氏は、玄関前で報道陣に笑顔を見せたが、一言も話さなかった。
 一九八一年に首相になったマハティール氏は、スハルト氏から見ると後輩格の政治家だが、対米、対中、対豪外交などで、協力したり張り合ったりした親しい仲。スハルト氏は会話も困難な状態とされるが、マハティール氏も心臓病に苦しんでおり、互いに再会できたことを、心から喜び合ったとみられる。
 地元メディアによると、この会談は、マハティール氏がインドネシア・マレーシア友好協会会長のトリ氏らに連絡して実現した。
 マハティール氏はこの後、アミン・ライス国民協議会議長、国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)のハシム・ムザディ議長、ムハマディアのシャフィイ・マアリフ議長らと会談した。
 マハティール氏は、昨年十月、バリで開かれたASEAN首脳会議に出席した後、首相を引退した。バリで記者団から引退について「(暴動の最中引退した)スハルト元大統領のケースが影響を与えたか」と聞かれ、「国民に追い出されるまで、権力の座にしがみつくことはしない」と答えている。


2004年2月11日 じゃかるた新聞掲載

スハルト氏を再検診へ 最高検が医師団編成
 守旧派封じ込め狙う

 最高検察庁は九日、スハルト元大統領の不正蓄財裁判の再開に向け、元大統領の健康状態を診断する医師団を編成、近く検診を実施すると明らかにした。スハルト元大統領の不正蓄財を追及する裁判は、二〇〇〇年九月、被告人の病気を理由に中断されていたが、審理再開への検診は一年八カ月ぶり。「スハルト懐古ムード」が広がる中、国民が忘れかけていたスハルト裁判を想起させ、総選挙を有利に展開しようとするメガワティ政権の政治的な狙いが背後にありそうだ。
 最高検のキマス・ヤフヤ・ラフマン報道官は「チプト・マングンクスモ病院が先週、医師団を結成した。近く、検診日程について協議する。スハルト元大統領の家族と弁護団にも、元大統領の検診を予定していると通知した」と語った。
 報道官によると、元大統領の検診はできるだけ早く実施するという。
 スハルト元大統領は七日、中央ジャカルタ・メンテンの自宅で、マハティール前マレーシア首相と約三十分間会談。「スマイリング・ジェネラル」と呼ばれた往時を思わせる笑顔を浮かべて、マハティール氏と抱き合った。
 元大統領は報道陣に一言も話さなかったが、以前と比べて顔色も良く、健康回復が進んでいることを印象付けた。
 スハルト元大統領の側近は、元大統領は依然として会話が困難な状態だが、マハティール氏の質問を理解していたと明らかにしている。
 昨年末、スハルト氏の長女、トゥトゥット氏(元社会福祉相)を大統領候補に指名した憂国職能党の党首、ハルトノ元陸軍参謀長も「党活動についてスハルト氏に逐一報告している」と語り、スハルト氏が最近、健康を回復していると伝えられていた。
 三十二年間の長期独裁政権を築いたスハルト元大統領は一九九八年五月に失脚。
 在任中、理事長を務めた七つの福祉財団の資金を不正流用し、国家に一兆四千億ルピアと四億二千万ドルの損失を与えたとして起訴されたが、南ジャカルタ地裁は、二〇〇〇年九月、被告の病気を理由に審理を中断した。
 健康回復がささやかれた二〇〇二年六月に検診したチプト・マングンクスモ病院の医師団は、元大統領の言語障害は回復の可能性が低いとの結果を発表している。
 その後も脳梗塞の影響で脳神経に障害を負い、言語障害が続いているとされる。
 総選挙と大統領選挙を控えたこの時期、スハルト元大統領の再検診を実施することは、国民の間に広がる「スハルト時代郷愁症候群」(SARS)を封じ込める作戦とみられる。 
 SARSを放置すると、国民のメガワティ離れを加速する恐れがあり、選挙を前にスハルト元大統領の汚職問題を再びクローズアップし、守旧派をけん制する狙いがありそうだ。




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