インドネシア訪問中のマハティール前マレーシア首相(七八)は七日、中央ジャカルタ・メンテンのスハルト元大統領(八二)の自宅を訪問、約二十五分間にわたって会談し、旧交を温めた。一九八〇代から九〇年代にかけ、東南アジア諸国連合(ASEAN)を率いる大物指導者だった二人が会談するのは一九九七年以来七年ぶり。スハルト氏が一九九八年五月に辞任してから初めて。
西ジャワ州バンドンのパジャジャラン大の名誉博士号授与式に六日、出席したマハティール氏は七日朝、メガワティ大統領とボゴールのバトゥトゥリスで会談した後、スハルト氏の自宅を訪問。スハルト氏の長女トゥトゥット氏、トリ・ストリスノ元副大統領、マレーシア人実業家ダトゥック・ハキム・タンタウィ氏が同席した。
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カメラマンに笑顔で応じた(左から)スハルト氏とマハティール氏、スハルト氏の長女トゥトゥット氏
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再会したスハルト氏とマハティール氏は笑顔で抱き合ってあいさつを交わし、応接間で懇談した。スハルト氏は「血糖値や血圧が良くない」と健康状態を説明したという。
マハティール氏は「スハルト氏とは九七年以来会っておらず、旧交を温めただけ。今回のインドネシア訪問は、名誉博士号授与式に出席するのが目的。スハルト氏は健康だったが、脳卒中を患ったことがあるためか、話すのが困難なようだった」と語った。
茶色のバティックを着たスハルト氏は、玄関前で報道陣に笑顔を見せたが、一言も話さなかった。
一九八一年に首相になったマハティール氏は、スハルト氏から見ると後輩格の政治家だが、対米、対中、対豪外交などで、協力したり張り合ったりした親しい仲。スハルト氏は会話も困難な状態とされるが、マハティール氏も心臓病に苦しんでおり、互いに再会できたことを、心から喜び合ったとみられる。
地元メディアによると、この会談は、マハティール氏がインドネシア・マレーシア友好協会会長のトリ氏らに連絡して実現した。
マハティール氏はこの後、アミン・ライス国民協議会議長、国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)のハシム・ムザディ議長、ムハマディアのシャフィイ・マアリフ議長らと会談した。
マハティール氏は、昨年十月、バリで開かれたASEAN首脳会議に出席した後、首相を引退した。バリで記者団から引退について「(暴動の最中引退した)スハルト元大統領のケースが影響を与えたか」と聞かれ、「国民に追い出されるまで、権力の座にしがみつくことはしない」と答えている。