今年八月末に、スティヨソ・ジャカルタ特別州知事がマレーシアの企業と四億ドル(約四百七十億円)の融資に関する覚書に調印したジャカルタのモノレール建設プロジェクトが本格的に動き出した。州政府は今月中旬までに最終決定を下し、順調にいけば二〇〇四年初めにも着工、〇六年中の開業を目指す。ブロックM−コタ間を結ぶバスレーンとMRT(大量高速輸送電車)計画も合わせ、東南アジア各国の首都と比べ、大きく遅れている首都の交通網整備を進めたいとしている。
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市内を走るモノレールのイメージ図
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マレーシアでモノレールやバスなどの交通機関を計画、マネージメントしているMトランス・ホールディングス社と共同運営を行うインドネシア・トランジット・セントラル社(ITC)は、先月下旬、ジャカルタでのフィージビリティスタディー(事業化調査)を終了し、州政府に提出した。
それによると、モノレールは、グリーンライン(仮称)とブルーライン(同)の二路線。まず、市内中心部を結ぶ環状線のグリーンライン(一四・八キロ)から着工し、続けて東ジャカルタのカンプン・ムラユと西ジャカルタのハルモニを結ぶ東西線のブルーライン(一二・二キロ)を着工する。二路線で計二十七キロ、二十六−二十九駅になる予定。運賃は距離によって変わり、五千−七千ルピア。
■40年のBOT方式
地元企業三社のコンソーシアムであるITCは計画に絶対的な自信を持つ。同社のスクマワティ・シュクル技術部長は「われわれは四十年間のビルド・オペレート・トランスファー(BOT)方式を提案している。計算では十二年で採算が取れる」と話す。
一方、州政府のイルザル・ジャマル助役(開発担当)は、じゃかるた新聞に対し「先月下旬にITC側から最終のフィージビリティースタディーの一部を受け取った。数日前にはITCと合同の評価チームを結成し、現在、内容を詰めているところだ。今月中旬までに結論を出し、来年初めには着工できると期待している」と述べた。
同助役によると、事業費は、当初の計画より路線が六キロ延びたため、四億ドルから五億四千万ドルに引き上げられたという。
■地下鉄、バスレーンも
また同助役は、首都ジャカルタの今後の交通システムについて、モノレールとバスレーン、地下鉄などを含むMRT(もしくはLRT=低床路面電車)の三つを中心に考えていると明らかにした。
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モノレール両線の候補駅
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同助役は「現在準備しているブロックM−コタ間のバスレーンは、同区間を結ぶ予定のMRTが完成すれば、別のルートを走らせる予定だ」と述べた。
また、市内中心部で行っている3イン1制度のほか、ナンバープレートの番号(偶数と奇数)で制限する方法や、シンガポールのような中心部に入る際に課金するシステムも導入を検討しているという。イルザル助役は「乗り入れ規制はもうタブーではない。市民一人一人が協力し、真剣に車を減らさなければ首都の交通機能はまひしてしまう」と述べた。
■マレーシアに学ぶ
スティヨソ知事は八月末、州交通局長や助役らを引き連れ、マレーシアの首都クアラルンプールを訪問、八月から運営を開始したばかりの同市のモノレール(八・六キロ)を視察した。その際、Mトランス社と融資に関する覚書を締結し、メガワティ大統領とともに同席したマハティール首相(当時)も支援を約束した。
マレーシアは、九七年の経済危機の影響でモノレールの国産化を余儀なくされたが、八月三十一日の開通式で試乗したマハティール氏は「これは国家の偉業だ。このようなMRTシステムを作り運営できる(技術)エリート国の仲間入りをした」と自信を深め、海外への輸出に意欲を示した。
ジャカルタ州政府は、マレーシア産のモノレールでコストを抑えるとともに、各駅に独占広告権を与えるユニークな運営なども参考にしたいとしている。