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2004年11月8日 じゃかるた新聞掲載

奥田会長「日イ関係は新時代に」 経団連が大統領と会談
 EPAに前向き姿勢

 奥田碩会長を団長とする日本経団連の東南アジアミッションは六日、大統領宮殿でユドヨノ新大統領と会談、自由貿易協定(FTA)や投資保護協定を含む日本とインドネシアの包括的な経済連携協定(EPA)の締結に向けた今後の方針や投資促進策などについて意見交換した。奥田会長は会談後、「新政権下でインドネシアと日本の政治経済関係をより強力にするには絶好のタイミングだ」と述べ、日本とインドネシア両国の政治経済関係が新時代を迎えたとの認識を示した。

 約三十分間にわたり行われた大統領との会談には、インドネシア側から、アブリザル・バクリー経済担当調整相、アンドゥン・ニティミハルジャ産業相、インドネシア商工会議所(カディン)のヒダヤット会頭、インドネシア経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長、インドネシア日本経済委員会のクスモ・マルトレジョ委員長らが出席、日本側は一行のほか、飯村豊・駐インドネシア日本大使らが同席した。

■任期中に関係強化

 会談では、インドネシアの投資環境改善に向け、奥田会長が(1)政治・治安の安定(2)インフラ整備(3)輸出促進に必要な良質な労働力の確保─の三点を大統領に要請。
会談前に握手するユドヨノ大統領(右)と奥田会長
会談前に握手するユドヨノ大統領(右)と奥田会長
 大統領は投資促進に重点を置いた経済成長の実現、実態経済の活発化、貧困撲滅の三点に取り組むとの意向を示した。また、五年間の任期中に日イ関係の強化を図ると強調。EPAについて、今月二十日からチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談の際、「小泉首相と会い、具体的な話をすることを希望している」として、現在中断されている予備協議の再開に前向きな姿勢を示した。
 ヒダヤット会頭によると、EPAについて、大統領は「両国に利益をもたらすとの前提で政治的な保護、投資家が望む安定を与えるべく努力する」との意向を示した。

■カラ副大統領とも会談

 これに先駆け、一行はユスフ・カラ副大統領と会談、両国の経済関係強化や、インフラ整備などについて意見交換した。
 カラ副大統領はEPAについて「国内調整はカディンと行っていく。重要性は理解しているが、ASEAN内での意思統一を図る必要がある」との慎重姿勢を示した。港湾整備、高速道建設、通信網構築などの分野で「日本の投資を歓迎する」と述べ、民間の直接投資を通じたインフラ整備に期待感を表明した。

■1月にインフラサミット

 カディンとの朝食会では、二国間のEPAを早急に進めていく必要があるとの認識を再確認、投資環境改善に向けた取り組みや両団体の協力関係強化などについて意見交換した。
 インドネシア側から、来年一月にインフラ・サミットを開くとの説明があった。関係者によると、インフラ・サミットはカディンが主催、ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)など海外投資家の代表団体を招き、インドネシアのインフラ整備の投資などについて協議するもの。大統領は最大限協力するとの意向を示しているという。
 今回のミッションは、東南アジア諸国と日本政府との経済連携協定(EPA)に向けた協議を後押しする目的で実施。日本政府は東南アジア諸国連合(ASEAN)とのEPAについて、来年四月に交渉開始で合意、二国間では、シンガポールとの間でEPA発効に至っているほか、タイ、フィリピン、マレーシアと交渉入りしている。
 インドネシアとの間では、昨年十二月に予備協議を行ったのが最後だが、現在、再開に向けた準備を進めている。
 経団連ミッションは同日夜、飯村大使公邸での晩餐会に出席した後、帰国した。

 ミッション参加者は以下の通り。
 ▽団長─奥田碩会長(トヨタ自動車会長)▽団員─西室泰三副会長(東芝会長)▽宮原賢次副会長(住友商事会長)▽西岡喬副会長(三菱重工業会長)▽米倉弘昌副会長(住友化学会長)▽岡村正・日本インドネシア経済委員会委員長(東芝社長)▽和田龍幸事務総長。

◇奥田会長の会見要旨

 最初に、今回の経団連のミッションがフィリピン、マレーシア、タイを回り、最後がインドネシアになったことについて、本来は一番の大国であるインドネシアに来るべきだったが、順序が逆になってしまったことをお詫びした。
 ここ数年の日本とインドネシアの関係について、政治もそうだが、経済は若干熱気に乏しかった。日本ではここ数年、経済状況が悪く、企業も積極的に海外に投資するような環境になかった。インドネシアも、治安の問題や政治的な不透明さも残っていたため、日本からの投資縮小の要因となった。
 日本経済が回復に向かいつつあり、インドネシアもユドヨノ大統領の下、新しい政府ができたというタイミングで、もう一度、インドネシアと日本の間の政治経済関係を太く、より強力にする絶好のタイミングではないか、と大統領に申し上げた。
 大統領からは、この五年間にやりたいこと、特に最初の百日間は寝食を忘れて仕事に没頭されるという決意を聞いて、大いに意を強くした。
 今後、日本からの直接、間接投資が増えるだろうが、それについて三点お願いした。一つは政治と治安の安定。もう一つは今後の企業活動に必要となるインフラの整備が大事になる。三番目に、昔から言われていたが、輸出の増加とそれに必要な質の良い労働力の確保。
 大統領は経済連携協定(EPA)の持つ意味を十分理解している。今後、大統領が主導的な立場で、この協定への支援を頂けると思う。
 私の意見だが、新大統領の下で、インドネシアと日本の政治経済は新しい時代を迎えた。われわれも決意を新たにし、両国間の政治経済の関係強化に力を尽くしたい。特に経団連のパートナーであるカディン(インドネシア商工会議所)と協力しながら仕事をしていきたいと思っている。





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