地震の規模はマグニチュードで表されますが、火山噴火の場合はマグニチュードのように広く使用される尺度は今のところありません。米国のスミソニアン博物館が世界の火山カタログを作成する際に採用したVEI(Volcanic Explosivity Index、爆発指数)が比較的多く使われます。
これは火山噴火によって放出された噴出物量、噴煙柱の高さ、噴火の継続時間などから噴火の大きさを推定する半定量的な尺度です。VEIが一つ上がると、噴出物の量は十倍増えます。
有史上最大の噴火はインドネシア、スンバワ島のタンボラ火山の噴火(一八一五年)で、VEI7です。第二位は、同じくインドネシアのクラタウ火山の噴火(一八八三年)で、VEI6とされています。
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現在のタンボラ火山(二〇〇四年九月撮影)
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一般に、VEI5以上になると直径二キロ以上の陥没部であるカルデラ(スペイン語で「大釜」の意)を生じることが多く、巨大噴火と呼ばれます。
ちなみにVEI8の超巨大噴火は数万年から数十万年に一回の割合で発生し、数千キロ立方メートルの火山噴出物が放出されるため、生態系に壊滅的な影響が出ます。
タンボラの噴火は一八一二年から始まり、一八一五年四月に大爆発を起こし七月まで続きました。この噴火により、百五十から二百立方キロの軽石と火山灰が放出され、山頂には直径六キロ、深さ一キロのカルデラが出来ました。
大爆発の音は千八百キロ先まで届き、タンボラ山の周辺では大爆発後三日間は昼間でも真っ暗であったと言われています。
この噴火により九万二千人の犠牲者が出ましたが、これは火山災害史上で最大の犠牲者数です。
死因別では、火砕流と津波により一万人、疫病と飢饉(ききん)により八万二千人となっています。タンボラ火山のあるスンバワ島で三万八千人、西隣のロンボク島では四万四千人の病死者と餓死者が出ました。
大災害時には救援活動が国際的に行われる現在では、二次的な災害である病死者と餓死者の数は大幅に減らすことが出来るものと思われます。
噴火の規模では二番目のクラカタウの噴火では、火砕流による死者数が千八百二十人、津波による死者数は圧倒的に多く、三万四千五百九十七人となっています。
噴火後に行われる救援活動では、噴火直後の津波による犠牲者を減らすことは出来ないので、この二つの噴火が現在起これば、犠牲者の数はクラカタウの方が多くなるものと思われます。