2002年10月19日(土) 第1183号 主要ニュース全文
犯人像も動機もさまざま バリ島爆弾テロから1週間
 決め手に欠ける指導者逮捕
対テロ緊急政令を布告 政府 イスラム過激派を摘発へ
鈴木さんの死亡確認 バリ島爆弾テロ事件
 妻の行方は依然として不明
バアシル氏が入院 事情聴取は延期か
バアシル氏召喚 副大統領が容認
ジョクジャ警備強化
JJC、外相と会談 テロ対策強化を要請
ルピア安定 株価も上昇
容疑者が自供 比総領事館爆破事件
爆弾テロを警戒 発電所3カ所で
芸術家も追悼 豪大使館前
Jiffestを開催 国内最大の映画の祭典
 24日から市内9カ所で
深酒に朝のブブルを この店おすすめ
 中華レストラン「潮州」
日本の格闘技大会に参戦 インドネシア拳法の達人
フットサルアジア選手権開催
 日本、インドネシアなど15カ国
フラッシュ・ニュース
オピニオン&コメンタリー


犯人像も動機もさまざま バリ島爆弾テロから1週間
 決め手に欠ける指導者逮捕

 バリ島クタのレギャン通りで十二日夜に起きた爆弾テロ事件は、米国のテロ一掃キャンペーンに最後まで抵抗していたインドネシア政府を、対テロ緊急政令の公布、過激派イスラム摘発へと駆り立てた。治安当局は、マルク紛争に介入していた聖戦部隊(ラスカル・ジハード)、ディスコなど風俗産業を襲撃するイスラム擁護戦線(FPI)の解体に乗り出す一方、イスラム知識人を動員し、テロ非難の世論形成に総力を挙げている。バリ島爆弾テロ事件の動機や犯人像も、まだ、解明されない段階で、ソロのイスラム指導者、アブ・バカル・バアシル氏(六四)への強制捜査に着手する構えを見せており、インドネシアの政治史上、前例のない対過激派イスラム作戦が展開されることになった。犯人像、爆弾、動機、捜査などをめぐる話題をまとめた。

■大小2つの爆弾

 事件発生の十二日午後十一時過ぎ、一台の車がゆっくりとレギャン通りを南下。土曜日で、ほぼ満員のオープンエア・ディスコ「サリ・クラブ」の前に停止した。
 道路を挟んだ向かい側のバー「パディーズ」も満員。狭い通りを散歩したり、ディスコを楽しむ豪州人らの若者の中に、日本人女性も十数人いた。
 最初、パディーズの側で「パーン」という乾いた爆発音。「キャーッ」という悲鳴で、客が一斉に道路に出た。その直後、車に仕掛けられた大型の爆弾が炸裂した。最初の爆発は、観光客を一カ所に集めるおとりの爆弾だったとみられる。

■バラバラ死体

 強烈な爆風はディスコで踊っていた人、カウンターでグラスを傾けていた人、道路にたたずんでいた人を吹き飛ばし、肢体はバラバラになった。その場に倒れた人は、燃え上がった火に包まれ、焼死した。重度の火傷を負った人は、病院で死亡した。
 爆風は半径二百メートルの建物を吹き飛ばし、三百人以上の負傷者を出した。

■強烈、C4爆弾

 爆弾は、米国が軍事用に開発した、ダイナマイトの一・五倍の破壊力を持つ「C4」が使用された。
 高性能の爆薬に、ゴムや樹脂など可塑剤を加え、粘土状にしたプラスティック爆弾。使いたい分だけをちぎって使える。信管が無い限り爆発せず、運搬や加工がしやすく、安定性がある。自由に形を変えられるため空港のエックス線検査でも、発見しにくい。
 世界の特殊機関が工作に使用しているが、インドネシア国軍は「持っていない」と否定しており、国内での入手は難しい。しかし、世界の武器の闇市では入手できるという。
 昨年十月、イエメンのアデン港に停泊中の米駆逐艦「コール」にゴムボートが突っ込み、米兵十七人が死亡した爆破テロで使用された。
 また、今年三月、マニラ空港内で逮捕されたインドネシアの国民信託党の元会計担当役員のタムシル・リンルン氏の所持品の中から、C4やコード類が見つかったほか、二〇〇〇年八月、フィリピン大使公邸前の爆破事件でもC4が使われており、C4とインドネシアの接点はある。フィリピン南部から海路で持ち込まれた可能性も否定できない。

■動機はさまざま

 死傷者の国籍は十数カ国。世界の観光客が集まる場所を周到に選んだテロリストの犯人像について、インドネシアの新聞やバリ島の人々はさまざまの推測をしている。

◇アルカイダ説

 オサマビンラディンが配下に収めたとされる東南アジアのイスラム過激派の地下組織「イスラム共同体」(JI)が、フィリピンやインドネシアの同志と計画。爆弾はミンダナオからスラウェシ経由で運び込まれた。

◇アチェ独立派説

 アチェ人が逮捕された二年前のジャカルタ証券取引所の爆弾事件に似ている。和平交渉の妨害とメガワティ政権への打撃を狙った。

◇米国の自作自演説

 米国のテロ掃討作戦に非協力なインドネシア政府を窮地に追い込み、アルカイダと提携する「イスラム共同体」を壊滅させ、その精神的指導者バアシル氏をインドネシア治安当局に逮捕させ、インドネシアの反米・過激派イスラムを一掃する。

◇守旧派反乱説

 スハルト元政権の守旧派が、インドネシア経済を破壊し、メガワティ政権を窮地に追い込む。

◇ビジネス怨恨説

 クタ地区で最も賑わう「サリ・クラブ」は、豪人とバリ人の共同経営だが、向かいの「パディーズ」は華人の経営。経営上や住民とのトラブルもからみ、商売の対抗意識が募って・・・。

◇東ティモール併合派説

 東ティモール独立を助けた豪州人に恨みを持つ東ティモールの併合派が豪州に復讐した。

■国際捜査協力

 日本の警察庁がバリ島に派遣した国際テロ緊急展開チーム(TRT)は、外事、捜査、鑑識やDNAの専門家七人で構成。ブカシ警察に国際協力事業団(JICA)から派遣されている鑑識の岩野正行警部補も加え、事件現場の鑑識、負傷者からの聞き込み、遺体の検死作業の支援など捜査協力とテロ情報の交換を行っている。
 警察庁がこの手のチームを海外に派遣するのは、コロンビアの邦人誘拐事件などを含め、これで五回目。
 米連邦捜査局(FBI)をはじめ英国、豪州、ドイツの警察のチームとともにバリ警察が主催する捜査会議に出席。現場鑑識や国際的なテロ情報についての意見交換もあるが、インドネシアの国家警察があくまで主導権を握っている。

■証人や犯人の追跡 

 国家警察によると、十八日までに、バリ島内の不審者や目撃者など四十五人を証人として調べ、このうち二人をジャカルタ警視庁へ送り、詳細な尋問をしている。
 また、爆弾の専門技術を持つバリ島在住の空軍兵士を取り調べた。ほかに、マレーシアの治安当局からの情報で、爆弾の技術者であるマレーシア人一人とインドネシア人七人のグループの行方を追っている。
 これとは別に、事件の二日前、中部ジャワのスマランからバリ入りしたイエメン人とマレーシア人のグループを追跡中。このグループは、フィリピンの爆破事件に関与したことがある。
 一九八六年五月、中東からジャカルタに潜入した日本赤軍の城崎勉(米国に拘留中)が、タムリン通りの日本大使館に向けてプレジデント・ホテルからロケット弾を発射。また米国大使館にロケット弾を浴びせ、カナダ大使館ビルの駐車場を爆破した事件では、城崎が数人のインドネシア人を動員している。
 テロの首謀者が外国から潜入し、イスラムの国際連帯の下で、協力者や実行犯を金で雇うことは、今日のインドネシアでは難しいことではない。

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対テロ緊急政令を布告 政府 イスラム過激派を摘発へ

 政府は十九日未明、バリ島爆弾テロ事件の捜査において治安当局の強権発動を認める、対テロ緊急政令を布告した。米国やシンガポールなどから「手ぬるい」と指摘されてきたテロ対策強化に向けた法的根拠となる。この政令をもとに、国際テロ組織アルカイダと深いつながりがあるとされる東南アジアのイスラム地下組織「イスラム共同体」の国内における実態解明に乗り出すとみられる。
 対テロ緊急政令は、近く国会提出予定のテロ対策法が成立するまでの暫定的な措置。国家警察長官直属の対テロ特別捜査チームを発足させ、テロ関与が疑われる人物を、裁判所の礼状や証拠がなくても、諜報機関の情報を基に予防拘束することが可能となる。特別捜査チームは、電話の盗聴などさまざまな形で諜報活動が認められる。テロの実行もしくは関与が認められた場合、最高で死刑となる。
 政府は十八日午後、臨時閣議を招集、対テロ緊急政令について協議した後、ユスリル法相が最終調整を行った。同夜、メガワティ大統領が署名し、成立した。政府は十七日、国会代表と協議し、テロ対策のための緊急措置に対する承認を得た。
 スハルト政権下で、民主化運動やイスラム組織などが、強権的な法律で弾圧された経緯から、今回の政令が新たな人権抑圧を招くとの懸念も出ているが、ユスリル法相は「特定の思想を表現したり、支持した者を逮捕することはできない」と否定した。

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鈴木さんの死亡確認 バリ島爆弾テロ事件
 妻の行方は依然として不明

 在スラバヤ日本総領事館デンパサール駐在官事務所は十八日、十二日夜に発生したバリ島爆弾テロ事件の後、連絡の取れなくなっていた横浜市の会社員、鈴木康介さん(三四)の死亡が確認されたと発表した。妻の由香さん(三三)の行方は、まだ分かっていない。
 日本や豪州など八カ国・地域からバリ入りした合同法医学チームが、州立サンラ病院に収容されているアジア人らしい遺体の歯型を調べたところ、日本の家族から提供された、鈴木さんの歯科診療記録と一致した。
 鈴木さん夫妻は旅行会社ジャルパック(東京)のツアーに参加し、十一日からバリ島を旅行。クタ地区のパドマ・ホテルに宿泊していた。事件発生後、連絡が途絶え、帰国予定日になっても空港に姿を現さなかったため、家族が現地入りして安否を調べていた。事件当時、鈴木さん夫妻がどこにいたかは明らかになっていない。
 爆弾テロ事件で、これまでに百八十四人が死亡しているが、日本人の死者が確認されたのは初めて。このほか、邦人女性十三人を含む三百人以上が重軽傷を負った。

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バアシル氏が入院 事情聴取は延期か

 東南アジアのイスラム地下組織「イスラム共同体」(ジェマ・イスラミア、JI)の黒幕とされるアブ・バカル・バアシル氏(六四)は十八日午後、中部ジャワ州ソロで記者会見を開いた後、体調が悪化、同市のムハマディア病院に入院した。
 バリ島爆弾テロ事件以降、連日、マスコミへの対応に追われていたバアシル氏の容体について、同病院は「呼吸器官や心臓が弱く、しばらく休養が必要だ」と述べた。同日夜、ダイ・バクティアル国家警察長官は、「警察がソロの実家に迎えに行った」と述べ、十九日に予定されている国家警察の事情聴取を予定通り行う方針を明らかにした。
 この日の記者会見で、バアシル氏は「過ちが証明されれば、罰を受け入れる。しかし、捜査は公平に行われなければならない」と述べた上、事情聴取について、「逃走はしない。今晩、列車に乗り、明朝、ジャカルタに到着する予定だ」と語っていた。
 国家警察のサレ・サアフ報道局長が発表したところによると、警察はバアシル容疑者に対し、過去数年間にインドネシア国内で発生した一連の爆弾テロ事件やメガワティ大統領暗殺計画に関与し、出入国管理法に違反した疑いで容疑者に断定、十七日付の召喚状で、十九日に出頭するよう命じていた。

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バアシル氏召喚 副大統領が容認

 ハムザ副大統領は十八日、バリ島爆弾テロ事件でアブ・バカル・バアシル氏(六四)を召喚するとの国家警察の方針について、「法的措置に則った取り調べを行うべきだ」と語った。イスラム政党「開発統一党」の党首でもあるハムザ副大統領は、これまでバアシル氏とも交流するなど、同氏を擁護する姿勢を示してきたが、この発言は、バアシル氏の取り調べを支持し、事件解明を急ぐべきとの考えを初めて示したもの。
 同副大統領はまた「バアシル氏の拘束は国際社会からの圧力によるものではないか」との記者団の質問に対し、「国家警察は確固とした事実関係を把握しており、外圧で喚問することはない」と語り、「インドネシアに国際テロのネットワークが存在するかどうかは、取り調べによって明らかになるまで、なんとも言えない」と語った。

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ジョクジャ警備強化

 ジョクジャカルタ州警察は十八日、今月七日に解散、マルク州アンボンから撤収した聖戦部隊(ラスカル・ジハード)の約六百人が、本部のある同州に集結する恐れがあるとして、鉄道の駅、主要道路の警備を強化した。

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JJC、外相と会談 テロ対策強化を要請

 ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)は十八日、ハッサン・ウィラユダ外相との懇談会で、インドネシア政府に対し、厳格なテロ対策を取り、邦人をはじめとする外国人実業家の安全を確保するよう要請した。
 JJCの代表十六人が参加。バリ島爆弾テロ事件の後、ジャカルタでも爆弾予告電話が相次ぎ、邦人社会が安全確保に一層、神経をとがらせていることから、テロ行為を未然に防ぐ対策を早急に進めるよう要請した。
 ハッサン外相は、豪州政府が自国人にインドネシアからの退避を勧告していることに触れ、「外務省はジャカルタが危険だという情報は得ていない」と強調、「長年の大切な友人である日本には、支援の継続と冷静な対処をお願いしたい」と呼びかけた。
 懇談会は、外務省が各国投資家と意見交換するため、今年から始まった。

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ルピア安定 株価も上昇

 十八日のジャカルタ外国為替市場で、ルピアの対ドル・レートは一ドル九二〇〇ルピア前半で堅調に推移した。取引開始後、ルピア急落を懸念する実需筋がドルを買いに入ったが、九二五〇ルピアを前に、中銀が介入した模様で、午後四時、一ドル九二〇五ルピアで大方の取引を終えた。
 同日のジャカルタ株式市場の総合株価指数は、前日比五・八〇〇ポイント(一・六三三%)高の三六〇・九〇五ルピアで引けた。
 株価指数はバリ島の爆弾事件後、週明けの十四日には一日で三八・四六六ポイント下落、四年ぶりの安値となる三三七・四七五ルピアを記録した。

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容疑者が自供 比総領事館爆破事件

 北スラウェシ州警察は十七日、同州マナドで十二日に起きたフィリピン総領事館爆弾事件に関与した疑いで、十五日に逮捕した容疑者二人が、犯行を自供したと発表した。
 ウィルソン・ダマニク報道局長によると、同州ミナハサ県タテル村出身のオチェ容疑者(三五)が実行犯で、イドリス容疑者(二七)が爆弾を製造した。二人は十二日午後七時ごろ、フィリピン総領事館に到着。オチェ容疑者が正門付近に、爆弾の入った黒いビニール袋を置いた。数秒後に爆発したのを見届けた後、二人はいったん逃走したが、状況を確認するため、約一時間後に再び現場に戻ったという。

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爆弾テロを警戒 発電所3カ所で

 国営電力会社PLNは十八日、ジャワ島の主要発電所三カ所で爆弾テロが起きる恐れがあるとの情報を国家情報庁(BIN)から受けたと発表、警備体制を強化した。
 PLNによると、テロの危険があるのは、西ジャワ州のスララヤ火力発電所(三千四百メガワット)とサグリン水力発電所(八百九十八メガワット)、ジャカルタ特別州のタンジュンプリオク火力発電所(千三百メガワット)。三発電所はジャワ、バリ両島の消費電力の三分の一を供給しており、停止した場合、ジャワ島の半分に当たる地域が停電するという。

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芸術家も追悼 豪大使館前

 南ジャカルタ・クニンガンにある豪大使館前で十八日夜、インドネシア人画家や舞踊家ら十二人が、バリ島爆弾テロ事件を追悼するパフォーマンスを行った。
 顔を白く塗った舞踊家たちは、バリ風ダンスや詩の朗読で、事件に対する怒りや犠牲者の苦しみ、家族の悲しみなどを表現。その横で、画家三人がキャンバスに向かい、湧き出てくる感情を即興で描き上げた。
 何事かと駆け付けた大使館職員も「こうしたパフォーマンスは大歓迎だ」と感謝の言葉。まとめ役となった画家のハルディさんは「だれからともなく自然に、やろうという話になった。芸術家として、こうした事態に眼を背けることはできない。いかなる理由にせよ、無実の人々を殺すというのは許し難い行為だ」と語った。
豪大使館前で芸術家が追悼パフォーマンスを披露した
豪大使館前で芸術家が追悼パフォーマンスを披露した


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Jiffestを開催 国内最大の映画の祭典
 24日から市内9カ所で

 二十九カ国から約百二十本を集めたインドネシア最大の映画の祭典「ジャカルタ国際映画祭(Jiffest)」が二十四日(木)から十一月三日(日)までの十一日間、プラザスナヤンやタマン・イスマイル・マルズキ(TIM)のスタジオ21、ホテル・インドネシアのバリ・ルーム、ウスマール映画センター(PPHUI)など市内九カ所で開催される。
 四回目となる今年のテーマは「多文化性」。「現代のイスラムを取り巻く問題」では、日本でも話題となったアフガニスタン映画「カンダハル」を上映、そのほかにも「人権」「反汚職」のテーマに沿った世界各国の秀作が一同に会する。
 映画業界が復活を遂げつつあるインドネシアからは故トゥグ・カルヤ監督特集に加え、「エリアナ、エリアナ」「ブンデラ」「マルシナ」など十七本が出展、海外からはカンヌ、サンダンスなど各国の映画祭を賑わした作品が登場する。
 黒沢清の三作品、今村昌平の「赤い橋の下のぬるい水」などを提供する国際交流基金をはじめ、イギリス、ドイツ、フランス、インドなど各国が支援、映画を通じた文化交流の場として、徐々に認知されてきているようだ。
 オープニング作は二〇〇一年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したインドの女流監督ミラ・ナイール氏による「モンスーン・ウェディング」。二十四日午後七時からPPHUIで上映される。
 日本のように単館上映がほとんどないインドネシアで、インディペンデント系作品や芸術性の高い作品を観ることができる数少ない機会として、昨年までは、若者を中心に注目作品には、行列ができるほどの盛況ぶり。今年もすでに一部作品は売り切れとなっている。
 チケットは一枚一万五千ルピア。上映スケジュール、チケット申し込みなどの詳細はhttp://www.jiffest.comまで。問い合わせはジャカルタ国際映画祭事務局(電話8370・8877または8899)で受け付けている。
話題作「ブンデラ」の1シーン
話題作「ブンデラ」の1シーン


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深酒に朝のブブルを この店おすすめ
 中華レストラン「潮州」

 「食在広州(食は広州にあり)」とは、昔、CMで聞いた言葉だが、広東料理の中でも一番うまいのは、実は潮州料理らしい。食にうるさい香港人が、大事な客を招く時には、必ず潮州レストランを選ぶそう。
 潮州は、広東省の沿岸部、汕頭(スワトウ)あたりを指す。潮州語という自前の言語を持ち、食文化も独特で、食材を生かしたさっぱりとした味が特徴。中華の高級食材として有名なフカヒレや燕の巣も、この潮州が発祥の地だ。
 で、今回訪れたのは、二十五年以上の歴史を持つ潮州料理の有名店。足繁く通う日本人も多い。香港人にならい、名古屋からの大事な客人、本麻衣子さんを連れて行った。
 まずは看板メニューのしゃぶしゃぶを頼む。
 ガスボンベとともにうやうやしく運ばれてきた皿(約二人前、牛肉四万ルピア、野菜一万五千ルピア)は、結構なボリューム。牛肉は霜降りというよりも、ほどよく締まった真っ赤な筋肉質な肉だ。湯に入れてさらさらと左右に振っても型くずれしない。一口に頬張ると、しっかりとした歯ごたえがうれしい。
 それにしてもしょう油ベースのタレが濃すぎるんじゃないか、と思ったら、好みでスープ(湯)を入れて薄めるそう。このスープも野菜や魚の干物などでダシを取ってあって、いいあんばい。ネギ、しょうが、にんにくなどの薬味をたっぷり入れていただくのが潮州流だ。締めには、やっぱり麺。平べったい麺に「どえりゃぁコシがあって、きしめんみたいだがね」と本さん。
 メニューは写真付きなので安心して頼めるが、どれも彩りが鮮やかで目移りする。円卓には、カニと玉子の入ったとろとろのホワイトアスパラのスープ(八千ルピア)、ピータンやイカなど冷菜を盛り合わせた、七彩冷盆(四万五千ルピア)、ヒラメの仲間イカン・バワル(五百グラム当たり七万ルピア)が並び、本さんは「うみゃぁ、うみゃぁ」を連発。
 ついでに言うと、ここは朝もお粥を求める人で混み合う。ほどよく白米の形が残るブブル・アヤム(七千ルピア)なぞ、朝陽にてらてら光って、食欲をそそる。これに八角とシナモンが香るスープ、肉骨茶(一万五千ルピア)を頼めば、昨夜の深酒にお釣りがくるほど健康になった気分だ。
 もちろん、迎え酒に冷えたビンタンビール(一万五千ルピア)とつまみにトゥルル・アシン(塩漬け玉子、三千ルピア)を頼んでも、かまわない。

■Jl.ManggaBesarRayaNo.19、電話629・4887。午前7時半−午後2時、午後5時半−午後10時。無休。


「安くて、うみゃあ」と笑顔の本さん
「安くて、うみゃあ」と笑顔の本さん


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日本の格闘技大会に参戦 インドネシア拳法の達人

 インドネシアでもテレビ放映されブームを巻き起こしている日本の総合格闘技大会「プライド」の登竜門的な大会「THEBESTVol3」(二十日・ディファ有明)に、プンチャック・シラットの達人アジ・スシロ選手(二七)が参戦する。
 対戦相手は、ミャンマー出身で、ビルマ拳法「ムエカッチャ」現役チャンピオンのシュエ・ドゥー・ウォン選手。インドネシア対ミャンマーの拳法対決が実現する。
 アジ選手は、中部ジャワ・トゥガル出身。高校時代にボクシングを始め、プンチャック・シラット歴は九年。ブラジリアン柔術のトレーニングを六カ月積んでいる。
 桜庭和志選手の大ファンだというアジ選手は「インドネシアから総合格闘技の国際大会に初参戦できることを誇りに思う。ぜひ桜庭選手に会って、技術指導を受けてみたい」と話す。
 日本向けのニックネームは「ジャカルタの虎」。フェイントを織り交ぜたパンチとキックの素早いコンビネーションで相手を倒し、馬乗りパンチの連打が必勝パターンだ。
 民放TPI主催の「TPIファイティング」で優勝し、夢の「プライド」参戦に一歩近づいた。
 「日本は格闘家が尊敬されているから好きだ」というアジ選手。
 十八日に日本へ出発。当日は、スンダ音楽に合わせて、プンチャック・シラットの舞いを踊りながらリングに入場するという。
 同大会は、TPIで録画放映される予定。

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フットサルアジア選手権開催
 日本、インドネシアなど15カ国

 室内で行われる五人制のミニサッカー「フットサル」のアジアナンバー一を決める「第四回フットサルアジア選手権」(アジアサッカー連盟主催)が二十二日から三十日まで、中央ジャカルタのスナヤン体育館(グロラ・ブンカルノ)で開かれる。
 一九九九年にマレーシアのクアラルンプールで始まったこの大会は、年に一度、アジア各国の持ち回りで行われ、今大会は、日本やインドネシアなど十五カ国が参加。
 二十二日からは、三組の予選リーグに分かれ、上位二チームと三位の成績上位二チームの計八チームが、二十八日からの決勝トーナメントに進む。
 日本は予選C組で、二十三日午後六時四十五分からインドネシア、二十四日午後五時からキルギスタン、二十五日午後七時十五分から中国、二十六日午後五時からクウェートと対戦。順調に予選を突破すれば、二十八日午後五時半からウズベキスタンとの対戦が予想される。
 優勝候補の筆頭は、過去三大会連続優勝のイラン。元Jリーガーなどで構成され、十九日、ジャカルタ入りする日本は、三大会連続で四位。今回は決勝進出を目指す。
 試合のチケット入手法などの詳細は、スナヤン体育館内のフットサル・アジア選手権事務局(電話573・1227)まで。

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フラッシュ・ニュース

■エレベーターが落下、1人死亡

 18日午前6時ごろ、北ジャカルタ・プンジャリンガンのアトマジャヤ葬儀所の3階付近で、上昇していたエレベーターが突然落下、中にいた1人が死亡、2人が負傷した。警察は、エレベーターの点検状況に不備があったものとみて、葬儀所の従業員3人を事情聴取している。(ドゥティックコム)

■グル氏の披露宴会場も厳重警戒

 19日と20日に行われるグル・スカルノプトラ氏(49)とウズベキスタン人ダンサーのグゼノヴァ・サビナさん(23)の結婚披露宴の会場となる南ジャカルタ・シュリウィジャヤ通りの式場付近を、警官や国軍兵士数十人が厳重警戒することが18日、明らかになった。バリ島爆弾テロの影響や、メガワティ大統領ら政財界の大物多数の参加が見込まれるためとみられる。(アンタラ)

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オピニオン&コメンタリー

■スルタンが民族文化の尊重を提言

 改革の時代を迎えたわれわれは、文化や道徳を軽視した結果、民族間や宗教間の紛争を生み、爆弾テロ事件まで起こしてしまった。各々の文化を維持し、尊重し合えば、こうした障害を防げるはずだ−−17日、南スラウェシ州マカッサルで全国14の王家を集め、文化討論会を行ったハメンク・ブオノ10世。(サトゥネット)

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