2002年10月16日(水) 第1180号 主要ニュース全文
国際組織の関与説強まる アルカイダ、JIなど
 政府、国軍が高姿勢へ バリ島爆弾テロ事件
邦人夫妻が行方不明 邦人女性の負傷者10人に
 家族が調査依頼
豪外相がバリ入り アルカイダ関与を主張
危険情報引上げで バリツアーを中止 日本の旅行会社
インドネシア人2人逮捕 北スラウェシ州マナドの
 フィリピン総領事館爆破
国際社会が注視 バアシル氏
株・通貨は反騰
2人を重点聴取 国家警察
非難決議を採択 国連安保理
「観光旅行延期勧告」 バリ・ジャカルタで
爆弾予告電話相次ぐ
「犠牲者に何かをしたい」 バリ島の学生、主婦たち
 ボランティア活動に参加 
世界から問い合わせ 行方不明者の安否
「テロの影響は限定的」 IMFが経済見通し
聖戦部隊が解散 隊員がマルクから引き揚げ
「宗教と関連付けるな」 テロ事件で合同会見
「捜査チーム設置を」 農園投資詐欺の被害者
 ハムザ副大統領に訴え
断食月の爆竹取り締まり 警視庁
アチェ難民3000人がデモ メダン
フラッシュ・ニュース
オピニオン&コメンタリー


国際組織の関与説強まる アルカイダ、JIなど
 政府、国軍が高姿勢へ バリ島爆弾テロ事件

 十二日に起きたバリ島の爆弾テロ事件に、国際テロ組織アルカイダが関与したとの見方が強まっている。ブッシュ米大統領は、アルカイダによる犯行との見解を示し、メガワティ大統領にテロ対策の強化を迫った。こうした国際社会からの圧力を受け、政府はテロ対策法の成立を急ぐ一方、国軍と国家警察は、過激派イスラムの摘発に、高姿勢で臨む方針を固めたと専門家は見ている。
 外電によると、ブッシュ大統領は十四日(現地時間)ホワイトハウスで、バリ島の事件について、イエメン沖のアデン湾で六日発生した仏タンカー爆発、クウェートで八日に起きた米海兵隊への銃撃事件と並べて、「アルカイダの犯行だろう」と述べた。
 ブッシュ大統領は、メガワティ大統領に電話し、テロ対策の強化を求める意向を示すとともに、「テロリストを放置する国は弱体化する。指導者の決意を聞きたい」と語った。
 最も犠牲者の多かった豪州のダウナー外相は十五日バリで、アルカイダと関係が深いとされる東南アジアのテロ組織「イスラム共同体」(ジェマ・イスラミア、JI)による犯行の可能性を指摘した。マトリ国防相も十四日、国内勢力と連携したアルカイダの犯行との見方を示している。
 イスラム共同体の精神的指導者は、中部ジャワ州ソロでイスラム寄宿学校を運営するアブ・バカル・バアシル氏といわれている。米政府は、アルカイダの組織網が東南アジアで勢力を拡大していると警告していた。
 このため、バリ入りした米連邦捜査局(FBI)とオーストラリア連邦警察の捜査陣は、事件の背後にバアシル氏が存在するかについて重点的に捜査しているとみられる。
 一方で、構成員が諜報機関の監視下にあったイスラム共同体の犯行説を疑問視する見方もある。
 国家情報庁のスポークスマンは「現時点では、バアシル氏やイスラム共同体の犯行とは見ていない。国家情報庁は、一年前から国内で国際テロ組織が活動していると指摘していたが、逆に非難された」と語った。
 政府は十四日の閣議で、海外捜査機関との協力や諜報機関の連携強化などのテロ対策や反テロ法の早期成立などを決めた際、スシロ・バンバン・ユドヨノ調整相とハムザ・ハズ副大統領の間で激しいやりとりがあったと伝えられている。
 イスラム政党「開発統一党」の党首でもあるハムザ副大統領は、バアシル氏とも交流するなど、これまで一貫して過激派を擁護する姿勢を示している。

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邦人夫妻が行方不明 邦人女性の負傷者10人に
 家族が調査依頼

 バリ島の爆弾テロ事件の現場に近い、クタのホテルに宿泊していた横浜市在住の鈴木康介さん(三四)、由香さん(三二)夫婦が、事件直後から行方不明になっていることが十五日、分かった。テロ事件に巻き込まれた可能性が高まったため、二人の家族が現地に入り、デンパサールの駐在官事務所に調査を依頼した。
 バリ島を旅行中だった鈴木さん夫妻は、十四日夜の集合時間までに姿を見せず、ホテルに荷物が残ったままとなっている。
 また同日、日本人の女性一人が軽傷を負って病院で治療を受けていたことが新たに判明し、邦人の負傷者は女性十人(シンガポールに移送された斉藤さん姉妹も含む)となった。
 事件現場のクタビーチのレギャン通り周辺には、ロスメン(安宿)が密集しており、パッケージ旅行以外で入島した邦人が事件に巻き込まれた可能性もある。
 百八十一人の遺体を収容した国立サンラ病院によると、十五日夜までに、五十五人の身元を確認した。日本人の死者は確認されていない。
 また、負傷はしなかったもの、事件のショックから部屋から出られない、耳鳴りがするといった精神的な被害を受けた邦人の観光客も多いという。
 爆発現場となった「サリ・クラブ」の向かいにあるレゲエ・クラブ「アパッチ」では、十二日午後十一時からライブが行われ、日本人サーファーらが多数集まっていた。
 

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豪外相がバリ入り アルカイダ関与を主張

 多数の豪州人が犠牲になったバリ島爆弾テロ事件を調査するため、十四日夜にバリ島入りした豪州のダウナー外相とエリソン司法・税関担当相は、十五日、レギャン通りの事件現場を視察、犠牲者への献花を行った
 二人はデワ・ベラサ・バリ州知事、ブディ・ズトヤワン同州警察署長、バリ訪問中のアミン・ライス国民協議会議長らと会談、事件に巻き込まれた負傷者の豪州での治療、テロ対策に関する支援を提案した。十六日には、今後の捜査活動などについてインドネシア政府と警察関係者と協議を行う。
 バリ島の爆弾テロ事件について、ダウナー外相は、東南アジアで活動する国際テロ組織アルカイダと連携するイスラム共同体(ジェマ・イスラミア、JI)の関与を指摘、インドネシア政府に精神的指導者とされるソロ在住のアブ・バカル・バアシル氏にも言及したとみられる。

■JIをテロ組織リストに

 シドニーからの報道によると、ハワード豪首相は十五日、イスラム共同体(ジェマ・イスラミア、JI)を、国連のテロ組織リストに加えるよう働きかける方針を明らかにした。
 豪州政府は十四日、バリ島爆弾テロ事件を受け、国家治安委員会を開き、?国内の対テロ立法の促進?警察・軍の要員増強┃を優先課題的に取り組むことを決定した。
 また、アジア全域の在外公館の警備を強化するとともに、バリ島から豪州への臨時便を増発し、負傷者や観光客の帰還を急いでいる。
 豪州政府は、これまでに豪州人二十人の死亡を確認、約百十三人が負傷したと発表した。豪州人の現地滞在者百六十人の所在が、まだ確認できておらず、ダウナー外相によると、死亡者はさらに増加する見込み。

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危険情報引上げで バリツアーを中止 日本の旅行会社

 テロ事件後初めての営業日を迎えた日本の旅行会社各社は十五日、外務省がバリ島の危険情報を引き上げたことを受け、バリ島へのパッケージ旅行を当分見合わせるなど、対応に追われた。
 旅行会社大手のJTB(東京都品川区)は、十五日から二十一日までの一週間、同社主催のバリ島旅行を中止した。外務省の危険情報が、これまでより一ランク引き上げられ、「渡航の是非を検討して下さい」になったことに対応するためだ。今後のパック旅行再開については、十八日に決定する。
 同社では、十五日だけで百十人の旅行客がバリ島を訪れる予定だった。一週間で七−八百人に影響が出ると見積もっている。この間のキャンセル料は発生しない。
 このほか、日本旅行(東京都港区)も二十一日までのバリ島のパック旅行を中止。渡航先を変更したり、旅行を延期するなど、数百人に影響が出ている。

■近畿ツーリストは実施

 一方、近畿日本ツーリスト(東京都千代田区)やHIS(東京都渋谷区)など、通常通り、パック旅行を実施する旅行会社もある。
 近畿日本ツーリストは「お客さまに事件の情報を詳しく説明し、意志を確認した上で、パック旅行を行っている。これまでのところキャンセルは一件もない」と語る。HISでも、テロ事件後も、毎日、百人前後がバリ島を訪れているという。
 しかし、日本人に人気のリゾート地がテロの標的にされたことで、海外旅行自体を自粛する動きが加速し、日本の旅行業界全体が打撃を受けるのは必至、との見方が大勢だ。
 バリ島旅行が売り上げの七割を占めるという東南アジア専門の旅行会社「バリ王」(東京都千代田区)は、「昨年九月の米テロ事件以降、順調に回復していただけに残念だ。優しいバリの人たちのことも心配」と声を曇らせた。

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インドネシア人2人逮捕 北スラウェシ州マナドの
 フィリピン総領事館爆破

 国家警察のサレ・サアフ報道局長は十五日、バリの爆弾テロと同じ十二日に起きた北スラウェシ州マナドのフィリピン総領事館爆弾事件の容疑者として、マナド出身のインドネシア人Y・H(二一)とU・I(二七)の二人を逮捕したと発表した。
 サアフ報道局長によると、現場検証で採取した服の一部や髪の毛が、二人の容疑者のものと一致。さらに二人の自宅を家宅捜査した結果、爆弾の材料に使用されたものと同種の鉄板を押収したため、逮捕に踏み切った。
 サアフ局長は「事件の背景は明らかになっていない。しかし、押収物から実行犯はインドネシア人五人と断定した。残る三人の容疑者の氏名も判明しており、早急に逮捕したい」と語った。
 また、北スラウェシ州警察のルバン本部長は「マナドの爆弾事件は、インドネシア人グループだけで行われた可能性が強く、国際テロ組織との関連性は薄い」と述べ、国際テロ組織の犯行が指摘されるバリ島爆弾テロとの関連性は低いとの見解を示した。

■フィリピン大使が激励

 駐インドネシア・フィリピン大使館のラファエル・セグイス大使は十四日、マナド市庁を訪れ、ウェンペ・フレデリック・マナド市長と会談、警察の迅速な捜査に謝意を表明するとともに、事件の全容解明に向け、捜査協力を行う用意があることを明らかにした。

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国際社会が注視 バアシル氏

 バリ島爆弾テロ事件で、イスラム国家の建設を目指す東南アジアの組織「イスラム共同体」(ジェマ・イスラミア、JI)の存在がクローズアップされている。その精神的指導者とみられているのが、中部ジャワ州ソロを拠点とするムジャヒディン評議会の議長、アブ・バカル・バアシル氏(六四)だ。
 バアシル氏は、一九七〇年代にスハルト政権下で危険分子と見なされ投獄された。マレーシアに十三年間逃亡していた際、東南アジアのイスラム過激派と交流を深め、JIの組織基盤を築いたとされる。
 また、八〇年代にアフガニスタンでの対ソ戦争に参加した際、現在のアルカイダにつながる原理主義者ともつながりを持ったといわれる。
 インドネシアの治安当局は今年はじめ、バアシル氏を事情聴取したが、「テロに関与した証拠がない」として、逮捕には踏み切っていない。同氏は、今回の事件について、「米国の自作自演」と述べ、関与を否定している。

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株・通貨は反騰

 前日に四年ぶりの安値を記録したジャカルタ株式市場の総合株価指数は十五日、前日のパニック売りも収まったことから反騰した。
 午前中には観光業界関連を中心に売りが続き、三二五ルピアを割ったが、午後になり、安値感が広がったことから買い注文が急増、前日比プラス四・七二九ルピア(プラス一・四〇一%)の三四二・二〇四ルピアで引けた。
 前日に一ドル九三〇〇ルピア台を記録した通貨も十五日、対ドルで上昇を記録、午後四時、一ドル九二七〇ルピアで大方の取引を終えた。

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2人を重点聴取 国家警察

 バリ島の爆弾テロ事件で、国家警察のダイ・バクティアル長官は十五日、「二十七人から事情聴取を行い、うちインドネシア人二人を重点的に調べている」と語った。バリのモスクで宗教講話を行っていた、パキスタン人十人からも事情を聞いたという。
 犯行には、爆発力の強い外国製のC4爆弾が使われた。また、現場周辺で発見された住民登録証(KTP)の所有者のインドネシア人「M・S」が事件後、行方不明になっており、キジャンを運転していた疑いがあると見て、関心を寄せているという。
 米連邦捜査局(FBI)とオーストラリア連邦警察は現地に捜査員を派遣、爆発の規模などから国際的なテロ組織の犯行と見て、捜査している。

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非難決議を採択 国連安保理

 国連安保理は、特別会合を開催し、バリ島で発生した爆弾テロを非難する決議を全会一致で採択した。 
 安保理決議は「テロ攻撃の実行犯、組織者、資金提供者」を裁くため、インドネシアに協力するよう各国に呼びかけている。

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「観光旅行延期勧告」 バリ・ジャカルタで

 多数の死傷者が出たバリ島テロ事件を受け、日本の外務省は十四日、バリ島の危険情報を、これまでの「十分注意してください」(注意喚起)から、「渡航の是非を検討してください」(観光旅行延期勧告)に、一ランク引き上げた。また、十五日にはジャカルタのほか、インドネシア全域にも同勧告が出された。 
 外務省は、特に、米国の関連施設や独立記念塔、ショッピング・モールなど、大勢の人の集まる場所には、できるだけ近づかないように呼びかけている。

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爆弾予告電話相次ぐ

 十五日午後一時ごろ、中央ジャカルタ・スディルマン通りの、米国のチェースマンハッタン銀行がある「チェースプラザ」二十四階にある生命保険会社「セウ・ニューヨーク・ライフ」に、男の声で「チェースプラザ二階に爆弾を仕掛けた」との脅迫電話があった。
 警察の爆弾処理班が駆け付け、同プラザ内を捜索したが、爆発物は見つからなかった。警察では悪質ないたずらとみている。
 十四日には、バンドンの中心街にある西ジャワ州銀行本社ビル(九階建て)にも爆弾予告電話があったが、爆発物は見つからなかった。

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「犠牲者に何かをしたい」 バリ島の学生、主婦たち
 ボランティア活動に参加 

 爆弾テロの犠牲者を収容したデンパサールの州立サンラ病院のすぐ前に、国立ウダヤナ大学がある。文学部の学生たちが、「バリ人道支援ボランティア」の事務所をキャンパス内に設置した。各地から送られてくる救援物資や医療品を、ここで一括して受け取り、病院へ届ける活動を行っている。
 遺体移送用の袋、ゴム手袋、マスクなどが到着し、数をチェックした後、次々と病院へ運ぶ。バリに住んでいる外国人の婦人団体「バリ国際女性協会」も、この活動に参加し、事件以来、四日間、徹夜の診療を続ける病院を、側面的に支援している。
 インドネシア観光ガイド連盟は、日本語など十三カ国の外国語を話せるガイドを、ホテルや空港などデンパサールの要所に配置した。二十四時間体制で待機し、交代で外国人の質問に答えている。 
 サンラ病院の解剖室には百八十体の遺体が運び込まれた。丸焦げになった遺体が並ぶ解剖室の周りで、国立クタ第一高校の生徒と父兄会が、備品などを運ぶ作業を手伝っていた。
 同高一年のソニー・スルヤ・ウィジャヤ君(一六)は「何か役に立てることができれば、と思って病院に駆けつけました」と語り、次々と運び出される遺体の運搬を手伝っていた。
 どこの国へ移送するのか不明だが、遺体を国外へ運び出すための航空コンテナ三台が、病院に到着すると、待機していたバリ無線協会のメンバーが駆け寄り、欧米人のボランティアとともに棺を担ぎ出す姿も見られた。
 バリ島の学生、主婦、事業家、外国人の滞在者たちが、爆弾テロの被害者を助けるさまざまのボランティア活動を始めた。負傷者の移動、医療品の運搬、医療活動のアシスタント、遺体の検視作業の手伝い、病院の窓口サービス、外国人家族への通訳、情報提供などの支援。観光客へのサービスに徹してきたバリの人たちが、事件のショックを振り切るようにして働いている。 
袋詰めの遺体の傷みを防ぐため、氷を載せるボランティア
袋詰めの遺体の傷みを防ぐため、氷を載せるボランティア


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世界から問い合わせ 行方不明者の安否

 「息子の名前が、ないだろうか」「友だちから連絡がない」−デンパサールの州立サンラ病院に特設されたEメールに、欧米各国や豪州など世界各地から問い合わせが殺到している。行方不明者の身体の特徴や連絡先が書かれたものがほとんどだ。
 その文面から、家族や友人が心配する姿が、ありありと浮んでくる。病院に集まった欧米系のボランティアたちが、この情報を掲示板に次々と張り出す。行方不明者の写真を拡大し、クタビーチの観光客に配る人もいた。
 病院の解剖室に並べられた遺体の身元確認の作業が遅れ、友人や家族の心労は極限に達している。爆風で吹き飛ばされ、強い火力による損傷で、遺体の確認作業は困難を極め、むなしい時間が過ぎて行く。
 同じような光景は、昨年九月のニューヨークのテロ事件の際にも見られた。不特定多数を狙った爆弾テロへの怒りと、悲しみは、事件から三日を経て、ますます深まっている。

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「テロの影響は限定的」 IMFが経済見通し

 国際通貨基金(IMF)のケネス・ロゴフ・チーフエコノミストは十五日、バリ島で起こった爆弾テロ事件について、「来年のアジア地域に与える経済的な影響は、限定的だというのが最もあり得るシナリオだ。しかしながら、見通しは治安状況の進展、どんな対策を打ち出すか、そして特に、ビジネスや消費者の信頼回復の状況に左右されるだろう」との見方を示した。
 ロゴフ氏は、テロに備えた保険料や治安確保のための費用上昇について、「世界経済における『テロ税』という概念が生まれつつある」と指摘、テロによって、少なくとも生産性や技術革新のスピードは鈍化することになると分析した。また「世界経済が微妙な状態にある時期に起こり、経済状況の下落リスクが非常に大きいことを勘案すると、平静を保つというのがまず大事な対策と言えるだろう」と述べ、悲観的な経済見通しを不必要に騒ぎ立てる必要はないとの意見を示した。

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聖戦部隊が解散 隊員がマルクから引き揚げ

 急進派イスラム組織、聖戦部隊(ラスカル・ジハード)のジャマル南スラウェシ支部長は十五日、同部隊は、先週末に解散したことを明らかにした。オンラインのドゥティックコムが伝えた。
 ジャマル支部長は、「ジャファル・ウマル・タリブ司令官の命令で解散が決定した。解散の理由は、財政的な問題で、組織として機能することができなくなったと聞いている」と語った。
 聖戦部隊は、バリ島の爆弾テロ事件が起きた十二日以降、活動を休止する動きを強めており、マルク州アンボンのラジオ局「スアラ・プルジュアンガン・モスリム・マルク」は十四日、「マルクでの聖戦は終了したため、同州内での活動を停止する」と語ったジャファル・ウマル・タリブ司令官の演説を放送した。
 これを受けて十五日、「聖戦」と称してマルク州内で活動していた多数の隊員とその家族約七百人が、ヨス・スダルソ港から船に乗り、アンボンを後にした。
 イスラム衣装に身を包み、ジャカルタやジョクジャカルタの路上で、マルクと中部スラウェシ州ポソでの聖戦用の募金活動を行っていた隊員たちも十五日、姿を消した。
 また、十二日には、聖戦部隊のホームページが閉鎖され、緑色の壁紙に「ラスカル・ジハード・オンラインを一時閉鎖します」と表示されるだけとなっていた。

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「宗教と関連付けるな」 テロ事件で合同会見

 国内最大のイスラム団体「ナフダトゥール・ウラマ」(NU)のハシム・ムザディ議長やカトリック、ヒンドゥーなど各宗教の指導者は十四日、合同で記者会見し、バリ爆弾テロ事件を特定の宗教と関連付けないよう求めた。ハシム議長は「テロは人道にもとる行為であり、いかなる宗教であれ容認していない。事件を宗教に結びつければ、国民同士が疑心暗鬼になる」と語った。

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「捜査チーム設置を」 農園投資詐欺の被害者
 ハムザ副大統領に訴え

 高配当をうたい文句に農園投資を呼びかけた、東ジャワ州スカブミにあるクルニア・スブル・アラム・ラヤ社の詐欺事件で、被害者代表が十五日、ハムザ副大統領と面会、中銀や金融開発監査院も含めた特別捜査チームを設置するよう提案した。
 事件の捜査が進まないことに業を煮やした被害者が弁護士とともに副大統領を訪れたもので、副大統領は特別捜査チームの設置に同意した。
 ハムザ副大統領が党首を務める開発統一党(PPP)の幹部、トサリ・ウィジャヤ国会副議長が、党と党の協同組合名義で総額六十五億ルピアを投資していたことや、副大統領自身が農園を視察したことがあるため、党自身が農園ビジネスに関与していたとの疑いも持たれている
 事件では約六千人以上が、総額五千億ルピア以上の投資を行ったとされている。

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断食月の爆竹取り締まり 警視庁

 ジャカルタ警視庁のアントン・バフルル・アラム報道局長は十五日、来月初旬から始まる約一カ月間のイスラム教の断食月中、首都圏において、爆竹を含む爆発物や銃刀類の不法所持取り締まりを強化する方針を示した。同報道局長は「断食月が騒がしくなることは望んでいない」と述べた。
 爆竹については、所持者だけでなく製造、販売者に対しても、昨年より取り締まりを強化する方針だという。

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アチェ難民3000人がデモ メダン

 北スマトラ州メダンの州知事庁舎前で十四日、今年八月にバクティアル・チャムサ社会相が約束したアチェ避難民一家族当たり八百七十五万ルピアの援助金が支払われていないとして、同州に居住するアチェからの避難民約三千人がデモを行った。
 メダン市内の独立広場で一夜明かしたデモ隊は、約一キロ離れた州知事庁舎までデモ行進。二十六人がハンストを行ったほか、女性たちは鍋やコンロといった調理道具を叩いて、援助金の早急な支払いを訴えた。
 同州のアチェ避難民らは、今年八月に行ったデモで治安部隊と衝突し、四人が負傷。同社会相が、代表と協議し、援助金供出を約束していた。

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フラッシュ・ニュース

■住民に矢を放たれた英国人死亡

 東カリマンタン州クルタヌガラ県で13日、帰宅途中の英国人マークスさん(44)とジョン・ロバートさん(52)に矢が刺さり、マークスさんが死亡、ロバートさんも軽傷を負った。警察は14日、矢を放った地元住民のアリス容疑者(25)を逮捕、矢を放った動機について事情聴取している。(スアラ・プンバルアン)

■パプア州のエイズ被害が拡大

 「エイズ撲滅運動」のグナワン・インコクスモ代表は15日、パプア州のエイズ患者が1,144人となったことを受け、同州の住民に対し、夫婦間以外の性交渉の自粛、コンドームの着用といった十分なエイズ対策を行うよう警告した。同代表によると、同州で住民10万人中のエイズ患者が最も多いのが、メラウケの93人。以下、ティミカの40人、ジャヤプラの30人と続いている。(アンタラ)

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オピニオン&コメンタリー

■金メダリストも事件の影響を懸念

 アジア大会開催中、各国の選手にバリの様子をたずねられた際、バリは安全だといつも答えていた。バリの魅力をアピールしようと選手たちにバリで12月に大会を催すことも計画し、選手25人の参加を取り付けた。爆弾テロがあっても、選手たちはバリを訪れてきてくれるだろうか−−釜山アジア大会のウインドサーフィン・ミストラル重量級で優勝した、バリ出身のイ・グスティ・マデ・オカ選手(31)(コンパス)

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