テロ対策8項目を決定 大統領が緊急閣議
海外機関と捜査協力
メガワティ大統領は十四日午前十時、緊急閣議を招集、約四時間半にわたってバリの爆弾テロ事件の対応を協議し、八項目にわたるテロ対策を決めた。閣議後の記者会見で、スシロ・バンバン・ユドヨノ政治・治安担当調整相は「政府はためらわず、厳しい対策をとる。声明を出すだけでなく、取るべき具体的な対策を実行していく」と述べ、国際社会から「対策が甘い」と批判されてきた政府の姿勢を反省し、米国などの捜査機関とも協力、徹底したテロ対策に着手する方針を明らかにした。
ユドヨノ調整相が明らかにした八項目は、(1)テロ捜査の技術、情報の面で国際的な協力を得る(2)国会との協力体制を強化する(3)国民全体でテロ対策に取り組む(4)国軍が警察と連携し治安維持に当たる(5)国際貨物の流入をチェックする(6)LNGなどエネルギー施設の警備を強化する−など。
「具体策」についての説明はなかったが、同調整相は「インドネシアにテロリストはいない、といった客観的でない発言はやめるべきだ」と述べ、テロに対する一部閣僚や国会議員の批判に対抗していく姿勢を示した。
シンガポールのリー・クアン・ユー上級相などから「生ぬるい」と批判されてきたテロ対策について、ユドヨノ調整相は「他国と比べて集中的でなかった」と自己批判。国際的なネットワークを持つテロには、国際協力が欠かせないとの立場を明確にした。
「捜査協力はインドネシア警察が主導権を持つ」としながらも、これまで外国の内政干渉を嫌ってきた治安当局が、米国や豪州の支援も得て、国際的な捜査協力を進める意向を示した。
ページのトップに戻る米国務省が退避勧告 インドネシア滞在の市民に
大使館の閉鎖も検討
バリ島の爆弾テロ事件で多数の外国人が死傷したことを受け、米国務省は十三日、「米国民へのテロの脅威が高まった」として、インドネシア国内に滞在するすべての米国市民に国外退避するよう勧告する「旅行警戒」情報を出した。
大使館など米政府機関で勤務する政府職員のうち、緊急事態のために必要な要員を除く、職員とその家族にも、国外退避を求めている。
また、インドネシアへの旅行を延期するよう警告。インドネシア国内に留まる米国市民は、最大の注意を払い、集会、デモに近寄らず、控えめな行動をとるよう呼びかけた。
ジャカルタの米国大使館は、安全上の理由から、大使館の業務を停止することを検討しているとしている。
ページのトップに戻る爆弾テロの影響で 株価4年ぶりの安値
通貨は1ドル9300ルピア台へ
バリの爆弾テロ事件を受け、インドネシアの金融市場は十四日、株式、通貨ともに大幅下落を記録、ジャカルタ総合株価指数は四年ぶりの安値を記録した。
ジャカルタ株式市場は、朝の取引開始直後から外資系証券会社を中心に売り注文が殺到。五分間で二六ポイント以上の大幅下落を記録した。その後も下落を続け、前営業日比で一〇%以上のマイナス(三八・九九一ルピア)となる三三七・四七五ルピアで引けた。
ジャカルタ外国為替市場は十四日、通貨ルピアは一ドル九〇〇〇ルピア台で取引を開始した。中銀がルピア防衛のドル売り介入を行ったが効果は限定的で、約五カ月ぶりの安値となる九三〇〇ルピア台を記録した。その後も下落し続け、午後四時、一ドル九三四五ルピアで大方の取引を終えた。
ページのトップに戻る「9・11以上の影響」 「人の安全も守れず」
日本貿易振興会(ジェトロ)ジャカルタセンターの村上博之副所長は、今回の事件が経済に与える影響について「九・一一事件後と同様に、米国の消費減退を背景に、繊維や靴製品の輸出が減少するだろう。さらに観光地のバリが標的になったことで、観光業への影響が加わる。また、治安に対するイメージも大きく悪化し、前回よりも大きな影響が出るのでは」と分析した。
また、米商工会議所では「投資だけでなく、外国人を守ることもできない」との非難の声が上がっているという。出張でジャカルタに来ている欧米人の間でも、予定を切り上げて帰国するケースが報告されており、外国人を保護するための具体的な対策が実施されない限り、今後の外国直接投資にも影響が出るとの懸念を示した。
一方、インドネシア製靴業者協会事務局長を務める経営者協会(APINDO)のジマント副会長は「靴、繊維業界においては、これまでに入っている輸出契約をキャンセルするという動きは出ていない。観光に携わる旅行代理店、航空会社、民族工芸品屋などは直接的な影響を受けるだろうが、それ以外では問題はそれほど大きくならないと思っている」との楽観的な見通しを示した。
ページのトップに戻る目撃者から事情聴取 米、豪の捜査官が到着 国家警察
バリ島の爆弾テロ事件を捜査している国家警察は、事件当時、レギャン通りにいた住民や、入院中の負傷者から、爆弾が仕掛けられていた車の動きや、不審者を目撃したかどうかについての情報収集を開始した。
国家警察によると、十四日までに、現場付近にいたインドネシア人ら十数人を証人として事情を聞いている。
これまでの調べで、十二日夜の爆発は、二回あり、証言によると一回目の爆発は小さく、その時は犠牲者は出なかったが、二回目の大型爆弾の爆発で多数の犠牲者が出たことがわかった。
また、犯行に使用された爆弾について、警察庁の幹部は、二年前にジャカルタのフィリピン大使の公邸前で起きた爆破事件に使用されたC4爆弾と同じ種類だった可能性があると述べた。C4爆弾は、国内では製造されていないという。
バリ警察によると、今回の事件で最多の犠牲者を出した豪州連邦警察(AFP)の捜査官と、九・一一事件の捜査を担当している米連邦捜査局(FBI)の捜査官が、それぞれバリ島入りし、国家警察と情報交換を開始した。
ページのトップに戻る大使館警備を強化 豪州大使館には半旗 ジャカルタ
バリ州クタで発生した爆弾テロ事件を受け、ダイ・バクティアル国家警察長官は十四日、「各国大使館の安全を保障する」と語り、米国、豪州、イギリスなどの欧米諸国の大使館を中心に警官を十人から二十人増員して、警備に当たることを明らかにした。
自国人に退避勧告を行い、外交官とその家族の一時帰国を検討している中央ジャカルタの米国大使館は、コロンブス記念日で休館日のため、訪問客はほとんどなかったが、銃を持った警官十数人が警備に当たった。
死亡者十四人、負傷者百十人の身元を確認した南ジャカルタの豪州大使館は、通常通りの業務を行ったが、警備員十三人と警官十人が、訪問客の手荷物や出入りする車を厳重に検査。午後零時すぎには、マクブル・パドマヌガラ警視総監が警備状況を視察した。
また、同大使館は、犠牲者への哀悼を表すために半旗を掲げた。
通用門前は、ニュースを聞いて駆けつけたインドネシア人らによって供えられた献花が並べられ、「友好と人道のゾーン」と書かれた紙とともに数十本の一輪の花が塀一面にくくりつけられた。
タムリン通りの日本大使館の業務、警備体制は通常通りだった。
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ジャカルタの豪大使館前に掲げられた半旗
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ページのトップに戻るアナン事務総長 非難声明を発表
国連のコフィ・アナン事務総長は十四日、バリ島爆弾テロ事件について、「このような市民に対する無差別テロのすべてを厳しく非難する」と述べ、各国にテロ撲滅に向けた協調を呼びかける声明を出した。
ブッシュ米大統領をはじめ欧州やアジアなど世界各国の首脳が、非難声明を発表しており、事件は国際社会からも強い関心を集めている。
ページのトップに戻る修学旅行を中止 JJS
ジャカルタ日本人学校(青鹿輝雄校長、児童生徒数八百十人、JJS)は十四日、バリ島での爆弾テロ事件を受け、二十九日から四日間の日程で予定していた中学部二年生(五十六人)のバリ島への修学旅行を中止することを決定した。今後、日程と行き先を変更して、修学旅行を行う予定。小学部六年生(八十一人)の修学旅行(バンドン、十六日−十八日)は予定通り。
青鹿輝雄校長は「生徒たちの安全を第一に考えてバリへの旅行を中止した。小学部の旅行は、安全に十分注意した上で行う」と語った。
JJSでは、テロ事件を受け、学校の警備をこれまで以上に強化、子どもたちにも十分注意するよう呼びかけているという。
ページのトップに戻る重傷の斉藤さん姉妹 シンガポールへ移送
重度のやけどを負い、デンパサールの病院に入院していた斉藤綾乃さん(三〇)と妹のカホ・ブラウンさん(二八)=いずれも神奈川県横須賀市=の二人は、十四日午前五時、シンガポールの病院で治療を受けるため、飛行機でシンガポールに移送された。
一方、日本人女性二人が軽傷を負っていたことが新たに判明し、邦人の負傷者は計九人(斉藤さん姉妹も含む)となった。負傷者はいずれも女性
国立サンラ病院の発表によると、十四日夕までに百八十一体の遺体を収容、このうち身元確認ができているのは三十九人。日本人の死亡者は、十四日夜の時点で、確認されていない。
ページのトップに戻る投資家招き緊急会合 経済担当調整相
バリ島で起こった爆弾テロ事件がインドネシア経済に悪影響を与えるとの懸念を受け、ドロジャトゥン・クンチョロジャクティ経済担当調整相は十四日、国内外の投資家や各国商工会議所の代表など約六十人を招き、緊急会合を開催した。
ドロジャトゥン調整相は、今回のテロ事件の状況について説明、「インドネシア政府はテロに対し、強い姿勢を取っていく」と述べた。
今後の対応について「現行の法律の中で取れ得る措置を取る」と述べ、武器の不法所持などを厳しく取り締まるとともに、反テロ法案の法制化を進めていく方針を示したが、具体的な投資家の保護対策については触れられなかった。
ページのトップに戻るテロ対策を支援 小泉首相
小泉首相は十四日、バリ島爆弾テロ事件について、メガワティ大統領に「多数の死傷者が出たことに対し、心からの哀悼の意を表する。今回のテロ事件は、極めて卑劣で許し難いものであり、強く非難する」とのメッセージを伝えた。また、インドネシアのテロ撲滅への取り組みをできる限り支援する意向を示した。
ページのトップに戻るマトリ国防相が アルカイダ関与説
マトリ国防相は十四日、バリ島での爆弾テロ事件について、テロ組織アルカイダが犯行に関与したとの見方を示した。
マトリ国防相は「事件は、プロの犯行だ。アルカイダのネットワークは国内にも存在する」と述べ、アルカイダが国内の組織と連携し、爆弾テロを仕掛けたと指摘した。
政府閣僚が、国内組織とアルカイダの関連について明確に言及したのは初めて。
バリ島事件は、国際テロだったとの見方が強まっている。
ページのトップに戻る「慎重な発言を」 経済調整担当相
ドロジャトゥン・クンチョロジャクティ経済担当調整相は十三日、評論家や学者、マスメディアに対し、実業界や投資家を失望させるような、悲観的な発言や報道を控えるよう呼びかけた。
二〇〇二年上半期の外国直接投資額(承認ベース)は前年同期比マイナス四一・五%の二十五億二千五十万ドルを記録、世界経済の減速や昨年の米攻撃テロ事件の影響に加え、国内経済における経済改革が依然、問題を残していることから、インドネシア向けの直接投資は低迷している。
そこへ降って湧いたテロ事件。これ以上の悲観材料を、実業家や投資家に与えるなというお達しだ。
ページのトップに戻るバドミントン男子単で金 金4、銀7、銅12を獲得
釜山アジア大会終幕
釜山アジア大会最終日の十四日、当地の江西体育館でバドミントン男子団体決勝が行われ、タウフィック・ヒダヤット選手が韓国のリー・ヒュンイル選手を十五対七、十五対九で破り優勝、九日に行われた同種目の男子団体決勝で、不可解な判定で破れた屈辱をはらし、インドネシアに四個目の金メダルをもたらした。
試合後の記者会見で、タウフィック選手はバリ州クタで発生した爆弾事件に触れ、「この勝利は事件の犠牲者たちに捧げたい」と語った。タウフィック選手には、インドネシア・オリンピック委員会から勝利ボーナス二億五千万ルピアが贈られる。
この結果、インドネシアは金四、銀七、銅十二を獲得。国別のメダル数で第十四位、東南アジア諸国の中でもシンガポールに次いで第四位になるなど、不振に終わった。
日本は、金四十四、銀七十三、銅七十二を獲得。中国の三百八、韓国の二百六十に次いで三位だった。
ページのトップに戻るなぜ、バリなの? なぜ、貧しい観光の村なの?
レギャン通りの近くで、日本食「桜レストラン」を経営する木村千佐子さん(四六)は十四日、店を再開した。十三日は「気力がなくなって、一日、ぼう然としていた」という。
「一体、どうなるんだろう、これから」。
テロが信じられない。地元の人の間でも「サリ・クラブだけが流行っていたから。テロに見せかけたねたみ」説が、流布している。
「なぜバリなの? なぜハワイじゃないの? なぜ、貧しい観光だけの、小さな村なんですか」
バリ人と結婚。バリに骨を埋める覚悟で来て、昨年、国籍も変えた。「ここが好きで、ずっとここでがんばるつもりでいた。でも食べて行けなくなったら・・・」
■バリは打たれ強い
木村さんは、一方で、バリ人の「打たれ強さ」を指摘する。コレラ騒ぎ、ルピア暴落、暴動と、毎年のようにバリで何かが起きて、「またがんばろう」とやってきた。「これでまた、バリは一からやっていく」と自分を納得させるように語った。
「でも、バリが好きな人は、これからも来てくれると思うから」。
取材中、常連の浜松のお客さんから電話が入った。「また来ますよー、大丈夫だよ、と言ってくれました」と笑顔になった。
■ジャカルタの人を歓迎
クタ発祥のレストラン「福太朗」を経営する秋山よね子さん(五二)は、レギャン通りの通行止めで客もいない同通りのレストランで、「ここは観光だけの島。困ったものです」と深刻な顔つきだった。
米攻撃テロのときは、観光客数がだんだん減っていって、昨年十一月が最悪だった。十二月、海外旅行を取りやめて国内でラマダン休暇を過ごすジャカルタやスラバヤの在住者が多く、「あれで息をつないだ」。その後、順調に回復していた矢先に起きた事件だった。
「日本人はバリ好きの人が多いから、しばらく様子見をするかもしれないが、バリの観光人気が廃れることはない」と期待する。
「様子見の期間が半年になるか、一年になるか。ジャカルタでは、いろいろ起きているでしょ。何事にも動じない、ジャカルタの人に来てもらうしかないですね」と笑った。
■リラックスできるが
愛媛県出身の乗松正信さん(四二)は、旅行とインターネットの店を開く予定で、バリの特色などを調査中だ。爆弾事件が「もう一度あると、立ち直れないだろう」と言う。
これまでに観光客相手に行ったアンケートでは、バリの物価の割高感が強いことが分かった。
「たしかに食事代は安いし、ロスメンもあるが、実際に観光して活動しようとすると、それなりの金額が要求される。豪州やシンガポールより、物価が高いものがたくさんある」
「リラックスできる観光地としては成功している。長期的には、物価の是正、質の向上、(人気のウブドに代わる)ポスト・ウブドの開拓が、今後の課題」と語った。
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店を再開、さっそく、たこ焼きを売り出す木村さん
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閉まったままの店も多かった
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爆発で壊れ、かたづけられたガラスの山
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ページのトップに戻るバリのホテル、旅行会社 キャンセル相次ぐ
「半年で回復」の声も
クタで起きた爆弾テロ事件から三日目の十四日、バリのホテルや旅行会社にキャンセルや旅行の延期の連絡が入り、早くも事件の影響が出始めた。昨年九月十一日の米攻撃テロ事件の影響から、ようやく回復の兆しを見せていた矢先だっただけに、ホテル、旅行会社、航空会社など、観光業界の衝撃は大きい。関係者の間には、楽観論もある一方で、失望や徒労感も広がっている。
「昨年九月のニューヨークのテロで、バリ島の観光は大きな打撃を受けた。一年間、必死でがんばって、ようやく観光客が戻ってきたばかり。この先、どうなるのかと思うと、力が抜けてしまう」(大手ホテルの日本人マネジャー)。
十四日、バリ島のホテルや旅行会社は、相次ぐキャンセルや治安情報についての電話やメールへの対応に追われた。
「明日、そちらに行くが、危険はないか」「キャンセル料は取られるのか」。
ある旅行会社では、この日だけで、日本から三十件ほどの電話があった。十一月までの予約客のうち、約一割がキャンセルを申し入れてきたという。半分近く、キャンセルが出た大手ホテルもある。
日本人の宿泊客が圧倒的に多いヌサ・ドゥア地区の大手ホテルは、ホテルの入り口でセキュリティー・チェックを強化し、宿泊客以外の出入りを禁止した。
旅行会社も団体旅行の客に対し、「お知らせ」を配り、レギャン通りで起きた爆弾事件の関連情報や注意事項を伝えている。
クロボカン地区にあるバリ・ツアーズは、ホテルの顧客係にファクスを流し、客の安否を確認する作業を続けている。
旅行日程の変更はほとんどないものの、ツアー客の中には、「ホテルから出たくない」という人もいる。しかし、島内のツアーは、テロのあったクタ方面ではなく、バリ島北部のウブドやキンタマニ方面が多く、大きな混乱は起きていない。
社員旅行で初めてバリを訪れたという梅村俊秋さん(二七)=滋賀県出身=は「町に出ても何ともないので、特に不安はない」と語る。
クタ以外の地区では、クタから流れてくる観光客で逆に普段よりも忙しいという所もある。
ヌサドゥア地区でエステを開業している日本人オーナーは「レギャンのエステがどこも営業できない状態なので、うちは普段よりも予約が多くなっている。事件現場近くにいたというお客さんもいて、みなショックを受けていた。エステで少しでもリラックスしてもらいたい」と語る。
プラザ・バリの野口義久テクニカル・アドバイザーは「これでバリの魅力がなくなったわけではない。大変な時こそ、みなで協力して、バリ観光を回復させていきたい」と力強く語る。
日本では、三連休で旅行会社も休みのところが多いこともあり、今のところ大きな動きは出ていない。本格的なキャンセルなどの動きは、十五日以降になりそうだ。
関係者によると、旅行直前のキャンセルは、キャンセル料がかかるので旅行を取りやめる人は少ない見込みだという。具体的な旅行者の落ち込みが確認できるのは、数週間から一カ月以上後になると見ている。
バリ島を中心に個人旅行を手配している旅行会社は、「バリが人気なのはいやし系だから。今回のテロは非常に厳しい」と切実な様子。一九九八年のジャカルタ暴動の時のように、インドネシア関係の旅行会社が激減するのでは、と心配する。
しかし、別の旅行会社は、昨年九月の米攻撃テロ事件の影響にもかかわらず、今年六月以降、ハワイや米本土への旅行者が急増したことを例に挙げ、「事件が起こると、日本人はすぐ旅行をキャンセルするが、忘れるのも早い。バリ島も半年後には回復するだろう」と、楽観的な見通しを語った。
■好調だったバリ観光
インドネシア中央統計局によると、昨年、バリ島を訪れた観光客は百四十二万二千人。このうち日本人が三十六万人で、約四分の一を占める。昨年九月の米テロ事件の影響にもかかわらず、過去最高を記録。回復軌道に乗っていた。
観光業はインドネシアの外貨獲得の柱の一つで、年間二百億米ドル、五百七十五万人の雇用をもたらす基幹産業。
観光客のインドネシア平均滞在日数は十二・二六日、平均支出は千百三十五米ドルだった。(二〇〇〇年、中央統計局調べ)
今年は、八月の観光客数が、前年同月比九・九パーセント増の十五万九千八百人を記録するなど、昨年を上回るぺースで順調に旅行者が増えていた。
ページのトップに戻る主要紙の社説
十四日付のインドネシア各紙は、バリ島爆弾事件に対する社説を、一斉に掲載した。テロ対策のぜい弱ぶりを批判する一方で、インドネシアの国際的評価を回復させるため、素早い犯人逮捕を政府に要請する論調がほとんど。インドネシアの主要四紙の社説を要約した。
■惨事は防げたはず(ジャカルタポスト)
昨年の九・一一テロ事件以降、シンガポール、マレーシア、フィリピン、豪州、米国などから、インドネシアがテロ組織の温床となっているとの警告があったが、政府は否定し続けてきた。
政府が早くからテロ撲滅に取り組んでいれば、バリ島での惨事は防げたかもしれない。今後は国内のテロ組織撲滅に真剣に取り組むべきだ。
今回の爆破事件は、バリ島、北スラウェシ州マナドで同時多発的に行われ、西欧人を狙ったテロだということは明らかだ。
今回の事件で噴出した国際社会からの反響を契機に、われわれはテロ問題に関し、気を引き締め直す必要があるだろう。
■憶測で犯人にするな(メディア・インドネシア)
米国やシンガポールなどの度重なる忠告に「インドネシアにテロリストはいない」と公言してきた政府高官を含むわれわれは大きな打撃を受けた。
しかし、爆弾事件について、われわれは過剰反応をせず、政府高官は、功を得ようと、憶測だけで特定団体を犯人に仕立て上げることはあってはならない。
なぜなら、わが国の政府高官は、憶測を述べることで評価を得ようとして、有効な解決策を見いだすことができていないからだ。
■犯人逮捕で信頼回復(コンパス)
爆弾事件に対する政府の対応が、メガワティ大統領ら閣僚の現場視察だけで終了せず、その後の積極的で、素早く、計画的に行われることを望む。
犯人を逮捕し、事件の背景を明らかにすることに成功すれば、悪くなったインドネシアへのイメージを改善させることができるのだから。
■事件の全貌解明を(コラン・テンポ)
この国はもう安全でないのだから、政府高官は、「インドネシアは安全だ」というコメントを出してはいけない。
したがって、インドネシアに駐在する外交官を引き揚げる国が出てきても、政府はそのことに反発してはならない。彼らは同胞が殺されて、怒りに身を震わせている。
重要なことは事件の全貌の解決。しかし、二〇〇〇年に発生した証券取引所爆破事件、二〇〇一年のアトリウム・スネン爆破事件といった過去の国内の爆破事件は、犯人が逮捕されても背景が不明瞭なのが実状だ。事件の全面解決だけが国民の悲しみや不安を取り除くことができることを忘れてはならない。
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■地元住民と外国人観光客が祈とう
爆弾テロ事件の犠牲者への哀悼を表そうと、事件現場に近いバリ州クタのスミニャック海岸で14日夕、地元住民と外国人観光客約500人が参加した合同祈とう集会が催された。ろうそくと花一輪を手にした参加者たちは、夕暮れと同時に手をつなぎ、輪になって祈とう。祈とうを終えた参加者たちは海に花を投げ、犠牲者の冥福を祈った。(ドゥティックコム)
■南ジャカルタのヤギ10匹が変死
南ジャカルタ・ジャガカルサ地区で12日から13日にかけ、地元住民が飼育するヤギ10匹が、喉を噛まれた状態で変死しているのが発見された。警察は、大型の野犬による犯行とみているが、現場は荒らされた様子がなく、ヤギの飼育小屋にカギがかけられていたなど、不審な点が多い。(ワルタ・コタ)
■交通マナー向上VCDを作成
悪化の一途をたどっているジャカルタの交通マナーを向上させようと、ジャカルタ警視庁は12日、免許所得者向けに正しい交通知識を盛り込んだビデオCD(VCD)を作成したと発表した。価格は1枚12万5,000ルピアとやや割高だが、免許所得希望者5人に、このVCDを試しに与えたところ、好成績で筆記試験に合格しており、抜群の効果を挙げているという。(スアラ・プンバルアン)