詳報・味の素事件
注目を集めるインドネシア味の素事件。経過に沿って じゃかるた新聞掲載の記事を紹介します |
味の素に回収命令 | |
宗教省と保健省「イスラム法に反する」製造過程の改善を指示保健省の薬品食品監査局は三日、インドネシア味の素社が、「味の素」の製造に必要なバクテリアの育成過程で、イスラム法に抵触する製品(バクトソイトーンと呼ばれるバクテリアを育てるための添加物)を使用していたとして、味の素の製品をイスラム教徒が摂取できない「ハラム」の食品であると断定し、同社に対し製品を三週間以内に市場から回収するよう命じた。また、問題のバクトソイトーンに代わり、マメノ(豆濃)という別の添加剤を使用すれば、イスラム教徒が摂取できる「ハラル」に認定すると発表した。 |
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日本人社長からも聴取 | |
消費者保護法違反東ジャワ工場の生産中止インドネシア味の素社(北ジャカルタ・スントゥール)が、イスラム法で摂取を禁じられている豚の成分を原料とする酵素を「味の素」の製造過程で使用していた問題で国家警察は七日、ジャカルタ本社の荒川満夫社長から消費者保護法違反(虚偽の表示)の疑いで事情聴取を開始した。国家警察は六日、東ジャワ州モジョクルト工場の小山洋介技術担当役員とインドネシア人幹部の五人を逮捕しており、虚偽の表示が荒川社長の指示によるものかどうかを中心に取り調べた模様だ。同社は東ジャワ州のモジョクルト工場の生産を中止、市場に出回っている約三千トンの味の素の回収に全力を挙げている。 |
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ハラム断定をめぐるナゾ | |
大統領の支持勢力「国家経済に混乱狙う」イスラム指導者会議(MUI)が、味の素を「ハラム」と断定した背景には、いくつかのナゾが指摘されている。アブドゥルラフマン大統領に代表されるイスラムの世俗化に寛大な勢力と、そうでない勢力の対立。スハルト政権をはじめ歴代政権にその権威を低く見られていたイスラム指導者会議の権威回復の動きなどが、微妙にからんでいるのではないかという見方だ。 |
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荒川社長を2日間拘束 | |
小田副社長も取り調べ味の素事件で国家警察インドネシア味の素の消費者保護法違反事件を捜査している国家警察とジャカルタ警視庁は八日も、荒川満夫社長の最高責任者としての容疑を固めるため、身柄を拘束して取り調べた。尋問は二日間にわたった。一方、東ジャワ州警察本部はモジョクルト工場の最高責任者である小田康副社長を八日未明、同本部に召喚し、身柄を拘束して同日深夜まで取り調べた。これで、取り調べを受けた日本人幹部は、留置中の小山洋介技術担当役員を含め三人となった。 |
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改善命令で決着狙う | |
保健省薬品食品監査局の見解二日に開催された宗教省、保健省、イスラム指導者会議(MUI)、MUI薬品食品調査局の会議を受けて三日に発表された保健省薬品食品監査局のサンプルノ局長名の「味の素に関するプレスリリース」は、味の素の製造過程を、(1)グルタミン酸ナトリウムを製造する発酵・精製の最終工程と(2)その前段として、最終工程に必要な発酵菌を作る過程の二つに分け、(1)の発酵・精製過程は「豚の成分を含んでいない」とする一方、(2)の前段階では「豚を含んでいる」と断定。その上で、二つの工程を経た味の素を「ハラム」(摂取できない)と結論づけている。だが、味の素側が(1)マメノという添加物を使用して新製品を生産する(2)旧製品を市場から回収する−の二点を条件に、味の素事件を決着に持ち込もうとする姿勢がうかがえる。 |
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「ハラル」で商売するな | |
イスラム青年たちがデモ八日午後一時半ごろ、イスティクラル寺院地下にあるイスラム指導者会議(MUI)本部にフォーラム・インドネシア・レサー(インドネシアを憂慮する会)と名乗る活動家三十人ほどが押し掛け、(1)味の素社のインドネシアにおける営業停止処分(2)MUIの解散、新組織によるハラル監督の実施−の二点を要求した。味の素の包みに火をつけ、雄たけびを上げた。 MUI解散の理由として、メンバーの一人は「MUIはハラル問題を監督する組織でありながら、ハラルの認証で商売をしたり、政治的に利用している。スハルト政権時代、豚肉疑惑が浮かんだ食品業者はいくつかあったが、MUIは政府よりの組織としてハラムの事実を握りつぶした経緯がある」と説明した。 |
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大統領「味の素は食べてよい」 | |
イスラム指導者会議に挑戦安全宣言で収束狙うアブドゥルラフマン大統領は九日、訪問中の高村正彦法相との会談で、インドネシア味の素問題に触れ、「味の素に豚の成分は含まれていない。味の素はハラル(イスラム教徒が食べてもよい食品)である」と述べ、イスラム指導者会議(MUI)が「ハラム」(摂取禁止)と断定した結論を真っ向から否定した。この会談を説明したウィマール・ウィトラール大統領報道官は「大統領は味の素問題を宗教的な問題ではなく、まったくの政治問題と受け止めている」と語り、味の素問題についての大統領の公式見解を初めて明らかにした。イスラム指導者会議にあえて挑戦し、味の素の安全宣言をすることで事態収束を狙った大統領の発言は、味の素幹部の刑事責任を追及中の警察当局への圧力になるばかりか、宗教上の論議に拍車をかける恐れもあり、味の素問題の行方は、いよいよ波乱含みになってきた。 |
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関連の調味料も回収 | |
ハラル認可のあと新商品味の素会見インドネシア味の素ジャカルタ本社は九日、荒川満夫社長ら幹部が国家警察の調べを受けてから初の記者会見を同社近くのホテルで、内外の報道陣約二百人を集めて行った。 |
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「最終製品に豚はない」 | |
政府機関が大統領援護加熱する味の素論争「味の素は食べてもよい」「騒ぎの背後に政治勢力がいる」というアブドゥルラフマン大統領の九日の爆弾発言は、政府当局、イスラム勢力を巻き込んだ論争に火を付け、国会再開を控えた政局にも微妙な影を投げかけている。 |
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荒川社長ら7人を釈放 | |
味の素事件で国家警察大統領の安全宣言で刑事事件捜査は一段落工場再開が焦点へインドネシア味の素の消費者保護法違反事件を捜査している国家警察と東ジャワ州警察本部は十一日午後七時すぎ、小山洋介技術担当役員ら東ジャワ・モジョクルト工場の幹部四人を釈放した。これに続き、ジャカルタ警視庁も、同日午後九時すぎ、荒川満夫社長、チョコルダ・バグース・スダルタ総支配人ら三人を釈放した。この事件で日本人幹部三人が取り調べを受けたが、全員が釈放され、事件捜査は一段落する。東ジャワ州警察が操業停止命令を出したモジョクルト工場の再開が今後の焦点となった。 |
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