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2001年3月13日のトップニュース
大統領官邸に学生2万人
学生評議会の大衆デモ
大統領一蹴「大した数ではない」
アブドゥルラフマン大統領の早期退陣を要求するインドネシア大学学生評議会など全国主要大学の学生評議会(自治会)は十二日、大統領官邸に約二万人の学生、労働者、イスラム活動家を動員し、早朝から夕刻まで統一集会を開いた。首都圏のほかバンドン、ジョクジャカルタ、マルク、スマトラの学生も参加。学生評議会の大衆動員による学生運動が地方にも広がっているとうかがわせた。これほど多数の学生が官邸を取り巻いたのは初めてだが、大統領は「学生の数は大したことはない」と一蹴した。
黄色、赤、茶色など各大学のジャケットを着たり、ナップサックを背負った学生たちは、大統領官邸正面の北ムルデカ通りから、官庁街の西ムルデカ通り、官邸裏側のベテラン通りを埋め、座り込みや、集会を続けた。
デモを動員したのは、最近、各地の学生評議会の主導権を握ったインドネシア・イスラム統一行動(KAMMI)。大型スピーカーや巨大な電源車を積んだトラックを動員。指導者がマイクで(1)国家指導者として失格の大統領の退陣(2)燃料費値上げの取りやめ(3)国民を欺く政治家の一掃(4)カリマンタンなど住民紛争や汚職に対する大統領の責任追及−を叫んだ。
治安部隊は有刺鉄線を官邸に張り巡らせて警戒に当たったが、学生は歌を唄ったり、掛け合い漫才をしたりの集会。警察が用意した給水車で足を洗い、お祈りをする姿も。
一時、大統領支持派の五百人と石を投げ合い緊迫したが、学生たちは大統領の物まねや戯れ歌を歌って、一日中、お祭り気分だった。
バンドン工科大学生評議会のシギット議長は「グス・ドゥルは改革と経済復興の課題を実行できなかった。危機感のない大統領は辞任すべきだ」と語った。
学生は大統領の「人民裁判」を実施。裁判長に扮した学生が「グス・ドゥルは死刑だ」と判決を下し、大統領の人形に火を放った。
午後三時ごろ、アミン・ライス国民協議会議長や国民信託党のファトワ議員、スチプト闘争民主党幹事長を乗せたバスが到着すると、学生らは「グス・ドゥルは辞任せよ」のシュプレヒコール。
アミン議長は「グス・ドゥルにとって最良の選択は辞任だ。国民協議会は最も早く辞任させるための方法を見つける」と述べ、喝采を浴びた。
この日、イスラム統一行動と学生評議会の全国組織は、一般にもストライキを呼びかけていたが、会社や商店は平常通り営業した。
イスラム主導、左派系後退
国会対立反映した学生運動
学生デモは、大統領支持派と退陣要求派の二つに分裂。両派が投石合戦を演じた。国会を舞台にした政権党と野党の対立の構図を、そのままデモに反映した形だ。指導部も左派系からイスラム系へと様変わりしている。
反政府デモは、年明けから、一般学生も取り込んだ各大学の学生評議会(BEM)がリードしてきた。
「BEM〇〇大学」という色とりどりの旗が目立つ。この自治会単位の学生動員を、背後から支援しているのがイスラム色の強いインドネシア・イスラム統一行動(KAMMI)だ。
大型バスによる人員輸送、大型のトラックを使った舞台装置など、資金力、組織力、動員力を誇示しており、イスラム統一行動を通じてのイスラム諸勢力からの資金援助が豊富と見られる。
KAMMIは一九九八年、スハルト政権崩壊後に誕生。エジプトのイスラム新潮流である新復古派の影響を受けた国会では第七番目の正義党に近い学生組織。アミン・ライス国民協議会議長とも近い存在だ。
スハルト元政権の翼賛政党ゴルカルの学生団体だったインドネシア学生協会(HMI)に対抗、全国の学生自治会の指導権を争い、イスラムの原則に忠実なKAMMIが、多くの大学の学生評議会を牛耳ったとされる。
この日の集会は、全国学生評議会とKAMMIが共同で組織。イスラエルとの貿易再開、味の素のハラル(無害)宣言、共産党の認知、パレスチナへの冷淡さなどに見られるアブドゥルラフマン大統領のイスラム軽視の政策を厳しく批判。車で駆けつけたアミン・ライス国民協議会議長を熱烈な拍手で迎え、大統領降ろしの権謀術数が渦巻く国会や国民協議会の動きを支持した。
スハルト、ハビビ両政権の治安部隊と流血の衝突を繰り返した過激派活動家集団のフォルコットは、大統領と現政権支持の立場を鮮明しており、多数の学生動員を競い合う学生戦線の主役の座から後退している。
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