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2001年2月19日のトップニュース
トゥトゥット氏を取り調べ
プルタミナ汚職で最高検察庁
パイプライン工事に絡む不正
最高検察庁は十六日、スハルト元大統領の長女、トゥトゥット(シティ・ハルディヤンティ・ルクマナ)氏(五二)を、一九八〇年代末期に計画された国営石油会社プルタミナのパイプライン工事をめぐる汚職で容疑者と断定、十九日に取り調べると発表した。福祉財団をめぐるスハルト元大統領の不正で、トゥトゥット氏は参考人として調べを受けたが、汚職事件の容疑者に断定されたのはこれが初めて。最高検は十四日、プルタミナのバロンガン精油所建設に絡む汚職で、長男のシギット・ハルヨユダント氏を事情聴取、この関係でギナンジャール・カルタサスミタ元経済・財政・産業開発担当相(現・国民協議会副議長)を取り調べるとしており、汚職の巣窟といわれたプルタミナに絡んで旧スハルト政権の中核にいた人物への捜査が動き出した。
最高検の発表によると、一九八七年、プルタミナはジャワ島内に全長三百二十キロメートルのガス・パイプラインの建設を計画した。当時、トリハルサ・ビマヌサ・トゥンガル社(TBT)の重役だったトゥトゥット氏が、国際コンソーシアムの代表者としてプルタミナに働きかけ、工事費三億六百万ドルの契約で施行者に指名された。
ところが一九九二年、TBT社は海外からファイナンスが得られないとして工事を中途解約。すでに着工した一四%分の工事費として約三千六百万ドルを請求。プルタミナはこれを支払った。実際の工事は六・四%しか終わっていないことがわかり、トゥトゥット氏の会社が虚偽の申告で少なくとも二千二百万ドルを詐取、国家に損害を与えたというもの。
最高検は当時のプルタミナ総裁だったファイサル・アブダウ氏、TBT社社長だったロサノ・バラック氏の二人も容疑者として取り調べる。
【解説】旧体制封じ込め狙う
スハルト氏の公訴棄却、三男トミーの逃亡などに見られるように、旧政権の不正究明をあいまいにしてきたアブドゥルラフマン大統領が、自らまいたタネで国会の不正疑惑追及にあい、現在の政治危機の原因を作った。
この危機を乗り切ろうとする大統領は、国会の不正追及と大統領降ろしの背後で、ゴルカル党や旧体制の政治家が画策していると主張。大統領一派の青年団体が、ゴルカル党事務所の焼き討ちを繰り返している。
大統領も「旧体制の汚職に関与した十人を逮捕する」と語り、マルズキ検事総長は「プルタミナ、中銀など国営企業に関連した汚職」の捜査再開を示唆していた。
十年前の民事事件ともいえる、古くて、小振りの事件を取り上げたことから、捜査当局がどの程度トゥトゥット氏を追及するかは不透明。一連の捜査で、米国に退避しているギナンジャール氏(ハーバード大留学中)の名前を指摘するなど、旧体制の有力者の動きを封じ込める政治的な狙いもあると政界筋は受け止めている。
トゥトゥット氏は、現在は長女として病弱のスハルト元大統領の世話をしているが、一九八〇年代からスハルト氏が引退する一九九七年までは、飛ぶ鳥を落とす勢いの実業家であり政治家でもあった。
二十五歳のころ、華人政商リム・スゥリョン氏からインドネシア最大のBCA銀行の株式一四%を取得してビジネス界に登場。父親の威光の下、プルタミナなど国営会社と密着する建設会社、コンサルタント、高速道会社、テレビ局など幅広いビジネスを独占、現在もその中枢にいる。スハルト政権末期、社会福祉相に就任。ゴルカル総裁と副大統領の有力候補に挙がり、父親の後を継ぐ大統領候補と目されたこともある元実力者。タイム誌の調査では、ボストンやロンドンに豪勢な邸宅を持ち、資産総額は七億ドルとされる。
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