ホーム
2001年2月13日のトップニュース
危機回避に「役割」論
「大統領を名誉職に」
政権与党の延命策か
アブドゥルラフマン大統領を支持する東ジャワのナフダトゥール・ウラマ(NU)の暴力的なデモが、国家分裂の危機を招いたとの危機感が指導層の間に広がり、この際、大統領を名誉職に祭り上げ、メガワティ副大統領を首相格にして、政府の仕事に専念させてはどうかという危機回避の議論が浮上してきた。国会第一党のメガワティ氏の闘争民主党の中には、孤立化した大統領とはこれまで通り、是々非々の立場で臨むべきだとの意見も強く、こうした提案は、アブドゥルラフマン大統領の生き残り策との批判もある。
大統領の弟でナフダトゥール・ウラマ(NU)副議長のサラフディン氏は十一日、ジャカルタ・ポスト紙に対し「大統領と副大統領の二人の国家的指導者が、話し合いで妥協を図ることが危機に対処する最良の方法だ。現在のような白熱した政治状況の下では、二人が譲り合い、大統領がメガワティ副大統領に対し、より広汎な権力を与えるべきだ。権力の委任は、憲法に沿い、二人の指導者同士が譲り合う形をとる」と述べ、必要なら八月国民協議会で結論を出すべきだと主張した。
最近、開かれた大統領の諮問機関である最高諮問会議も「大統領が国家元首の役割を果たし、行政は副大統領に任せる」ことを提案している。また、メガワティ党首の闘争民主党も、大統領に短期または長期の「安息日」をとってもらい、メガワティ氏が大統領の日常業務を受け持つという提案を大統領に打診しているという。
国会ゴルカル党会派のシャムスル・ムアリフ代表も「大統領に健康問題があるので、メガワティ氏に行政の権限を委譲すべきだ。大統領はシンガポールのリー・クアンユー上級相のような待遇でもよい」としている。
これに対し、大統領の与党である民族覚醒党のムハイミン・イスカンダル幹事長は「大統領制の下で国家元首と首相役を分離するのは難しいだろうが、この構想は、昨年八月の(メガワティ業務を決めた)大統領令一五一号と同じ考え方なので反対はしない。この決定を実行することが大事だ」と述べた。
ムハイミン氏は同時に、内閣を総入れ替えする方法もあるが、その場合、第一党の闘争民主党に経済担当など重要閣僚のポストを優先的に渡す必要がある、とも語った。
大統領を名誉的な役割にしてメガワティ副大統領を実質的な首相役にするとの提案は、これまでも国会内から出ているが、大統領の側近や、支持者の間から、大統領を名目的なポストにするという案が提示されたのは、これが初めてだ。
こうした議論とは別に、メガワティ副大統領は十日、西スマトラ州のパダンで行った演説で、「祖国はいま分裂の危機に立っている」と危機感を表明。支持者を巻き込んだ権力闘争の中止を呼びかけた。
メガワティ氏は「建国以来の深刻な危機にある。権力闘争が続き、それを克服する努力も見られない。政治指導者同士が議論することさえ、ままならない状態だ」と嘆いた。「スカルノ元大統領とハッタ元副大統領は異なるビジョンを持ちながら、互いを思いやり、議論を重ねる関係にあった」と回顧した。
昨年の八月国民協議会で野党攻勢にあった大統領は、メガワティ副大統領に「日常業務」を委譲する大統領令を出したが、実行されず、メガワティ氏の不満は募っている。
アブドゥルラフマン政権の生殺与奪を握りつつあるメガワティ副大統領が大統領に発した警告と受け止めることができる。
Copyright © 2000 PT. BINA KOMUNIKA ASIATAMA, BYSCH
All Rights Reserved.